G-FP2DF1P69Y 小林ゆきBIKE.blog: 2016年8月

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2016年8月

2016.08.13

コベントリーの清水良三さん、というか家具屋さん

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トライアンフのお店、コベントリーの清水良三さんに初めてお会いしたのは筑波サーキットだったか、クラブマンの編集部だったか。

当時、クラブマン編集部は桜新町の本社からちょっと離れて、総務や経理や他の編集部からは隔離された旧本社社屋(と言っても3階建てのこじんまりとした一戸建て)に移り、のびのびとやっていたような記憶がある。

ちょっとだけセットバックしてたからクルマやバイクでも来やすく、いろんな人が用事もなくプラっと遊びに来たりする、そんな雰囲気のなか仕事をしていた。

家具屋さんこと清水良三さんもそのうちの一人で、ふらっと遊びによくやってきていた。

清水さんと言えば、その頃すでに旧車のトライアンフで筑波を10秒で走るという話題の人だった。

あるとき、「もう家具屋畳むからよぉ」と言いながら、いつものようにプラっと遊びに来て、家業を辞めてトライアンフ屋さんを始めるという仰天プランを聞いたのも、クラブマン編集部でのことだったと思う。

いまでこそ自由が丘界隈はオシャレ家具店でひしめいているけれども、バブル崩壊の直撃を喰らった清水さんは、資産を活用する方向に素早く転換して、早期リタイヤじゃないけども好きなことして暮らすんだ、というようなことを言っていた。
もともとバイク屋さんじゃないのにだいじょうぶ? とちょっと心配になったけれど、清水さんはあの独特のダミ声&江戸っ子弁の人懐こさでファンを増やしていき、藤井フミヤさんはじめ有名人も出入りするお店になっていった。

清水さんは猛烈な生沢徹さんファンで、自称「おっかけ」。
たぶん清水さんと生沢さんは同い年くらいだと思うけど、清水さんはあくまで生沢さんのことを雲の上の尊敬すべき存在として接していた。そんな生沢さんも清水さんを信頼していて、あまり取材を受けないと聞いていた生沢さんに清水さんがアポを取ってくださり、生沢さんのご自宅での取材にこぎ着けた……ということもあった。


クラブマン時代、盗難に遭ったGPz900Rを知り合いのバイク屋(モドキ)に修理に出したら、結局詐欺のようなことに遭い、直るどころかむしろ壊れて戻ってくるという目に遭ったとき、「いいバイク屋があるから紹介してやんよ!」と助け船を出してくれたのも清水さんだった。

連れて行かれたバイク屋さんは、バイクよりもガラクタ(失礼!)の方が多い一見さんが入りにくいお店で、妙に眼光スルドいメカニックさん(現・ハラファクトリーの原さん)と、まだあどけなさが残る20歳そこそこのメカニックさん(現・モトショップMガレージの村野君)がいた。
オーナーで店長のAさんはカメラにしか興味がないみたいな人だったけど、カメラの棚にはおびただしいポラロイドやらヴィンテージの3Dカメラやらが並んでいたり、店の片隅に古いトライアンフ?だかのオートレーサーが飾ってあったりして、その筋の人にはたまらないお店だった。

清水さんの紹介で無事にGPz900Rの入院先が決まり、担当メカはベテランの原さんではなく、村野君に決まったのだけど、たびたび

「コバヤシさん、事件ですっ!」

と電話がかかってきては、


・スタッドボルトがねじ山ごとなくなってて落ちてきた

・新品に交換されたはずのカムシャフトが折れていた

・ウォーターポンプが逆に組まれていた

みたいなトンデモ報告が続いたのだった。

あのときハタチそこそこだった村野君は、

「いまでも夢にうなされる」

といい、いまもニンジャをメンテに出すと修理完了してからすぐ「その後いかがですか?」と、お味の方はいかがですかってウエイターさんか聞きにくるような高級レストランのようなことをしてくれる。

おかげさまで、10万キロで盗まれてエンジンともどもボロボロになってしまったニンジャはその後、ノーOH(エンジンOH後14万キロ)で元気に24万キロも走り続けている。

そして、原さんはカリスマZレストア士と化しているし、村野君はCBRカップのチャンピオンを輩出するメカニックに成った。
なにより、二人とも走ってもめちゃくちゃ速い。

清水さんの推薦はホンモノだった。

フリーになってたまたま、清水さんちんとこに会社があったサインハウスさんの仕事をするようになり、会議で行くたびに、いろいろな件の相談に乗ってもらったりアドバイスをいただいたりしていたのも清水さんだった。
仕事の手を止めさせて申し訳なかったのだけど、小一時間は当たり前、長いと2時間も3時間もおしゃべりは尽きなかった。
いろんな情報を仕入れるのも清水さんからだったし、漫画家の本田恵子さんの存在を知ったのも清水さんの情報だった。

清水さんの話で印象的だったのは、とても愛妻家だったということだ。
「かーちゃんが先に逝くなんてありえねぇ」って言ってて、だからって清水さん、もう……。

人見知りはげしいナベゾ画伯こと渡辺和博さんもお気に入りだった清水さん。
取材で紹介したあと、何度も遊びに行ってたみたいで。

クラブマンで連載してた「ヨーイング・ゾーン」にもたびたびキャラとして登場していた。

そんなわけで、担当編集者としてわたしが手がけた

エンスー病は治らない

を引っ張りだしてきてみた。

ナベゾ画伯のまえがきのことばが胸に刺さります。

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清水さんの葬儀は本日お通夜、明日告別式です。

通夜式

8月13日(土)午後6時~7時

葬儀・告別式

8月14日(日)午前10時~11時

桐ヶ谷斎場(1階鶴の間)


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2016.08.11

バイクの夏フェス化して鈴鹿8耐はますます盛り上がってました!

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「日本のバイク文化は鈴鹿8耐&北海道ツーリングから! 」

を提唱している小林ゆきなのに、ここ最近は毎年鈴鹿8耐に行っているわけではなく申し訳ございません。
昨年はもて耐の準備&北海道ツーリングの準備もあり……と、言い訳はさておき。

今年は鈴鹿8耐に行く予定はまったくなかったのに、どこに行っても

「ゆっきー8耐来るんだよね?」

と聞かれるだけじゃなく、

「ゆきさん8耐は何日から来るの?」

と、半ば、8耐に行くのが確定のように言われることが多くなり、はっきりとした目的もないまま、8耐行きプランを考えておりました。

最初に考えたのは、せっかく8耐取材経験は長いし、2000年~2003年までチーム監督経験まであるので、8耐未経験の女性を中心にクルマで鈴鹿に向かうことを考え、フェイスブックで声をかけてみました。

ところが。

イイネ! は山のように付くんですが、どういうわけか一緒に行きたい! 行きましょう! という問い合わせは一件もありません。
鈴鹿8耐にさほど皆さん興味がないのか、それともわたしの知名度が足らないのか、はたまた。

気を取り直して、東京または横浜からのツアーを探してみたものの、7月に入ってからはすでに売り切れ。

友だちはみな仕事orテレビで観戦orもて耐準備or北海道ツーリング……といったあんばいで、誰も誘いに乗れず。

ならば! と思いついたのが、もっとも過酷と言っても過言ではない

「バイクで鈴鹿8耐!」

です。
何が過酷かって、何しろ灼熱の8耐が終わるのが夜の7時半。
そこから表彰式などありまして、鈴鹿を出るのが夜の9時ごろ。
そこから渋滞の伊勢湾岸道など通過しての横浜……。
一人で行くのは考えただけでも辛い……。

どうせ行くならなんか情報ないかなーと公式サイトなど漁っていましたところ、

逆バンクdeキャンプ

の申し込み締切があと1日! という状況。

この「逆バンクdeキャンプ」、かれこれ7年ほどやっているそうですが、なんと自分のバイクで逆バンクの観戦エリア裏に入れる上、なんと! そこでキャンプできちゃう、というなかなか便利な企画です。
しかも、出入りは自由。
パレードに参加できる特典付きで人気の企画なんだそうです。

というわけで、もて耐の練習もろもろのスケジュールをにらみつつ、5分ほどでバイクで行くことを決断したのでした。

バイクで行けば、


「鈴鹿8耐までバイクで行ってきたよ~( ̄ー ̄)!」

と自慢できますし、むしろそれが目的かも。。。

キャンプ道具一式は昨年の北海道ツーリングで揃え直したりしましたので、準備はそうたいへんではありません。
というわけで、土曜日の早朝に横浜を出発いたしました。

さっそく高速道路上でマシントラブルが発生するなど、前途多難な鈴鹿行き。

しかし!

早朝から鈴鹿サーキットクィーンの福田りえちゃんからメッセージが届いたのです。

元気ひゃくばい。

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りえちゃんとは先日、パンケーキデートしてきましたよ!(ちょっと自慢)

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陣中見舞いを届けに行きましたが、なんか違う生き物かっ?!ってくらい別次元にお美しい……。

この数か月、キャンペーンでいろんな地方のショッピングセンターなどを回っていたそうで、8耐ウィークはその集大成。
スタート進行など、りえちゃんが活躍している姿をしかと見届けたいと思いますっ!

……と思ったら、グランドスタンドなどの指定席チケットやパドックパスはすでに売り切れ。

10年くらい前までは、観客が少なくなっちゃってヤベーってなってた8耐ですが、ここ数年人気が高まってきたとは聞いてましたが、まさかここまでとは!

長くなってきましたので、後編に続く!


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