もて耐をめぐるあれこれ
(昨年出場したチーム220レディスのメンバー)
もて耐があれこれ迷走している。
今年は第20回大会という記念の年で、あれこれ盛り上げたかったのだろうけど、参加者にとってはいろいろと障壁が増えてしまって、エントリー台数が激減してしまっている。
その迷走っぷりは昨年のレギュレーション変更にさかのぼる。
これまでも、もて耐は何度となくレギュレーション変更されてきた。
たとえば、もともとは“オープン耐久”ということで、125cc以上ならほぼ排気量など自由だったのが、重大事故が相次いだこともあり、排気量が制限されたり、事前講習が義務付けられたり、2008年からは250ccクラスが設定され、のちに250ccだけのレースへと改革されてきた。
これらの変更は安全上の理由での変更だったが、このたびのレギュレーション変更はそうではなさそうだ。
昨年、大きく変更となったのは、ヘッドライトとテールランプの装着義務付けである。
2016年もて耐決勝レースは午前10時スタート、午後5時ゴールであり、ヘッドライト点灯など必要ないタイムスケジュールだったのに義務付けられたというのは、2017年の記念大会に向けた布石らしかった。
「らしかった」というのも、この時点で2017年のもて耐がどのようなレースになるかはまったく決まっていなかったからである。
参加者にとっては、お金もかかるし、取り付けの面倒も増えて邪魔臭いことこの上ないレギュレーション変更であった。
■もて耐に関する“怪文書”
なかなか2017年のもて耐全容が明らかにならないまま、2016年の年末、怪文書がネット上に現れた。
それによれば、もて耐は7月に予選レース、8月に11時間の決勝レースを行なうとあった。
どう見てもそれは公式文書の体だったけれども、ツインリンクもてぎに問い合わせたところ、「そのような通知はない」との回答だった。
年が明けて、2月になってもなかなかもて耐の正式な日程が出ず、再度ツインリンクもてぎに問い合わせると、8月のもて耐の日程は決まっています、7月は内部では把握していない、との回答だった。しかも、その時点ではレースのレギュレーションや詳細はまだ決まっていない、とのことだった。
1月にはほとんど2017年のイベントやレースの仕事が決まるため、これには本当に困った。
仕方なく、7月の仕事を決めてしまったところ、3月中旬だか下旬にようやくレースの内容が発表された。
以下が、2017年のもて耐の日程である。
■公式予選2017年7月7日(金) 参加受付・公式車検・特別スポーツ走行
2017年7月8日(土) タイムアタック予選・3時間予選レース
2017年7月9日(日) 3時間予選レース(最大2レース)
■決勝レース
2017年8月25日(金) 参加受付・公式車検・特別スポーツ走行
2017年8月26日(土) グリッド予選・11時間決勝レース
2017年8月27日(日) ~11時間決勝レース
これだけでも、鈴鹿8耐前のくそ忙しい時期に関われる国際ライダーやメカニックが限られてしまうな、とか、ツーデーではなくスリーデーのレースが7月、8月の2回もあるとなると、普通のサラリーマンは休みが取りにくいなとか、いろいろと問題続出な日程である。
しかも。
決勝レースの8月は、
土曜日の14時30分スタート、途中休憩をはさんで日曜日の15時チェッカー予定
とのこと。
ヘッドライトが必要となるのは土曜日だけとなるのだろうか。
■余計な出費が強いられるもて耐
さらなる問題は、金銭面である。
3耐レースと11耐レースの2レースを同じエントリー費で走れるならオトクじゃん!……と思ったのはぬか喜びであった。
予選レース 54,000円 (ライダー3人の場合)決勝レース 36,000円 (※予選レースとは別にライダー1名につき12,000円)
が必要になるとのこと。
これ以外に、義務付けの公開練習の走行料とか、余分にかかるタイヤ代やら消耗品代やら、もろもろ考えると、11時間耐久に出るには軽く15万円から30万円くらいは出費が増えるのではないかと思う。
日程、金銭面、これだけで十分、もて耐参戦をためらわせる要素満載である。
■あいまいな決勝レース参加資格
もて耐に参戦できる条件は、ライダーは国内ライセンスが必要で、公開練習参加義務付け(除外規定あり)や、クルーチーフライセンス(チーム代表者が代表者講習会義務付け)も必要となり、なかなか参加のハードルは高い。
参加のハードルを高くするというか、もてぎのルールをより知ってもらい、レースに慣れる、周りの参加者のレベルを知るという意味で、これらのレギュレーションは賛成である。
わたしは第1回もて耐から取材をしてきたし、1999年の大島正さんの事故があり、そして2001年からは何度か参戦してきた経験上、もて耐の雰囲気が殺気だっていた時期を知っているからである。
ただ、今年のレギュレーションのうち、決勝レースに参戦できるライダーの資格があいまいで、予選レースの登録ライダーと、決勝レースの登録ライダーは変更されてもいいらしいとか、予選を走っていないライダーが決勝を走れるとか、情報が錯綜しているし、先日の代表者講習会でも主催者側が今後もあれこれ変わる可能性があると言っていたと聞く。
もて耐は「世界最大の草レースを目指す」というコンセプトで始められたけれども、予選レースを行ない、日を改めて決勝レースをやること、しかも決勝レースが2日間に渡る意味、意義がどこにあるというのか。
昨年まではエントリー開始からすぐに上限数まで埋まっていたほどの盛り上がりだったもて耐だが、現在、エントリー数は40チームほどだという。
エントリー締め切りの5月末までにどれほどのチームが集まるだろうか。
もし、決勝レースを走る77台に満たないエントリー数、というより、100台くらいしか集まらなくても、7月の予選レースは中止にして土日を公開練習日とし、8月にスリーデーで開催した方がいいのではないか。
(今年は昨年のチームから移籍して、モトパークからエントリーいたします)
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