G-FP2DF1P69Y 消耗部品の選びかた: 小林ゆきBIKE.blog

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2011.05.27

消耗部品の選びかた

「○○○って何がおすすめ?」

長年、バイク業界周辺におりますと、このようなことをよく尋ねられます。

○○○に入る単語は、スプロケットだったり、チェーン、タイヤ、オイル、ブレーキパッドにディスクなどなど、さまざまな消耗部品です。

その趣意はたいてい、どんなタイプの製品を選べばいいのか、というよりも、どの銘柄=ブランドがおすすめか、という意味で尋ねられることの方が多いような気がします。

一口に「消耗部品」と言っても、バイクの部品の場合、それは性能に直結することがほとんどですし、とくに足周りやブレーキ関係のパーツは外観でも違いが“見える”というのがバイクの部品の特徴ですし、交換する“楽しみ”も生み出しています。

消耗部品には主に、

純正部品
純正相当代替部品
廉価版部品
高性能部品
レース用部品

などのラインナップがありますが、それでは、実際にわれわれユーザーは、消耗部品をどのようなきっかけで、何が決め手となって最終的な選択をしているのでしょうか。価格でしょうか、耐久性でしょうか、高性能でしょうか。

たとえば、スプロケットを一例に、自分の経験を思い起こしてみると──。

1.最初はバイク屋さんのアドバイスに従った

初めてスプロケットを交換したのは、バイクに乗り始めて2年目くらいのことだったと記憶しています。
初めての自分のバイクに、もう毎日楽しくて楽しくて、走行距離は伸びるばかり。2万kmほど走った頃、チェーンが伸びてきたので、バイク乗りの先輩に教わりながらチェーンの遊びを調整するのですが、調整しても調整しても、いわゆる「片伸び」してしまっていて、うまく調整することができなくなっていました。
そこで、バイク屋さんに相談したところ、

「チェーンだけじゃなくて、スプロケットも同時に交換した方がいいよ、とりあえず○○にしておけば?」

とのアドバイスをいただきました。当時は、スプロケットにアフターマーケットのブランドがあるということも、いや、「アフターマーケット」という言葉さえ知りませんでしたから、おそらく、純正部品に交換したようなうっすらとした記憶があります。

もし、そこでバイク屋さんが純正部品ではなく、「○○ってブランドがいいよ」とおすすめすれば、多分、それに従っていたことでしょう。

2.色で選ぶこともあった

『クラブマン』というカスタムバイク雑誌に所属していた割には、わたしは純正派であまりカスタムをしないのですが、それでも、アフターマーケットにはさまざまなブランドがあり、それぞれ色や製法、性能に特徴があると知ってから、それがブランド選びの決め手になることもありました。

スプロケットやハンドルバー、チェーン、サスペンションなどは、はっきりと各ブランドや型番によって色の違いがあることもあり、全体を黒くまとめたいならこのブランド、派手に輝くように見せたいならこっちのブランド、というように、性能の違いよりも、色の違いで選ぶこともあることが、いろいろなカスタムバイクの取材を通じて知ったことでした。

それらの色の違いを整理してみると、①ブランドカラーとしての色、②製法によるもの、そして③ドレスアップ目的と、3つの目的の違いに分類できますね。

3.現場の評判(=クチコミ)が決め手になることも

バイクの消耗部品は、性能部品でもありますから、高くても高性能なものを選びたいと思うこともあります。
しかし、使い込んだ部品から新品に変えたときは、新品の良さが体感できますが、新品同士、異なるブランドの性能の差を感じ取ることは、プロでもなかなか難しいのではないかと思います。
タイヤやブレーキ、サスペンションなどはインプレッション記事が書けるほど如実に違いが感じられるパーツですが、スプロケットやなんかは、新品時にはほとんど違いがわからず、はるか1万km、2万km使用したあとにようやく違いが現れます。
ですから、レースの現場や、バイク屋さんなど、日々消耗部品を扱っている方々のクチコミが、銘柄選びの重要なポイントとなるわけです。

実際、レースの現場では「○○はなかなかよかった」「○○を使ってたら不具合が出た」「○○は最近良くなってきた」というような話はよくしますし、それが銘柄選びに直結することもあります。

4.面倒見のいい担当者がいるかどうか。面倒見=情報量である

そう言えば、と気付いたのですが、用品店の店頭イベントや、ショーでの出展、サーキットでのレーシングサービスとして、面倒見のいい担当者がいると、ついつい話を聞いてしまい、それが銘柄選びの決め手になることもあります。

どんなに大きな規模の会社の製品でも、ただ店に陳列されているだけでは、色が黒いか、金か銀か、の違いでしかないものが、メーカーの担当者から直接、製品のあれこれを聞くことによって、ようやく、製法の違いだとか、型番選びのコツだとか、普段のお手入れの方法、交換時期、性能の違いなどなど、情報を得ることができます。

もちろん、賢いユーザーなら、能動的にインターネットやカタログなどで情報を得ている人もいらっしゃるでしょうけど、やはり、専門家の話はわかりやすいし、説得力があるし、疑問・質問への答えも話が早い。

とくに、スプロケットのように①性能の違いを体感しにくい、②性能の違いが見えにくい、という部品は、担当者の面倒見の良さが、ユーザーに対する情報量の多さに直結し、実際の売り上げの差につながっているような気がします。


……とまあこんな風に、スプロケット選びひとつとっても、さまざまなきっかけがあることがわかります。

弊ブログはバイクのユーザーさんが読んでいることを想定して日々、書いておりますが、メーカーさんからのアクセスも多いようなので、いちバイク乗りとしてメーカーさんにお願いしたいこととすれば。

新品時の性能の特徴は、広告やカタログで知ることができます。でも、5000km、1万kmと乗ってからどのように性能や消耗に差が出るのか、そのようなデータなんかも知れれば、もっと銘柄選びの参考になるのではないかと思います。

また、その製品の相性も知りたいですね。
たとえば、スプロケット×チェーン、ブレーキパッド×ローター、その銘柄×バイクのモデルなどなど。消耗部品はそうそう頻繁に交換するわけでもないけど、価格は一カ月の小遣いの大半を占めるほど高価だったりしますから、あらかじめ、データであれこれ知れるとありがたいですね。


もちろん、安ければいい、というユーザーもいれば、重くても耐久性の方が大事、というユーザーもいるでしょう。しかし、日本のバイクユーザーの平均像は、バイクブームを経た手練のバイク乗りです。ぜひともサプライヤーさんには、モデル適合だけでなく、世界に誇るサプライヤーさんの技術力を、われわれ末端のユーザーにもチラリと教えていただけると嬉しいな、なんて思います。

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