G-FP2DF1P69Y 小林ゆきBIKE.blog: 2011年9月

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2011年9月

2011.09.30

【お知らせ】10月29日(土)、今年も埼玉県小鹿野町の「いちにちレディースライダー宿」に参加します!

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オートバイによるまちおこし」で知られる埼玉県小鹿野町(おがのまち)。
町のあちこちにバイク用駐車スペースがあったり、屋根付きバイク駐車場、ヘルメットが置けるロッカーなど、ライダーにもすっかりおなじみとなりました。

その小鹿野町で開催される「いちにちレディースライダー宿(じゅく)」に今年も参加します。女性ライダーはもちろん、男性ライダーも大歓迎!!だそうですよ。

女性ライダーのゲストは、漫画家の本田恵子さん、タレントの柴田奈緒美さん、モデライダーの多聞恵美さん、(以上、参加予定)そしてわたくし小林ゆき(参加決定)です。

ゲストのトークショーやライブ、地元の食の出店、バイク関連ショップの出店などが予定されてます。

日時●平成23年10月29日(土)10:00~16:00

会場●小鹿野町商店街通り全域

問い合わせ/ウエルカムライダーズおがの(西秩父商工会事務局内)電話0494-75-1381

この「バイクによるまちおこし」とは、

遠くから小鹿野町を目指して来ていただくライダーの皆さんを、町ぐるみで「ウエルカムな気持ち」で温かくお迎えし、気持ちよく帰ってもらおう、そしてまた新しい仲間を連れて小鹿野町に来ていただこう!というのが「ウエルカムライダーズおがの」のテーマです。

というもの。山口良一さんが小鹿野観光バイク大使を務めています。


大きな地図で見る

また、皆野寄居バイパス終点から荒川の対岸へ渡る新皆野橋が開通し、花園I.C.方面からのアクセスが楽になりました。
秋のツーリングシーズン、ちょっと足を伸ばして小鹿野町へぜひ。


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2011.09.27

被災地の二輪出荷が増加、その背景をもう少し考えてみる

東日本大震災の影響で、被災地を中心に原付含め二輪車の出荷台数が大幅に増えていると日本自動車工業会(自工会)が発表したそうです。

報道では、二輪車の利便性や機動力、省燃費性が見直されたのではないかとされていますが、他にも東北ならではのバイクを受け入れる背景があったのではないかなと考察(というには大げさですが)してみました。

報道によると──。

「災害時での二輪の利便性が見直され経済性に優れた原付きを活用しようという人が増えた」(ホンダの大山龍寛・二輪事業本部長)事情があり、宮城県では約2・4倍も増えた。震災直後に交通機関のダイヤが乱れた都市部でも、通勤手段として二輪車が見直された

 特に、乗用車並みのスピードで走行できる「原付き2種」(排気量50cc超~125cc)の売れ行きは著しく、宮城県では約4倍を記録したという。

2011年9月22日07時36分 読売新聞

日本自動車工業会の二輪車特別委員会が21日、排気量50cc以下(原付1種)の2輪車の2011年の販売動向に関する緊急アンケートの結果をまとめたところ、「前年維持」「増えた」という回答が合計56・6%に達した。全国の382の販売店を対象に行った。東日本大震災を受け、小型で走りやすい原付の経済性災害時の有用性が見直されている。  販売店の多くは増加要因として経済性への期待や福島、岩手、宮城など被災県での復興需要をあげた。11年1―8月の原付1種の国内出荷台数は同11・5%増の17万6806台。125cc以下の原付2種を含めても低調だった09年の出荷水準を上回っており「底打ち感がある」(自工会)という。

2011年09月22日 日刊工業新聞

販売好調の主たる理由は二つある。第1に、道幅が確保された道路ならば隙間を縫って走行できる「機動性」である。第2に、四輪車に勝る「経済性」である。原付第1種ならば10万円台前半から購入できるし、低燃費ランニングコストも低い。津波被害により、東北地域では40万台以上の四輪車が流されたとされており、経済的な事情から「生活の足」を四輪車から二輪車へ替えた被災者も多い。当分のあいだ、被災地における“特需”は続くと見られている。

2011年9月23日 週刊ダイヤモンド編集部

以上、太字は当ブログによります。

ここに挙げた3つの記事では、とくに週刊ダイヤモンドの記事がたいへん秀逸だと思います。
法律的な区分の基本的解説から、決して楽観視していないメーカーへの直接取材なども短い記事中に網羅しており、二輪関係者にとって必読記事です。
記事には、二輪の機動性とは何かを「隙間を縫って走行できる」とわかりやすく解説し、瓦礫が散乱した被災地の光景が目に浮かびます。また、二輪の高い経済性とは何かについては、その比較対象を「四輪車に勝る」とし、郊外・農村・漁村地域の生活の足が、鉄道やバスなど公共交通機関ではなく、クルマであったことをうかがわせる記述にまとめています。


●東北の太平洋側では、バイクは慣れ親しまれた生活の足だった

さて、前述のように報道では、今回の大震災で二輪の利便性・経済性・災害時の有用性・機動性が見直されたとされていますが、わたしはこれに加えて、東北の太平洋側では二輪車が慣れ親しまれた生活の足であったことが背景にあるのではないかと考えています。

その理由は、「地勢・風土」と「産業構造」にあるのではないか、加えて「昔免許なので二輪車運転可能な世代がまだまだ現役バリバリである」ということも指摘しておきたいと思います。


【地勢・風土から考えてみる】

まずは「地勢・風土」に関して。

①東北地方の太平洋沿岸部は積雪が少ないため、地域によっては冬でも二輪車が実用可能である

福島県のいわきあたりや、宮城県の仙台あたりだと、意外に冬でも通勤・通学・仕事ならばバイクに乗るということを聞いたことがあります。岩手県・青森県あたりだとわからないですが、1日ほんの数キロの移動ならば、東北の太平洋側ではバイクの実用が可能という背景がそもそもあります。

②平野部が少ないので、自転車よりバイクの方が実用に適っている

より経済的で免許が要らない気軽な“足”は自転車ですが、東北は海沿いも含めて山坂きつい複雑な地形の地域が多く、自転車が実用に足らない場合もあります。なので、バイクまたはクルマが必需品になっているというわけです。

③公共交通機関が実用に足らない

都市部以外では鉄道が廃止されたり、廃止に至らなくても鉄道やバスが1時間から数時間に1本しかないなど、生活していくためには公共交通機関に頼れない地域がたくさんあります。定期的に学校や病院に行くための鉄道やバスはあるかもしれませんが、自由な時間で買い物や病院、役場に通うとなると、公共交通機関以外の足が必要で、80年代まではそれが原付や二輪車、80年代以降は軽自動車や普通乗用車に移ってきました。荷物が大きいとか、誰かを乗せるのでなければ、パーソナルモビリティとしてはバイクはそもそも重用されていた背景があります。この話は「昔免許の世代」にもつながります。

④生活圏の範囲が意外に広い

場所にもよるでしょうけど、一番近いコンビニ・スーパーまで片道10km、病院まで20km、役場まで30km……なんて距離感は、郊外や農村・漁村部では当たり前の距離だったりします。これを自転車で行き来するのはなかなか困難ですし、かといって、平時ではない大震災後、少ないクルマやガソリンで全てをまかなうのは難しく。そこでバイク、というのは当然のことだったと思います。


【産業構造の特徴から考えてみる】

「産業構造」に関しては、地勢・風土にも多いに関係あるのですが。

①第1次産業の比率が高いため移動の足が必要だった

そもそも東北地方は農業・漁業などの第1次産業の比率がひじょうに高く、畑や田んぼ、港など仕事場へ行く手段として、またちょっとしたモノを運ぶ運搬道具としてバイクが普及していた背景があります。

第1次産業の特徴として、

・若年層の就業

・女性の就業率の高さ

・高齢者の就業

が挙げられます。
若年層は普通自動車免許よりも早く免許取得可能な16歳、17歳が必要に迫られて原付や二輪免許を取得する例があるでしょう。
女性が第1次産業に従事するには、やはり移動の足が必要で、免許取得率が高くなります。80年代まではそれが原付でしたが、原付で“道路交通”に慣れ親しんだ女性たちはやがて、郊外型大規模スーパーなどに買い物に行くためや、廃止された鉄道やバスの代わりに子どもたちの通学の送り迎え、また高齢化に伴い高齢家族の病院やデイサービスへの送り迎えなど、“誰かを乗せる必要に駆られて”軽自動車や乗用車に移動の足を変化させてゆきました。
しかし、女性が運転免許を取得し、原付や軽自動車を運転することで、家族間には道路交通に対する親しみも生まれ、次世代の子どもたちが運転免許を取ることに対して抵抗感はなくなります

②第2次産業の比率が高まったことにより現金収入が増え、70~80年代は男性が趣味的にバイクを購入したのではないか?

70年代の第1次バイクブームから80年代後半ごろの第2次バイクブームにかけての時代は、マイカー(四輪車)の普及率は今よりずっと低いものでした。第1次産業から第2次産業に産業構造の比重が変化する中で、男性は現金収入を得て、また休日が増えることにより、余暇を楽しむためにバイクを購入した事例が増えたのではないか? その経験が、震災後、バイクに乗ることへの抵抗感を減らしたのではないか? というのは、あくまで推測なのですが。

③第2次産業の比率が高まったことにより、女性は80年代のYH戦争時代に原付免許を取得、工場への通勤は原付、そして行き帰りにその原付で買い物を済ますという生活文化が生まれた

前述したように、女性の多くが運転免許を取り始めたのは、間違いなく80年代のいわゆるYH戦争と呼ばれる女性の原付需要がきっかけでした。自らの“足”を手に入れた女性たちは、自由に移動することを原付で覚え、道路交通や免許取得に対する抵抗感をなくしていきました。
もともと、第1次産業の比率が高い東北地方では、女性の就業率は高かったと思われ(ソース提示しなくてすいません)、都市部における第3次産業の妻の専業主婦化の波とは異なった就業構造になっていったと考えられます。
働く女性が自分の“足”が必要になることで、運転免許取得率は高まり、その足がバイクからクルマに遷移しても、道路を運転することに対する生活文化は出来上がっていたわけですから、必要とあらばバイクを使うことも抵抗なく受け入れられたのではないかと思うのです。

もしこれが都市部ですと、3ナイ運動の成果か、はたまた暴走族に対する反感などから、バイクを利用すること自体に抵抗感がまだまだあるのではないかな、と。


【昔免許なので実はバイクに乗れるって人がたくさんいるんじゃないか?】

いわゆる「ムカシ免許」と呼ばれる運転免許。今よりずっと簡単な試験でオマケ的に四輪免許に二輪の免許がくっついてきたり、二輪免許というだけで全ての排気量のバイクを運転できたり……という“オイシイ”免許のことです。
その、「ムカシ免許の下限年齢」も、もちろん年々高齢化してはいるのですが、さて、いったい現在は何歳以上の人がムカシ免許の恩恵を受けたかもしれない世代なのでしょうか?

ちょっと調べてみました。

①もっともオイシイ昔免許

もっともオイシイ昔免許は、1965年(昭和40年)以前に四輪免許(今と呼称・区分が違ってますが)を取得した人は自動的に下位免許とされた自動二輪も運転することができました。

1964年(昭和39年)時に16歳の人は、1948年(昭和23年)生まれなので、2011年現在 63歳 ということになります。

第1次産業・第2次産業の比率が高い東北地方なら、また現在はサラリーマンの定年60歳を越えて65歳までは再雇用が推進されているそうですから、63歳でも現役バリバリの世代ですね。
ムカシ免許で四輪を取って更新し続けた63歳以上の人は、そのまま原付2種も大型二輪も運転可能なわけです。

②二輪免許におけるムカシ免許

次に、交通事故死者が激増した交通戦争の時代、暴走族問題が勃発したこともあって、二輪の運転免許試験制度が格段に難しくなったのが、1975年(昭和50年)以降で、いわゆる「限定解除制度」ができたのがこの年です。

そこで、1974年(昭和49年)時に16歳だった人の年齢を計算してみましょう。二輪の世界で一般的に「ムカシ免許」と呼ぶのは、こちらの「限定解除しなくてもナナハンに乗れた世代」のことです。

下限年齢は1958年(昭和33年)生まれで、2011年現在は53歳になっておられます。この世代、団塊世代よりは後、全共闘世代よりも後。新人類よりも前。第1次暴走族世代のはしりと言えばはしりぐらいかも。
53歳と言えば、「昔はオレもよぉ~」と、「昔はちょっと悪かった自慢」をしたくなる年齢でもあります。
バイクのイメージが格段に「ワル」「不良」「暴走族」「アウトロー」に転換させられたのも、彼らの世代とちょうどかぶる頃。

「昔はオレもよぉ~、バイク乗ってたしよぉ~」とか言いつつ、被災地のために、昔とった杵柄(?)ではありませんが、昔取ったムカシ免許にたまたま付いていた現在の大型二輪免許で、原付二種に乗る53歳以上があちこちいるんじゃないかと想像いたします。


* * * * *

だいぶ話が長くなっちゃいましたが、たまたま被災地の方々が二輪の利便性に気付いたのではなく、それを思い起こす歴史的な背景があったのではないか、そしてバイクを利用することへの抵抗感がないことのバックグラウンドは、以上述べてきたように、地勢や風土、産業構造、そしてもしかしたら昔免許などによる中高年の二輪免許の保有人口と、女性の免許保有人口が、案外、多いんじゃないか、ということも影響しているのではないかと思った次第。

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2011.09.24

バイクに水が入ってるかもしれませんよ?

先日の台風はほんと~~~に凄かったですね。

東京や横浜ではあちこち木が倒れたり、街路等がひしゃげたり、壁材や看板が落ちたりしました。

路肩には落ち葉や枯れ枝、流出した泥や砂がどっさり積もっており、やむを得ず路肩を走るときには、まだまだ注意が必要です。

さて。

台風、そして今日の急激な気温低下の影響も含めて、「バイクに水が入ってるかもしれませんよ?」のお知らせです。

野外にバイクを駐車している方、マフラーから水が浸入していたり、プラグキャップ、エアクリーナーの隙間などに水が入ってしまい、エンジン始動が不調になるかもしれません。

また、屋内駐車の方も、急激な気温の変化で結露が出やすく、タンク内に水が溜まってしまったり、というトラブルも考えられます。

しばらくバイクに乗っていない方は、まずはエンジンをかけて暖めておくとよいと思いますですはい。

かく言うわたしも台風一過の後、イッパツ終わってるどころかニンジャなのにツイン?状態になってしまい、ちとビビりまして。

エンジンかけて、かっ飛ばしてバイクの水分を飛ばしたいところではありますが、秋の交通安全運動中ですから、ネズミ捕りやら、隠れ白バイやらいるかもしれませし、機械があるならエアで水分飛ばすとかするといいんじゃないでしょうか。

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2011.09.21

台風ヤバイ

横浜でも木が折れて道路に飛んで来たりしてます。
雨量も多く、特に路肩や中央線寄りなど道路の左右の端、アンダーパスなどは冠水などの恐れがあり、くれぐれもご注意ください。
あと、ドライバーはヘッドライト点けろ点けてくださぃ

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2011.09.16

秋は教習所のイベント真っ盛り

いったん免許を取ってしまうと、ほとんど教習所には縁がなくなってしまうものですよね。

でも、最近、少子化対策などもあって、教習所が地域の人向けのお祭りのようなイベントを行うケースが増えているようです。

なんで教習所のイベントが秋に多いかというと、秋は教習所にとって、唯一の「閑散期」なんですよね。
一般的に「にっぱち(二八)」と呼ばれる2月と8月は商売にとって閑散期と言われていますが、教習所にとっては、学校がお休みになるニッパチこそ繁忙期。それが落ち着く秋の時期は、新規に教習生を獲得すべく、テコ入れが必要というわけです。
あと、「秋の交通安全運動」の時期が重なるということもあり、交通安全の啓蒙活動の一環としても行われているようです。

教習所のイベントでは、バイクのデモンストレーション走行が見れたり、教習所によってはシミュレーター体験や応急救護の講習、教習車やハーレーなどの試乗会が行われたりします。
また、お祭りっぽい出店があったり、お子さん向けにナントカ・レンジャーのショーがあったりする教習所イベントもあるんで、家族連れで楽しめそうですね。

では、教習所イベントをいくつか紹介します。

【圧巻のバイクパレードでおなじみ、伏見デルタ】

伏見デルタ祭

2011年9月25日(日) 10時~16時
入場無料。

・黒山健一選手によるトライアル教室&Superデモ
・バイクパレード
・安全運転技能教室
・新車試乗会
・商談会…などなど

【新鶴見ドライビングスクール】

第8回しんつる祭

2011年9月25日(日) 10時~16時
入場無料。

福澤モータースクールグループの一つである新鶴見ドライビングスクールのイベントは、鶴見警察署が共催となっているのが特徴で、子どもや高齢者対象の交通安全教室などが行われます。


【首都圏最大規模の教習所、コヤマドライビングスクール】

東日本大震災チャリティーイベント PAPARU FESTIVAL 二子玉川校

2011年9月25日(日) 10時~15時
入場無料。

・大学サークル/部活などによる大道芸・ダブルダッチ・チアリーディングなどのショー
・フリーマーケット(出店料1000円)
・キッズバイク/キッズ電気自動車コーナー
・ハーレー/外車ミニバン教習車(BMW X1)/大型特殊/トラックの体験試乗コーナー
・玉川警察署による騎馬隊コーナー
・消防車/ハシゴ車の展示


【宮城県塩釜市の東日本自動車学校も】

一日開放まつり/東日本自動車学校

2011年9月25日(日) 10時~13時
入場無料。

サンマを食べて頑張ろう!
・鉄道踏切脱出体験


* * * * *

ほかにも検索すると、まだまだ各地で教習所のイベント/祭りが開催されるようですよ。

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2011.09.13

安全に対する考え方が伝わらないもどかしさ

先日、ひさびさにサーキット(カートやミニバイク向け)に練習走行しに行ったときのこと。
一緒に行ったグループの初心者の人たちが何度も後続車を気にして直線路で急に速度を落としたり、進路を譲ろうとしてコーナー立ち上がりで突然、イン側に進路変更したりして自分も含め他車がぶつかりそうになったりしていた(※)ので(もっとも、見るからに危なっかしい走りではあったので、自分も他の人たちも注意して走っていて実際に事故は起きませんでしたが)、以下に挙げるサーキットの走り方の基本的な注意事項を伝えました。

(※通常、サーキット走行では速い人はイン側から抜いた方が、抜く方も抜かれる方も安全とされています。また直線路で抜く場合、速度差を利用して追い抜くので、抜く側は極力直線的に走って速度を上げるため、急な進路変更をされると衝突の危険性が高まります)

その人たちは知人の知人で、その日初対面でしたが、わたしはバイクに携わる者として、また自分もその日は彼女らと同じコースを走ることになっていたので、わたしはそのグループのリーダーでもなければ、彼女たちの先輩でもないし、ましてやサーキットの関係者でもないわけですが、ルールやマナー、安全に対する考え方を伝える必要があると思い、走行の合間に声をかけて集まってもらい、サーキットの走り方について次のような話しをしました。

・遅いライダーは速いライダーを気にする必要はない。速いライダーは勝手に/上手に抜いていく。(基本的には)前を注意して走りましょう

・サーキットは急な進路変更は禁止です

・もしも「慣らし」やマシントラブルなど理由があって遅く走る場合は、基本的にはコースのアウト側(そのコースは右回りなのでコースの左側)でレコードラインを外して走ることになっています

・というか、サーキットは遅く走ってはいけないのです

・あまり自信がないようなら、初心者用などに設置されている自由に走れるショートコースでまずは練習しましょう

ちなみにそのサーキットは、1台1日いくらの料金を払うと、何名でも乗ることができ、またときどきカートの走行が入るとき以外は、基本的にチェッカーを入れて走行時間を管理するということもなく、かなり自由に1日中走れるコースです。
基本的にはカートコースですが、現在はバイクの走行の方が多く、ミニバイク中心ではあるものの、排気量に制限はなく、スーパーモタードや街乗りのビッグバイクの方々なんかも練習しているのをよく見かけます。
排気量別の走行時間枠というのもなく、その場にいるライダーが各々、走ってるバイクの台数や様子を見ながら、自分の走りやすいタイミングでコースインする、という感じ。
また、カートコースの隣にはさらに小さいショートコースがあり、初心者や「慣らし」の人は、気兼ねなくそちらで練習することもできます。ショートコースも走行時間枠はとくに設けられておらず、自由に走ることができます。
要するに、各自の自主自律のもと、運用されているコースなのです。なので、なおさら経験者がルールやマナーを初心者に教える必要があります。

* * * * *

さて、ちょっと細かいディティールは忘れましたが、まず話したのは、次のような文言だったと思います。

「ええっと、サーキットでは後ろを気にしすぎたり、道を譲るとか、急に進路変更しないでくださいね。後方確認なんかしちゃダメです」

すると、なぜか彼らは大爆笑しました。

あとでなるほどと思ったのですけど、彼ら/彼女らの職業は全員、人の命を預かる職業、あるいは言い換えると免許を取るときほとんどのライダーが最初にお世話になる職業、一人は試験までを行う見なし公務員(※)という立場の方、というメンバーでした。
彼女らの爆笑はたぶん、自分たちの職業上、常々、教習生に必ずやらせなければいけない「後方確認」という言葉に反応したのだと思います。

でも、わたしはそれに気付かず、安全のことを言っているのに、何を笑っているのだ、と感じ、正直、カチンと来てしまいました。
「伝わらない」の第一の原因は、わたしがカチンと来てしまったことにあったとは思います。

(※ここで職業を明記するのは、「安全思想は公道もサーキットも本質は同じ」ということを強調したかったからです)

それで、たぶんわたしは険しい表情をしたと思うのですが、次のように続けました。

笑い事じゃないんですよ、もしぶつかってコース上で転倒して後続車に轢かれるとか、誰か死ぬとか、死なせてしまうとか、そういうこともあるんですよ、それはこういう小さいミニバイクコースでも同じですよ」

これからバイクやサーキット走行を楽しもうという人たちに、いきなり「死ぬ」とか言うのはかえって逆効果だ、そういうことは徐々に本人が知ればいい、と基本的は考えています。しかし、ミニバイクコースであっても死亡事故があるのは事実です。
彼女らは、仕事でバイクに携わっていて、そのスキルアップのためもあって練習走行に来ていると聞いていましたので、ついつい、厳しい口調と内容になってしまいました。
「伝わらない」の第二の原因は、いきなり極端なことを言ったことにあったのかもしれません。
わたしの場合はたぶん特殊で、一般の道路でもサーキットでも、死亡事故そのものの一部始終を何度か目撃したという経験があります。また、友人・知人、関係者などの悲しい出来事は数えきれないほどあって、どうしたら最悪のケースにならないかを常に考えながらバイクに乗ってきました。そのような安全に対する考え方の本質は、街乗りでもサーキットでも変わらないと思っています。
でも、世の中にはラッキーな人もいて、いや、もしかしたら世の中の大半のひとは、悲しい出来事に遭遇したこともなく、見聞きすることもなかったりするのかもしれません。だから、そこまで想像力が働かないかもしれないし、ましてや、その日は休日をサーキット走行で楽しみに来ているのに、初対面の女がいきなり説教こきやがって不愉快だ、と思わせてしまったのかもしれません。

「コースによってルールは違うけど、ここのコースは右回りで、コースインは左から、コースアウトも左からですから、もしも遅く走らなければいけないときは、コースのアウト側を走るのが基本です」

と続けました。すると、彼女らは、

「えー、知らなかったー! アウト側を走らなきゃいけないんですかー、初めて知ったー」

などとというのです。このような基本的な注意事項は、サーキットライセンスやMFJの競技ライセンスを取るときは必ず講習を受け学ぶ基本中の基本の内容ですが、そこのカートコースはそもそもライセンスがなくても走れるので、そのようなスポーツのマナーは、連れて行く経験者/先輩らが伝えなければ伝わりません。

もしかして、その日が初めてのサーキット走行かなと思って尋ねると、そんなことはなくて、何度か走りに来てる、と言います。

「じゃあ、センパイが悪いなぁ……」

彼女らに中古のミニバイクを譲り、練習走行も同行しているという知人Bさんの方を向いて、ついつい、つぶやいてしまいました。
知人Bさんはたぶん10年くらいミニバイクのレースに出ている人なのですが、あるいはMFJなどの講習を受けたりしたことがないのかもしれません。わかりません。たしかエンジョイ会員ライセンスで出られるレースに参戦していたと思うのですが、本コースを走るようなレースと違って、レース前のブリーフィングで基本的なサーキット走行のルールの確認などは伝えられないのでしょうか。それとも、Bさん自身ののパーソナリティなのでしょうか。

歯がゆい思いのまま、話しを続けたのですが、初対面Eさん(初心者・女性)が早く話を切り上げたいという風情でまくし立てました。

「はいはいすいませんでしたすいませんでした、勉強不足でした、わたしが悪かったです、すみませんでしたすみませんでした」

とっさに、このようなことを思い浮かべてしまいました。
例えば教習中に、教習生が後方確認を怠ったまま進路変更してしまい、後続車と衝突事故を起こしそうになったとき、指導員として「後方確認しないと」と指導したとします。そのとき教習生が(怒られちゃったなぁ)と感じて、その場を取り繕うために言う「すいませんすいません」と言うのに似ているなぁ、なんて思ってしまいました。安全を伝える仕事をやっている人、ましてや検定試験までも見なし公務員として行っている人なのに、そういうことに違和感を感じないとしたらそれは大問題だなぁ、などと想いが拡がってしまいました。なので、

「いやいや、すいませんでしたとか、謝る話しじゃないんですよ、これからどう走るかって話しをしているんですよ。サーキットはゆっくり走ってはいけないって決まりになってるんです。もしゆっくり走るなら、向こうのショートコースで練習してください」

と言いました。すると、次の言葉が返ってきたのです。捨てぜりふのように。

「じゃあ、初心者は走っちゃいけないんですね?!」

正直に言いましょう。
わたしは彼女のことばに絶望感をおぼえました。
ええ、もちろん彼女が教習指導員かつ検定員という職業だからです。
それは先入観だし、フィルターをかけているし、ラベリングをしているわけです。しかしそれは、決して彼女個人に対する絶望感や非難などではありません。彼女の背景にある、ライダーの卵に教育・指導する場に対するものです。バイクの免許取得の際に教育・指導・試験するような立場の人の中に、そのような考え方の人がいるという事実に、なんだかもやもやした気持ちをおぼえたのです。

「初心者も走っていいんですよ、誰だって始めはしょしんし……」

言い終わらないうちに、結局、彼女は話を遮ってプイっと行ってしまいました。

わたしの言い方が悪かったのかもしれません。
たぶん彼女はわたしの職業やこれまでのバイクの経験を知らないだろうし、もしかしたらわたしが女だから、同年代(に見える。たぶん彼女たちの方がずっとわたしより若い)の同性に言われることで「テメーに言われる筋合いはねーよ」と感じたのかもしれません。

日本の指定教習所制度は「料金が高い・時間がかかる・実際の運転とかけ離れている」などと批判的な意見も多いのですが、わたしは日本の指定教習所制度は世界に誇れる面も多々あると考えており、教習所はライダーとなる入り口なので、教習所に対して特別な期待感を持っていたために、熱く語ってしまったのも、逆に伝わらない原因だったかもしれません。

* * * * *

わたしはかねがねより、「モータースポーツとは次にどうするかを考えるスポーツ」だと思っています。

だから、もし事故が起こったとしても、そのイベント/カテゴリーを中止する・禁止する、という結論ありきではなく、まずはどうしたら次に事故が起こらないようにできるか、どうすればもっと安全に走れるようになるかを、施設の面、マシンの整備やレギュレーションの面、ライダーの装備、ライダーのスキル、ライダーの心構え、などなど、多角的に分析してそれぞれ取り組んでいくことが、モータースポーツの望ましいあり方ではないかと考えてます。

そして、安全に対する思想は、本質的に公道だろうが、サーキットだろうが変わらない、とも思っています。

「安全第一」のためのことばがなぜ伝わらなかったのか。

伝え方が悪い自分を反省しつつ、どうしたら伝わるかを今後も考え続けていきたいと思います。

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2011.09.09

「今こそバイクの〈ウリ〉は燃費ということになるんじゃないのか」の下書き

まだ下調べもしてないので、思いつき(戯言とも言う)を箇条書きにて。


・バイクはおおむね燃費が良い

・バイクはおおむねクルマに比べて燃費が良い

・それは①軽いから②燃焼効率がよいから③高回転にできるから④二気筒・単気筒も実用できるから。同じくらいの排気量の3気筒/4気筒の軽自動車に比べても少ない気筒数は有利

・バイクの燃費は、50ccのスーパーカブが100km/Lは別格として、125cc単気筒スクーターで40くらい? 250cc2気筒MTで35くらい? 単気筒で40くらい? 650cc二気筒だと30切るかな。1000cc4気筒は意外と25くらいだったような。ちゃんと調べなきゃ

・とはいえ、最近のクルマの省燃費力には目を見張るものがある。20km/Lなんてもはや当たり前。デフォルト。常識。時代は25とか30ウズベキスたんェ…

・国交省がクルマの燃費をあと●%向上せよ、とか言ってたよなぁ

・クルマの燃費の試験方式がじゅってんなんたらとかいう複雑な方式なのに比べて、バイクは「60km/h定地走行燃費」方式のまま

・定地走行方式の方が良い数字が出ちゃうのかな

・にしても、バイクの燃費は全体的な印象としては、この20年、ほとんど向上していない気がする

・カタログ値の燃費30km/Lなら、実際には3割引程度の20くらい

・10%くらいは向上しているかもしれないけど、ニッポンのメーカーが本気出したら、そんなもんじゃ済まないはず

・あの世界一厳しい騒音規制に対処したのだから、国交省に言われる前に、150%向上くらい実現させて欲しいものだ

・実用に耐えうる電動バイクの実現と、燃費+150%向上、どっちが難しいかな

・カタログ値 25km/L×150%=37.5km/L で、七掛けすると26.25km/L……うーむ。びっくりするくらい良い燃費という数字ではないなぁ。

・クルマの人もびっくり! バイクって実はすげー燃費がいいじゃん! って思われる数字は、やっぱり、実質リッター40kmとか50kmくらいなわけで、250cc2気筒で実質50km/Lならカタログ値70km/Lくらいないと実現は難しいのか……

・でもさ、フル充電8時間で40kmだけ走れますっていうバイクより、リッター50km走れるので満タン20リットルだと1000km走れますっ! 東京-大阪往復無給油! なんていう夢のような技術は21世紀ちゅうには実現不可能なのでせうか……?
 

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2011.09.02

モータースポーツとアンチ・ドーピング

プロ野球や全日本レベルのスポーツでドーピング問題のニュースが相次いでいたので、覚え書き程度に短く。

FIM傘下のMFJ管轄のモータースポーツもアンチ・ドーピング規則があり、競技によってドーピング検査が行われています。

報道などによれば、今回発覚した選手は、一人はドライアイの目薬、もう一人は花粉症の薬だったということで、競技能力を高めるための薬物使用ではなかったようですが、事前の申請や、申請更新の手続きに問題が生じたというケアレスミスだったようで。

市販の薬や、漢方薬にも禁止成分が含まれていることがあるとのことでした。
アレルギーのお薬など、普段からよく使う薬にも禁止成分が入っているものがあると聞きますので、とくに全日本や国際レベルのレースに出る選手は、自衛しなければなりませんね。

一番いいのは、スポーツとドーピングに詳しいかかりつけ医」や「かかりつけ薬剤師」を持つことでしょう。
ワークスレベルの選手だと当たり前かもしれませんが。モータースポーツは完全なるプロ選手はほんとに数えるほどしかいないので、ドーピングへの意識が薄くなりがちかもしれません。

診察前の問診表に、「スポーツやってます。ドーピングに留意した処方をお願いいたします」と書き込んだり、医師や薬剤師に口頭でお願いするなどするといいんじゃないでしょうか。見た目では、その人がモータースポーツやってるかどうかなんて判らないですからね。

MFJのサイト「ドーピング検査のご案内」に詳しい資料やリンクが載ってますので参考にしてみてください。

リンク先の日本体育協会の「スポーツドクター紹介」のページでは、都道府県別のスポーツドクターが検索できるほか、スポーツ種目に「モータースポーツ」の項目を入れて検索することも可能です。

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