G-FP2DF1P69Y 女性ライダーは上半身を支えることができない人が多い: 小林ゆきBIKE.blog

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2012.10.23

女性ライダーは上半身を支えることができない人が多い

ある教習所の先生から聞いた話なんですけど。

二輪の教習生の事故パターンの一つに、通称“まくれる”事故があるそうです。

“まくれる”とは、何らかの原因で急発進して、でもそのままスロットルを握りしめちゃうもんだから、スロットルを開けたまま加速しちゃってバイクが暴走→転倒、というパターンの事故なんだそうで。
ひどいと、勝手にウイリーしちゃうこともあるんだとか。


Makure
(例によって左手マウスによるヘタヘタイラスト by YUKKY)

これ、男性ビギナーでもあることはあるそうですけど、女性の方が起こりがちなのだとか。

で、原因はスロットルを握りしめちゃうことだけかというと、それだけじゃなくて、とくに女性の場合、バイクの加速に上半身を支える動作が間に合わなかったり、そもそも支える筋力が足りない、あるいは支えたことがないので成すがまま……というのも原因の一つかと思われます。

そして加速したバイクに下半身を持ってかれ、上半身は慣性の法則で取り残されてしまうので、結果、コントロール不能、しかし頭ではバイクをなんとかしようとハンドルにしがみつく、しかしスロットルコントロールまではまだ無意識下でできるはずもなく、結果、アクセルが開いちゃって暴走……。

バイクで二人乗りしたとき、タンデムライダーが二輪の免許を持たない女性だと、発進のときに後ろにのけぞってしまう、なんてこと経験したことありませんか?
あるいは、カーブで遠心力に任せて上半身がコーナーの外側に行ってしまうとか。

日常動作で上半身を自分で支えることはほとんどありませんから、バイクの乗車姿勢をとったとき、どの筋肉で上半身を支えたらよいのか、普通の人はそういう身体感覚がないわけです。

男性の場合、基礎的な筋力が女性より高い場合が多く、バイクの発進加速くらいでは、無意識下に自己の筋力でなんとかしてしまうものなので、あんまり“まくれる”こともないかも。


* * * * *


発進加速のとき、上半身を支えるのは、いわゆるインナーマッスル。とくに、みぞおちのあたりから、お尻の下の骨、仙骨あたりまでの筋肉が働きます。

この、発進加速時、あるいはブレーキング時に使うインナーマッスルをどうやって確かめるのか

わたしが女性ライダーさんにライディングについて聞かれたとき、必ずやるのが以下の方法です。

(1) バイクにまたがってもらう。背もたれのない(または低い)椅子に浅く腰掛けてもよい。

(2) 何も説明なしに、急に背中を押す。すると、たいていの人は上半身が前に動いてしまう。

(3) 次に、「もう一度、背中を押しますから、自分で上半身を支えてみてください」と説明して、もう一度背中を押す。

(4) すると、被験者は自分がどの筋肉を使って上半身を支えたらよいのか身体感覚を経験から理解する。

(5) 同様に、今度は正面から両肩あたりを後ろに向かって押してみる。もう一度、自分で上半身を支えるように言ってから、後ろに押し、どの筋肉で上半身を支えているのか確認してもらう。

経験の中で自然に理解することもたいせつですけど、理屈がわかれば早い場合もあります。

あんまりうまく走れてないなーと思われる女性ライダーの皆さん。一度、この方法で、バイクに乗っているときどの筋肉を使うのか確かめてみてはいかがでしょう。

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