世界選手権ボイコットの歴史(ダイジェスト)
なんとか正式に、開催延期となっていたツインリンクもてぎの日本GPが正式に開催されると発表がありました。
ライダーがレースをボイコットといえば、1973年のマン島TTレースでのアグスタとヤマハのボイコットが有名ですが、そのボイコットのきっかけは前年のTTでの事故だけでなく、同年のモンツァでのサーリネンとパッソリーニの事故の件も大きく、ボイコットの理由も、TTコースだけでなく当時のグランプリシリーズ全体に対して、ライダーに対するコースなどの安全をないがしろにしているのではないか、というものでした。もっと全体的な意味でのライダーの安全や、プロライダーとしての待遇の向上を要求したのがこのボイコットの真相であり、もっとも有名なマン島TTレースを選んでの行動だったのではないでしょうか。
ちなみに、MVアグスタのジャコモ・アゴスティーニは、1971年のTTで初めてスポンサーカラーのレザースーツを着て登場し、それまでレギュレーションで禁止されていたヘルメットとレザースーツへの広告を認めさせ、ライダーがより賞金を獲得できる仕組みの扉を開いた人物でもあります。
さて。
グランプリシリーズでのボイコットの歴史をメモしてあったので、かいつまんでまとめておきます。
1955年 ダッチTT アッセンプライベーターがスターティングマネーをめっぐてストライキ。13人のライダーは翌年、出場停止処分を受けた。
1973年 マン島TT
MVアグスタとヤマハなどトップライダーがボイコット。1974年 ニュルブルグリンク
トップライダーが安全性を巡ってボイコット。数少ないドイツ人ライダーだけが走った。1977年 ザルツブルグ
350の事故後、トップライダーらは残り8周をボイコット。1979年 スパ・フランコルシャン
新しいレイアウトの舗装が滑りやすいとの理由ですべてのソロ(二輪。サイドカー以外)ライダーがボイコット。1982年 ノガロ
安全設備や安全地帯が不十分との理由でトップライダーらがボイコット。
出典はいずれも Noyes, Dennis 1999 Motocourse 50 years of Moto Grand Prix; The Official History of The FIM Road Racing World Championship Grand Prix Surry: Hazlenton Publishing.
あと、ボイコットではなく、安全性の問題でスイスのサーキットと東欧(ユーゴだったような)でのグランプリが中止された例があったと思うのですが失念。
富士のバンクの話とか。
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