G-FP2DF1P69Y 脳疾患によって半身麻痺になった知人が二輪免許を取り上げられそうになった話: 小林ゆきBIKE.blog

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2014.01.10

脳疾患によって半身麻痺になった知人が二輪免許を取り上げられそうになった話

先日、久々に会った知人から聞いた話。

そのIさんは何年か前、若くして脳疾患にかかり、その影響で片半身麻痺の後遺症が残ったのだけど、リハビリを続けて現在は杖を利用して歩けるようになっていました。

病気に見舞われるまでIさんは大型バイクに乗っていて、その免許はいわゆる“限定解除”によって苦労して取得したものだそう。

“事件”は、発症後、初めての免許更新時に起こりました。

更新に訪れた免許試験場で、四肢麻痺を見つけた担当警察官が

「二輪車の免許は更新できません」

と言い放ったのだそうです。

道路交通法に照らし合わせると、これはグレーな対応ではないかなと。

なぜなら、運転適性のうち「運転免許の拒否、取消等を受けることとなる身体の障害や病気」に四肢の片側麻痺は含まれないからです。

運転免許って、よっぽどのことがない限り、拒否や取消にはなりません。
よっぽどのこととは、

・失明

・幻覚を伴う精神疾患

・再発性の失神

・無自覚性の低血糖症

・四肢の全部を失ったもの又は四肢の用を全廃したもの

などであります。

(詳しくは こちら をご参照)


Iさんの件で、なんだかなぁと思ったのは、二輪車は二輪と書くけど二輪車だけのことを指しているわけではないからです。

すなわち、二輪車とは、

・二輪の自動車

・二輪車様の運転操作を伴う三輪車

・三輪車(の一部)

・側車付き二輪車(合計三輪、または四輪)

これらは全部、原付または普通二輪車または大型二輪車免許で運転することができます。

つまり、二輪車とは、ライダーが支えていなくても自立する乗り物も含まれるわけです。

Iさんは右側の麻痺がありますが視力や視野は問題ないそうですし、自立する三輪タイプのバイクやサイドカーならば運転できるわけです。

それなのに、免許センターの担当者は

「もうバイクは運転できないのだから大型二輪免許は返上して下さい」

などと言ったそうな。

現状では、もしIさんが二輪免許を返上してしまうと二度と二輪免許を取得することができないかもしれないわけです。(←これについては、下肢麻痺の方がトライク限定の二輪車免許を取得した事例もありますけれども)

将来的にテクノロジーが進化すれば、ジャイロを搭載して二輪のままでも自立するバイクが出来るかもしれないし、Iさんの障害が直るかもしれない。障害を補助する装置ができるかもしれない。

いろんな可能性があるのだし、免許更新に技能試験はないわけですから、運転適性に著しく引っかからないのであれば更新しても問題ないはず。

結局そのとき、免許センター側の1時間に及ぶ説得にIさんは応じず、なんとか更新できたそうです。

そして、最近2回目の更新となったそうなのですが、そのときは何の指摘もなく、さくっと更新できたそうな。
前回、あんなに苦労して更新したのが何だったのかとIさんは訝るのでした。

* * * * *

公共交通機関が、とくに地方では壊滅的になりつつある現代社会において、パーソナルモビリティ、すなわち個人が自分の意志で自由にいつでもどこへでも乗り物を運転して移動できることは公共の福祉そのものと言えるのではないかと思っております。

「マイカー」という言葉は、自分勝手というような意味合いが込められた否定的な言葉でしたが、公共の福祉という意味も含まれるパーソナルモビリティが普及せざるを得ない時代となり、運転免許に関する諸規制や制度は、そろそろ本格的に見直しが迫られている時期であると痛切に感じます。

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