G-FP2DF1P69Y ★追記あり★モータースポーツ界では体罰・暴力が少ないような気がする: 小林ゆきBIKE.blog

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2013.01.31

★追記あり★モータースポーツ界では体罰・暴力が少ないような気がする

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★追記★

ここはわたし自身で運営しているブログですので、今日の話題はしっかり調査して分析したとかいうことではなく、感じたことをそのまま書き散らしました。その上で、ツイッターでご指摘がありましたので追記しておきます。

スポーツ社会学では昔から、日本式の学校スポーツのあり方に異論を唱える研究者が多かったように思います。

日本でスポーツが学校を中心に普及・発展しているのは、まさに軍隊の予備教育としてのスポーツ、すなわち「体育」の考え方を引き継いでいるからに他ならない。世界を視野に入れたエリートスポーツのためには、学校スポーツではなく、地域クラブ等で普及が図られた方がポストモダンの時代においては、よりよい……。

みたいな理想論はあるわけですが、例えば野球などは事実上、高校野球や大学野球に身を置かないと、プロへの道筋はなかなか遠いものがあります。

一方で、学校スポーツがほぼ成り立たない分野、例えば練習場が限られるゆえに、フィギュアスケートなどは地域クラブを中心に発展してきたと思いますし、フェンシングやカーリングなどもマイナースポーツゆえに学校スポーツではなく地域クラブとして発展してきたと聞きます。

学校スポーツと地域クラブが共存している例としては、サッカーや水泳が挙げられましょう。

それでは、モータースポーツ、とくにオートバイのモータースポーツ(モーターサイクルスポーツ)はどうか。

ごく一部の大学のサークルないし体育会系二輪部を除いて、学校スポーツとは無縁で発展してきました。

モータースポーツが地域クラブとして発展してきたのか、実業団スポーツ(企業スポーツ)として発展してきたのか、というと、そのどちらも違う気がします。

結局、モータースポーツは愛好家の集まりであり、その母体は、地域のつながりは関係がなく(サーキットが点在しているという点も大きく影響していると思います)、企業というパトロンが支えてきたわけでもなく※。

※企業スポーツではないと言い切るのは言い過ぎかもしれませんが、ラグビーや陸上やバレー、バスケなど、いわゆる「実業団」としてのモータースポーツのチームは少ないという意味で。あっても、長年にわたってチームが運営されている例はたいへん少ないですし、会社が母体となっているチームのほとんどは、バイクショップやパーツメーカーが母体のもので、いわゆる実業団とは意味が異なる。

ちょっと枕が長くなりましたけど、「モータースポーツ界に体罰・暴力はあるのか?」という疑問を、昨日、ツイッターにて投げかけてみました。

自分の見聞きしてきた範囲では、モータースポーツの現場で体罰、(指導者による暴力的罰)はほとんど見聞きしたことがないんですよね。

反面、選手同士の暴力は見聞きしたことがあります。

で、ツイッターの反響なんですが、「モトクロスでは見る」「トライアルでは親が罵声を…」のようなツイートがちらほらありました。

確かに、近年、とくに21世紀に入ってバイクのモータースポーツ界は、親が子どもにバイクを乗らせるというパターンが多くなってきて、親イコール指導者、という、いわゆる「親子鷹」が多いと思うんですよね。

こんな話がありました。

ミニバイクの耐久レースに参加していたキッズライダー。

朝のブリーフィングのとき、「トイレに行きたい」というので行かせたら、いつまでも戻ってこないのでピットに探しに行ってみると、友だちたちとふざけて遊んでいた。

そんな子どもを父親は、子どもが吹っ飛ぶほど蹴飛ばした--。

わたしは暴力はんたい、体罰はんたい、殴るような親は許せない・許さない、という考え方なのですが、ブリーフィングとは「命に関わる」注意事項を再確認する場であり、このような対応をしたその父親を責める気持ちにもなれないというのは、自分でも不思議なんですけど、正直な気持ちです。


★追記★

このようなご指摘をいただきました。たしかに、子どもがモータースポーツの現場でふざけたとき、体罰・暴力ではなく、そもそも参加させない、という手段があるということに、ブログを書いているときには思いが至りませんでした。

ただし、「金か面子か」というのはうがちすぎのような気もします。

でも、そもそも走らせないという方法はまったもってその通りと思いました。

★追記ここまで★

学校スポーツの現場で問題になるのは、生徒・児童と指導者(外部コーチの場合もあるが、多くは先生)の関係は、先生と生徒という支配関係そのままなので、体罰が行われやすい、というものです。

ひるがえって、モータースポーツ界の指導者・選手の関係はどうか。

そもそも、モータースポーツ界に「指導者」「コーチ」という立場が成り立っているとも思えないので、そこからして暴力は生れにくいのかもしれません。

(最近では、MFJが指導者制度を立ち上げ、「スポーツ指導者ライセンス」という制度があります。)

もう一つは、モータースポーツのチームの監督という立場はどちらかというと、選手に技術を指導するというよりも、お金やスポンサーを集めたり、チーム運営を行うなど、「マネージャー」としての側面が強い、という特徴があります。

監督が選手の練習にべったり付き合うというわけでもないでしょうから(日々のトレーニングはおそらく別個でしょうし(トップライダーは専門のトレーニング施設で行うことが多い)、サーキットでも選手がコースに出てしまえばあとは選手に任せるしかない)、昨今問題になっている学校スポーツや強化選手たちの体罰とは様相が異なるのかもしれません。

そんなわけで、モータースポーツ界では体罰が少ないのかも。

一方、選手同士の暴力はというと、悲しいかな、ある程度は「ある」。

以前に、「デイトナ200マイル、そのときアーロン・エイツは何を起こしたか」という記事の中で、デイトナ200マイルで起こった事件について書きました。

エイツは、インフィールドで周回遅れ(Anthony Fania Jr.=アンソニー・ファニア・ジュニア)に追突。マシンは絡まってコースアウト。(Kカメラマン、Iカメラマン談)それからが悪い。エイツはこともあろうか、追突した周回遅れのライダーに殴り掛かり、頭突きを食らわしたというのだ。(あとで聞いた話しや、後述のSuperbikePlanet.comなどによれば、エイツは相手の胸ぐらをつかんだとか、蹴ったとか、頭突きを食らわした、とのこと。相手のライダーはエイツの行為に対して無視していたという。至極、当然のことだ)

(中略)

しばらくすると、顔を真っ赤にしたチームクルー3人がスズキのピットに怒鳴り込んできた。殴られた方のKSW Racingだ。すると、スズキ首脳陣(シュワンツ含む)も立ち上がり、総勢10数名が乱闘寸前に。しかし、こういうときに備えてか、強固な警備員がいるため、「文句は主催者に言ってくれ!」と警備員にKWS側が押し戻されてしまった。

(中略)

「抗議するのは当たり前じゃないか、身体を殴られたんだぞ! スポーツマンシップに反するじゃないか!」

(中略)

なお、エイツはスズキに2万5000ドル、AMAプロレーシングに5000ドルの罰金を払うことが決まった。かつ、次回4月のレースの出場停止。反省している場合は5000ドルの罰金は半減されるかもしれないが、問題をどれくらい真剣に受け止めているのか、AMAは引き続き調査する、とのこと。

わざわざリスクの高いスポーツをやっているのだから、暴力という手段で表現してはいけないと思うのですよ。

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