2011年モトGP日本グランプリの思い出~前編
9月30日(金)~10月2日(日)にツインリンクもてぎで行われたモトGP日本グランプリを観に行ってきました。
何周遅れのブログUPかよ、って感じなんですけど、書こう書こうと思っていたら昨日の悲しい知らせ。でも書きます。
今回はまったくのプライベートで、縁あって、W大学大学院に台湾から留学している博士後期課程の学生カップルと3人での珍道中でした。
カップルの彼の方(以下、チャンさん)と出会ったのは数年前の日本スポーツ社会学会でのこと。「バイクに関する発表者がいるよ」ととある先生に教えてもらって、口頭発表を聞いたのがきっかけでした。
彼のそのときの研究は、「台湾の“暴走族”について」でしたが、イメージとしては、日本の埠頭や峠を走る“走り屋”に近いものです。
それから数年が経ち、優秀な彼らは、アメリカ留学の道よりも日本の大学を選んでやってきました。
彼女の方(以下、リンちゃん)はモータースポーツそのものにはさほど興味がないとのことでしたが、もともとスポーツウーマンだということで、スポーツ全般に興味があるとのこと。台湾には大きなサーキットはないし、これまで全くモータースポーツ観戦の経験がないとのことで多少心配していましたが、実際に現場に行ってみると、彼女の方がわたしよりも大興奮、といった感じでなのでした。
さて。
まったく初めてツインリンクもてぎを観戦しに行こうという人たちを、どのようにご案内すればいいのか。
高いお金を払って行くのですから、どのようにモトGPを満喫すればいいのか。
ツインリンクもてぎで初めて世界グランプリが開催されてから7割方観に行っているわたしも、ちょっとだけ頭を捻りました。
モトGP観戦までの移動手段をどうするか
まず問題なのは、移動手段です。
東京近郊からツインリンクもてぎに、順当な手段で行こうと思ったら、真岡鉄道の茂木駅からタクシー、または宇都宮か水戸から1日1便程度のバス、ということになりますが、あまり現実的ではありません。
モトGPの日はバスの臨時便が出るので、まだマシなのですが、自由度はあまりなく。
自家用車がない、現地でビールを飲みながら観戦したい、という人には東京などから組まれるツアーバスがおすすめ。
これですと、日帰りプラン、または1泊2日プランなど選べますが、今年は大震災の影響で日程が変更になったため、なかなかツアー企画が発売されない状況にありました。(8月の時点ではまだバスツアー企画は発売されていなかった)
というわけで、あとは自家用車──クルマかバイク、ということになります。
バイクは駐車料金が安かったり、駐車位置が便利な場所だったりと、何かと観戦するのに恩恵が受けられるのですが、今回は3人という変則的な旅だし、チャンさんはまだ日本の公道を走ったことがないとのことで、見送りました。
ま、というわけで、いつもの我が家のヴァナゴンというクルマで行くことにしました。
モトGP観戦の日程をどうするか
モトGPはフリー走行、予選、決勝と金曜日から日曜日まで3日間の日程で開催されますが、3日間いるとなると、東京近郊からは毎日通うのはしんどいですし、かと言ってどこかに泊まるにしても便利な場所の宿はなかなか取れないか、高いホテルしか取れなかったりして、学生さんにはキツいかも。
しかしながら、初めてのモトGP観戦なのに決勝日だけスタンドから観るというのももったいない。
せっかくなら、あちこちの観戦席から見たいし、スタンド裏のショップを冷やかしたいし、パドックパスを買ってパドックの中を見たいし、ピットウォークだってしたい。
というわけで、日程は土日の二日間に決定しました。
じゃあ、宿はどうする?
せっかくワンボックスに乗っているので車中泊でもいいかな、とも思ったのですが、
「シャワーはできるのか?」(リンちゃんを気づかうチャンさん)「そもそも、か弱い女子大生がいきなり車中泊はどうなんだぃ?」(わたしもリンちゃんを気づかう)
という懸念があり、車中泊はしないことに。(ちなみに、シャワーに関しては、ツインリンクもてぎから臨時の無料バスが近隣の温泉施設に出るというサービスがあり、心配要りませんでしたが)
そして、かつて、もて耐参戦時にお世話になった茂木町の旅館や民宿に電話をかけまくったのですが、さすがに9月半ばだと、空いている宿などありません。
しかーし。
ツインリンクもてぎの公式サイトを良く見ると、「観戦券セット宿泊プラン」というのが掲載されていました。
宇都宮方面は料金が出ているのに、水戸方面は「詳しくは各宿にお問い合わせを」と、ナゾの文面が。
というわけで、近い方──真岡や益子町、笠間あたりから電話を入れてみることにしました。
すると、運良く、ツインリンクもてぎからクルマで30分ほどの笠間に部屋を取ることができました。
どのチケットでモトGPを観戦するか
次に問題なのが、どのチケットを入手するか、ということです。
幸い(?)わたしたちは大学院生なので、「学割」で、入場料9000円(3日間通し)のところ、半額の4500円で購入することができました。
しかし、4500円だと自由席にしか入れません。
でも、もてぎは自由席のエリアが広く、また、土曜日はグランドスタンドを開放しているため、自由席券だけでもグランドスタンドで予選を観戦することができます。
というわけで、基本は自由席券(学割)を手に入れることにしました。
そして、パドックパス(1万円)とピットウォーク(2000円)をどうするか問題。
チャンさんに聞かれたのは、
「パドックパスとピットウォークは何が違うのか」
ということ。
確かに、現場に行ったことのある人でないと、「パドック」と「ピット」の違い、「パドックパス」と「ピットウォーク」の違いはなかなか理解しにくいことと思います。
そこで、以下のように説明しました。
・パドックパスとは、コースの内側のパドックに入れる券である
・パドックの中はきれいにパーテーションされているので、ピットやコースを見ることはできない
・でも、ライダーがうろうろしているので、チャンスがあれば写真を撮ったり、サインをもらったりできるかもしれない
・忙しく働いているレースの裏方さんたち(メカニックやヘルメットサービスなど)の様子を見ることができる
・車検場の様子が見れる
・ピットの屋上からコースを観戦することができる(→後に分かったのですが、今年はピット上に上がることはできなくなっていました)
・1日1万円の高いパスなので、有効活用するなら土曜日の方がいいかも。日曜日は観戦したいだろうし、選手もチームもピリピリしているかもしれないので
・1コーナーのイン側を間近で見ることができる
・ピットウォークとは、予選後やレース前に、ピットの前を間近に歩ける
・パドックには入れない
・マシンやピットの中の様子、メンテナンスの様子などが見れる
・選手がサインをしてくれることもある
・チームがノベルティを配ることもある
・主催者がひもを持って誘導するので、自由に歩き回ることはできない
・意外と時間は短い
・ぜんぜん選手が出てきてくれないこともある
・ピットに行くためにコースを横断するので、選手が実際に走るコースの上を体験できる
パドックに入るのに果たして1万円もの価値があるのか。
ほんの30分ほどのパドックウォークに2000円もの価値があるのか。
自分はこれまで何度も仕事などで中に入ったりしてますんで、とくに今年あらためてお金を払ってパドックパスを取る気にはなれませんでしたが、彼らにとっては、もしかしたら何度も来れない憧れの世界選手権の場。
チャンさんは考えた末、パドックパスとピットウォーク券の両方を購入。
しかし、これが後になって……(以下、中編に続く)。
| 固定リンク | 0
「12.モータースポーツ」カテゴリの記事
- 2024年も小林ゆきはバイクざんまいでした!(2025.01.01)
- 今晩! 2024年12月13日(金)すきぱむラジオに出演(2024.12.13)
- 【掲載情報】世界最古のバイクの公道レース「マン島TTレース」が今年も開催 2024年5月27日から(バイクのニュース)by小林ゆき(2024.05.29)
- 今年もマン島TTレースを取材しにきています(2024.05.26)
- 12月9日(土)10日(日)はバイク弁当さんにてイベント! 水野涼選手のトークショーもあります(2023.12.06)
「01.バイク」カテゴリの記事
- 2024年も小林ゆきはバイクざんまいでした!(2025.01.01)
- 今晩! 2024年12月13日(金)すきぱむラジオに出演(2024.12.13)
- 10月27日(日)“ワイルドボアで遊ぼう”マルシェ&ゆきズムin倉敷(2024.10.11)
- 9月15日(日)バイク女子部ミーティング-バイカーズパラダイス南箱根 「Kommonうでわ」で出店します!(2024.09.13)
- チェストプロテクターの説明が難しかった話(2024.09.11)