Windows7の64bit版に親指シフトキーボードを導入するのに四苦八苦した話
親指シフトとローマ字入力のバイシフターなわたし
もともとワープロ時代に富士通の親指シフトを使っていたことと、天の邪鬼な性格なもので、出版業界全体がマックに移行していくのを見てて、いやここはマイナーなウィンドウズでしょうということで、パソコンは1997年の導入以来、ウインドウズに親指シフトキーボードを入れ、ワープロソフトはOASYSを使っていました。
OASYS V10.0 富士通ミドルウェア 2006-12-11 by G-Tools |
さすがに、ここ数年はワードを使うようになりましたけど、親指シフトの入力の速さ、腱鞘炎予防などの理由もあって、離れられないでいました。
Microsoft Office Word 2010 通常版 [パッケージ]
ノートパソコンにもJapanist2003の「快速親指シフト」を導入して親指的運指で使っているくらいでした。
ちなみに、自分はローマ字入力も難なくできるバイシフターなんですが、やはり入力速度を計測しますと、1.5倍ほどの差が出るので、自前のパソコン環境では親指シフトで統一しています。
XPがウイルスにやられる
さて、長年愛用してきたWin XPがある日、質の悪いウイルスにやられてしまったんです。
知人友人に「ウィルスにやられた」と話すと、やれウイルス防止ソフトを入れてなかったのか、とか言われますけど、もちろん念には念を入れてオンラインからも監視するタイプの監視ソフトなどを入れていました。
それでもウイルスにやられてしまったのは、どうやら定例アップデートのバグ?狙いだったらしく……。相当、運が悪いやられ方だったようです。
手練のサポセンのお姉さんも「弊社では回復できた実績がございません」とおっしゃる。
対策としては、最新のOSを使うこと(Win7とか)、あとIEもできるだけ最新のもので、自動アップデートして下さいとのこと。
幸い、必要なデータはあらかたバックアップから救えたのですが、このままでは仕事に支障がでますから、パソコンごと新調することにしました。
ところが……。
親指シフト導入でかなり四苦八苦しました。
その顛末を。
さて、それまでは、Win XP sp3の32bit版に、JapanistとOASYSを入れて、ごくたまにオアシス、メインはワードで文章を書いておりました。
キーボードはKB-611。PS/2接続でしたが、パソコン側にPS/2ポートはなく、PS/2とUSBの変換アダプタを接続して、難なく使えておりました。
PS/2変換アダプタは、サンワサプライの安いやつ。キーボード用とかでもなんでもありません。ごく普通の。
SANWA SUPPLY USB-PS/2コンバータケーブル 約24cm USB-CVPS1
この変換アダプタで、KB-611 親指シフト実行キー付きは、Win XP の32bit版で難なく動いていたわけです。
パソコンを新調、ゲームでも3D CADでもなんでも来いの盛り盛り仕様
で。
新規導入パソコンは悩んだ末、豪華盛り盛り仕様にすることにしました。
レノボのBTOで、
プロセッサー インテル Xeon プロセッサー E3-1270 v2 (3.50GHz, 1600MHz, 8MB)
Windows 7 Professional 64ビット 正規版 (SP1, 日本語)
フォームファクター タワー型(冷却ファンが4つも入ってる!)
メモリー 4GB×2
グラボ NVIDIA Quadro 600 (1GB)
1st HDD 2.5インチ 180GB SATA3 SSD
2nd HDD 3.5インチ 1TB SATA HDD 7200rpm
ブルーレイディスクドライブ
こんな感じ。ほぼテキスト入力しかやらないのに、3Dキャドでもやるんすか?仕様です。ちなみにゲームもやりません。
で、パソコンが到着してネットつないで、YOUTUBEごときで「サクサクだよ~♪」とご機嫌だったわけなんですが、親指シフトが使えそうで使えない。
擬似的には動くんですが、サクサクとは動かない。
富士通のサイトを見てみますと、Japanistの64bit版のアップデートがあるというので、ダウンロードして入れてみたんですが、より悪化してしまいました。
いろいろ検索をかけていくと、どうやら、KB-611は64bit版には対応しない、とのこと。
早急に親指環境を整えたかったんで、背に腹は変えられず、64bit版にも対応するというKB-613を返品が効かないビックカメラの通販でポチしたのが失敗でした……。
ここでよーくサポセンさんに尋ねればよかったんですが、それまでKB-611はWin XP 32bitにPS/2とUSB変換アダプタで作動していたので、KB-613も変換アダプタで作動すると思いこんでしまったのですが……。
翌日には新品のKB613が届きました。
富士通 親指シフトキーボード[PS/2] FMV-KB613
さっそくPS/2とUSB変換アダプタをつなぎましたところ……。
状況は変わらず。
再度書きますけど、自分のパソコンはPS/2ポートを追加しなかったのでUSBしかありません。
困り果て、グーグル先生の20ページ目、50ページ目くらい深く深く検索を調べていきますと、「キーボード用」なるPS/2とUSB変換アダプタがあるらしい、ということがわかりました。
しかも、これなら親指シフトキーボードが使えるようになる、というレビューまで見つけまして。
で、在庫を探し求めたところ、秋葉原に10個あるということがわかり、駐車場代の高い秋葉原に買いに出かけました。1時間800円とか1200円とか、バブルのころの新宿や六本木、赤坂みたいですね。
その高級アダプタはサンワサプライ製の3倍の値段はしますが、背に腹は変えられません。109キーボードと親指シフトキーボード、というか、機械式キーボードのタッチには変えられないんです!!
高級キーボード用PS/2とUSB変換アダプタ、そして64bit版Win7とKB-613
で、さっそく高級(?)変換アダプタに交換してつなげたのですが……。
状況はかわらず。ozn...
それで、その日の晩も無駄な徹夜です。だって、あきらめきれないんですもの。Japanistのドライバインストールの方法が間違っているかもしれない。MS-IMEの存在が邪魔しているのかもしれない。きっと、自分のやり方が間違っているんだ……。
ウインドウズ95だって、たびたび『不正な処理を行ったので強制終了し ます』の文言と徹夜で闘いながら、なんとかしてきたではないか!
そうこうしているうちに、夜が明けました。
結論として、KB-613は64bit版には対応しているものの、PS/2ポートじゃないと正常に作動しません。
たいせつなことだから二度言います。
KB-613は64bit版には対応しているものの、PS/2ポートじゃないと正常に作動しません。
快速親指シフトのエミュレータには擬似的に反応しますけど、実用に耐えられません。
もう一回言いますけど、実用に耐えません。使えるって書いてるサイトありますけど、あくまで擬似的です。書き物が仕事な人には向かないと思います。少なくともわたしはイライラして耐えられませんでした。
結局、その足で表参道の富士通専門店「アクセス」に向かいました。
スターバックスが入っているビルの9階には、表参道に似つかわしくないアキバ風味のパソコンパーツ専門店がありました。
店内に入るとさっそく、
「え~そうなのぉ~? だってもう64bitのパソコン買っちゃったよぉ~……」
わたしと同じような境遇のおっさサラリーマンさんが店員さんに向かって嘆いています。
店員さん曰く、
・親指シフトキーボードを使うなら、64bit版のパソコンはオススメしない
・KB-613はUSB変換アダプタでは作動しません、さんざんテストしたけどダメでした
とのこと。
というわけで、USB対応のKB-232を購入してきました。
こうしてたった3日で新品の親指シフトキーボードが2台も我が家にやってきたわけですが。
USB接続のKB-232は、ただ単にUSBポートに差し込むだけで、ドライバ不要、自動的に認識、親指シフトサクサク! 実行キーないってけっこう便利。 指のホームポジションが動かなくてすむようなレイアウトなので、KB-611や613より快適です。
キーボードの方式は残念ながら機械式ではなくメンブレン式なんですが、特殊な構造をしているらしく(参照)キー荷重も軽くて、腱鞘炎になりにくいのではないかと思いました。
アクセスさんのサイトをみると、
FMV-KB232はリベルタッチ(Libertouch)の特徴を引き継いでいます。ラバードームとコイルバネを組み合わせてキートップを保持することで軽いタッチで柔らかな打鍵音と静音を実現した親指シフトキーボードです。全キーの入力荷重をリベルタッチ標準の約0.44N(約45g)よりも軽い約0.34N(約35g)を採用したことで軽快な入力を実現しています。
とのこと。確かに軽い。
ツナギで導入していたレノボの純正キーボードの重いこと重いこと。ノートパソコンのThinkPadはあんなにキータッチが快適なのになぁ。
というわけで、ウィンドウズ7の64bit版でも無事に親指シフト化ができましたが、労力とかけた金額が……とほほ。
生産性を上げて費用対効果を高めるしかありませんね。
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