G-FP2DF1P69Y 小林ゆきBIKE.blog: 2011年2月

« 2011年1月 | トップページ | 2011年3月 »

2011年2月

2011.02.23

「第3の嗜好品」としてのエナジー・ドリンクとモータースポーツ

バイクのモータースポーツを取り巻く状況変化として顕著なのが、スポンサー企業の業種が変化してきたことです。

かつて80年代から90年代半ばにかけて、バイクのモータースポーツのビッグ・スポンサーと言えば、タバコやお酒のブランドが主流でした。近年ではオイルやアルコール飲料、携帯電話のキャリア、自動車メーカー、国際的な観光地などに加えて、「エナジー・ドリンク」と総称される飲み物が台頭してきています。

今日は、その背景と課題について考えていきたいと思います。


●もともと禁止されていたライダーやマシンへの広告添付

ロードレースの世界選手権において、ライダーのウエアに初めて広告が載せられたのは、1970年代初頭、イタリアが生んだ偉大なる世界チャンピオン、ジャコモ・アゴスチーニからでした。

それまで世界選手権ではレギュレーションにより、ライダーやマシンへの広告添付が禁止されていました。このため、ロードレースではライダーはみな、黒い革ツナギを着ていたわけです。

そんな状況を打破したのが、アゴスチーニでした。

アゴスチーニは70年代、GPライダーは命懸けで世界選手権を走っているにも関わらず、ライダーの待遇やコースの安全性が酷いと嘆き、賞金や契約金獲得のチャンスを広げるため、またコースの安全向上のためにレースをボイコットしたりしました。

アゴスチーニはあるとき、タバコブランドのマルボロカラーである赤い革ツナギでレースに登場しました。これが、世界GPのスポンサー広告に関するレギュレーションを変えさせるきっかけとなったのです。


●時代とともに変容するモータースポーツのスポンサー企業

モータースポーツのスポンサーはもともと、バイク愛好家にアピールしたいバイク用品関連企業がほとんどで、たとえばヘルメットやチェーン、オイル、プラグなどのブランドがサポートしていました。

世界選手権においてはメディアの発達とともに、グローバルに展開しているブランドが増えてきました。特に、タバコ企業によるモータースポーツへのスポンサー活動は、莫大な資金をモータースポーツにもたらし、モータースポーツの隆盛をもたらしました。

マルボロ・ヤマハ、HBスズキ、ロスマンズ・ホンダ、ラッキーストライク・スズキ、ゴロワーズ・ヤマハ、JPS・ノートン、キャメル・ホンダ……。

今、こうして並べてみると、なんだか懐かしい感じも受けますね。

しかしながら90年代、ヨーロッパを中心に健康に対する影響が理由でタバコ広告が禁止されることとなり、モータースポーツにおいてもマシンやライダー、チーム名へのスポンサー名・ブランド名添付はおろか、テレビや雑誌で放映・報道される可能性がある場合はすべてタバコのスポンサー名を隠さなければならない国も出てきました。

アルコール飲料のスポンサーについてもタバコ同様、モータースポーツでは禁止されつつあります。


●エナジー・ドリンクという新ジャンル飲料の登場とモータースポーツ

これらタバコやアルコールに代わって、モータースポーツのスポンサー業種として21世紀に入り急激に席巻し始めているのが、「エナジー・ドリンク」などと呼ばれるジャンルの飲料です。

エナジー・ドリンクとは、高カフェインを特徴とする清涼飲料水のことで、一般的には日本のリポビタンDを参考にしたと言われる「レッドブル」がその市場をグローバルに開拓したと言われています。

日本では、小さなボトルやアンプルに入っている「栄養ドリンク」と呼ばれるジャンルの飲み物が昔から存在しており、疲れたサラリーマンの飲み物、というイメージがありますが、炭酸化したエナジー・ドリンクはおしゃれなネーミングとパッケージデザインで、アメリカやヨーロッパの一部などでは、カフェインによる覚醒を楽しむ合法ドラッグのごとく若者のクラブ遊びに欠かせないものになっている、と聞きます。

また、アメリカでは勉強などのために、中学生でも3割近くが日常的に高カフェインの飲み物を飲んでいるとのこと。(2011年2月14日付ABC、CBCなど)

モータースポーツをスポンサーしているエナジー・ドリンクと言えば、レッドブルやロックスター、モンスター・エナジーなどがあります。これらのブランドを抱える企業は、チームをサポートしているほか、レッドブルはFMX(フリー・スタイル・モトクロス)など、数々のエクストリーム・スポーツを開催していることでもお馴染みです。

なぜ、これらのエナジー・ドリンク・ブランドはいま、懸命にモータースポーツを使って宣伝しようとしているのでしょうか。

これには次の4つの理由が考えられます。

第一の理由に、前述したように、モータースポーツにおいてタバコやお酒など嗜好品の広告は制限される傾向にあることが挙げられます。
ライダーのウエアやマシン、チーム名、レースの冠などにブランドが露出できなければ、スポンサーする意味がない、というわけです。

第2の理由は、タバコやお酒は年齢制限があり、すべての年齢層に訴えかけることができないことがあげられます。
モータースポーツはスペクテイター・スポーツ(見るスポーツ)として発展してきました。テレビの放送技術やインターネットの普及により、ますますグローバルにモータースポーツの視聴は拡大しています。どうせサポートするなら、全年齢層に波及する商材を、というわけです。

第3の理由は、嗜好品としてのタバコとお酒は例外なく国家によって税金がかけられています。税金は年々上がるばかり。価格の高騰は、誰もが嗜む嗜好品から一部の愛好家のための嗜好品へと変化させます。

第4の理由として、モータースポーツはエナジー・ドリンクのイメージ、すなわち、元気、アグレッシブのようなイメージにぴったりのスポーツであることが挙げられます。
そして、カフェインは今のところドーピングの禁止薬物ではない(監視対象)ということも、モータースポーツのスポンサーとして増えてきたのではないかと考えられます。

これらの理由により、モータースポーツのスポンサー企業の中心は、タバコ、お酒という従来の嗜好品から、人間の「第3の嗜好品」と言ってもいい「エナジー・ドリンク」すなわち「カフェイン・ドリンク」に移ってきたと言えるのではないでしょうか。


●高カフェイン・ドリンクの影響と課題

カフェインの依存性はさほど高くはなくと言われますが、それでも子どもやカフェイン耐性が低い人への悪影響は知られており、年齢や国によってその含有量に制限がかけられています。
また、妊婦や妊娠適齢期の女性に対する影響はまだ研究途上であり、飲用は慎重にすべきとする意見もあります。

諸外国の状況をみると、カナダでは12歳以下の子どもや妊娠適齢期の女性にカフェイン含有量の上限を、フィンランドでは妊婦、子ども、カフェイン感受性の高い消費者に対して警告表示義務付けを、台湾ではカフェイン成分を含む容器入り飲料への含有量表示を義務付け、オーストラリアとニュージーランドでは含有量の上限を設けるなどしています。

日本では薬事法に定められた効能に対するカフェインの含有量には制限がありますが、食品衛生法による食品への添加は、いまのところ規制がありません。

たとえば眠気覚ましのカフェインの錠剤は200mg/錠、医薬品部外品の栄養ドリンクは50~80mg/本程度、鎮痛剤などの薬には60mg/回程度などとなっています。

ちなみに飲み物だと、玉露は150mg/拝程度、コーヒーのエスプレッソでは100~150mg/杯程度だそうです。

これらに対し、エナジー・ドリンクのカフェイン含有量は、

レッドブル 80mg/本

ロックスター 197mg/本

モンスター・エナジー 160mg/本

などとなっています。

あるサーキットで、母親が高カフェインの飲み物と知らずに幼児にエナジー・ドリンクを与えていたところ、あり得ないくらい子どもがハイになって狂ったようにはしゃぎ回っていたのを目撃したことがあります。

カフェインの効能は、同時に副作用ももたらします。代表的な効能や副作用は次の通りです。

・覚醒作用
・血管拡張作用
・交感神経刺激(基礎代謝促進)
・胃酸分泌促進作用
・利尿作用
・中枢神経興奮作用
・眠気の除去
・生殖に及ぼすリスク
・子どもの行動に及ぼすカフェインのリスク
・急性心筋梗塞、心臓発作による死への短期的リスク

日本人はカフェイン耐性が白人より高いと言われていますし、日常的にお茶を飲んだり、茶道を嗜んだりする文化があるため、カフェインの効能にさほど気を使うことがなかったのが、むしろエナジー・ドリンクがあまり普及していない原因かもしれません。

しかしながら、近年では高カフェインの缶コーヒーや、スターバックスに代表されるファスト・カフェの普及により、わたしたちは知らず知らずのうちに、カフェイン依存にさらされているかもしれません。

今シーズン、缶紅茶の分野ですら、高カフェインの商品が出てきましたし、紅茶しか飲まないと言われたイギリスでさえ、すでにスタバ文化が浸透しています。

わたし自身は、コーヒーはまったく飲めませんが、カフェイン系の飲み物で頭がシャキっとする感覚は大好きで、よく濃い目の抹茶を飲んだりします。タバコも吸わないし、お酒もほとんど飲まないので、唯一の嗜好品と言ってもいいかもしれません。ただ、栄養ドリンク+鎮痛剤とか、レッドブル+お茶など、カフェインを過剰摂取したとき、やはり頭痛などの副作用を感じることもあります。

第3の嗜好品「エナジー・ドリンク」の出現は、21世紀のモータースポーツを支えていくであろう新たなスポンサー分野の出現であると同時に、わたしたちは無警戒にハイ・カフェイン・ドリンクを宣伝・媒介していいものなのかどうか。

意識の覚醒が必要なモータースポーツだからこそ、注意して見守っていく必要があると考えます。

| | | トラックバック (0)

2011.02.21

【完結編】いかにして、ただまっすぐ走っていたバイクが突然、目の前で転倒したのか

なんで3週、3回にわたるほどこの話を引っ張ってるのか自分でもよくわかんないんですが、とにかく、目の前を走っていたバイク(スクーター)が、何の前触れもなく突然、転倒した、って話の完結編です。

【予告編】目の前のバイクが突然、転倒した!

【遭遇編】いかにして、ただまっすぐ走っていたバイクが突然、目の前で転倒したのか

予告編、遭遇編、そして今回の完結編と合わせてお読みくださいませ。

さて。

しゅるっ!

ずりっ!

がしゃ! ずずず!

そんな音を立てながら、オッサン スクーターはなぜか右側に向いたかと思うとハイサイドっぽくもんどりうって、フロントは右を向いて、でもバイクは左側に倒れ、運転者さんはスクーターの下敷きになってしまいました。

という話の続きです。

20110221jokyo

(「ペイント」を使ってThinkPadのトラックポイントで描きました)

わたしはヴァナゴンというワンボックスカーを運転していましたが、【遭遇編】にも書きました通り、スクーターが転倒するまでに、そのスクーターの挙動がかなりおかしかったため、少し警戒しつつ車間距離を取っており、ブレーキを踏んだ瞬間少しABSが効く程度でおっさんもとい、スクーターと運転者を轢かずに済みました。

対向車も幸い、転倒してから3秒後くらいにちょうど差しかかっていたため、運転手さんの頭は対向車線にはみ出していましたが、轢かずに済みました。対向車は軽自動車で女性運転者だったんですが、あり得ない状況のときって目や口を開いてしまうんですね。その軽自動車は停まってからしばらく固まっていましたが、走り去っていきました。

いっぽう、わたしは後続車を確認してからハザードを出してサイドブレーキを引き、救助に向かいました。運転者がスクーターに挟まれて立ち上がれなかったからです。

「だいじょうぶですか?」

「だ、だいじょうぶです……」

「大丈夫なわけないじゃないですか」

まあ、こういうとき日本人なら「大丈夫です」って言っちゃいますよね。

もんどりうってから転倒するまでの一部始終を見ていて思ったのは、明日には首筋とか肩とか背中とか手首とか腰とか、思いもよらない場所が痛くなるんだよねーこういうときってさ。
とか思いつつ、スクーターを起こし、横の路地にスクーターを運びました。

運転手さんはわたしが女だったためか、ちょっとびっくりした様子でしたので、「あぁ、わたしはバイクが専門なんで大丈夫ですよ」などと伝えてみました。

そうこうしているうちに、ものすごく訝しげに、後続のゴミ収集車の人たちが二人、こちらに近づいてきました。

雰囲気としては、スクーターにわたしのクルマが追突するかして転倒させてしまったんじゃ? という風情です。

なので

「あ、事故じゃないから大丈夫ですよ」

と言ったんですけど、よく考えたら単独転倒も事故っちゃあ事故って言いますよね。

すると、収集車の方々が

「いや、そうじゃなくて、そこ、通れますかね、その奥に入らなきゃいけないんですけど……」

とのことで、彼らの訝しげな表情は、単にその狭い路地を通りたかっただけ、ヴァナゴン邪魔だお? スクーターもちょと邪魔じゃん? という表情だったのでした。

そうこうしているうちに、端に寄せたスクーターがひとりでに、右側に倒れちゃいまして。
道路の起伏とサイドスタンドの角度が悪かったらしく。
サイドスタンドちょう危険。というわけで、センタースタンドをかけ直しました。

落ち着いたところで、運転手さんに聞いてみました。

「あの、これパンク してますよね? さっきから動きが変だから、次の信号待ちで教えようかと思ってたとこだったんですよ」

するってーと、

「あ、いやパンクじゃなくて、ホイールがね……」

と言いながら指さしたホイールの状況は……。

20110221wheel

これ、誇張でもなんでもなく、ホントにこんな風に見えるほどベコっと凹んでました。

ちょ、おま、どこをどう走ったら目に見えるほどホイールが2箇所も凹んでめくれるんだお!?

「うわー、これ、事故したんですか? こんなんじゃ走っちゃダメですよぉ~」

「いやね、ちょっとした段差を超えたらこんなになっちゃって」

最近増えつつあるアジアの海外メーカーの輸入スクーターは、さすがにホイールがペラっペラなのかな、とか思いつつ車種を確認すると。

いや、フツーにスズキのアドレス110かなんかだし。

ちょっとした段差? いやそれ、おさーん、酔っぱらってどっかに突入したとか、段差to転倒to壁に激突、とかそういう風情だぞ、これは。

「ホイールがめくれて空気が漏れちゃってるんで、バイク屋さんに修理に出しに行こうとしてたんだけど……。これ、もう直んないよね? あーもー廃車だなー」

廃車にするくらいなら、タダで引き取るから、わたしにくれ! などと内心思いつつ。

「いや、これ日本車だしフロント周りなら直りますよ、多分。あと、リアのホイールもアクスルシャフトが歪んでるかしてるみたいだから、ちゃんと見てもらった方がいいですよ。いずれにせよ、これ、このまま乗るのはもうキケンですから、すぐそこにスズキのバイク屋さんがあるからクルマ乗ってきますか?」

「いや、いいです、このまま乗ってき……押してきます」

* * * * * * * *

以上が、「ただまっすぐ走っていたバイクが突然、目の前で転倒した」の顛末です。

転倒の原因は、そのスクーターの故障にあったわけですが、そのような状況は万が一だとしてもゼロではない、というのが恐ろしい話です。

今回の教訓として、挙動がおかしいクルマやバイクがいたら、細心の注意を払え、ということでした。

もしも、その道路がもう少し広くて、スピードが出ていて、なんとなく車間距離があまり広くとっていなかったり、漫然と走っていたりしたら……。

もしも、対向車がドンピシャのタイミングで、しかも幅広のトラックやダンプカーやバスだったら……。

考えただけでゾッとしますが、そんな状況下でも、なんとかして被害を最小限に留める努力は常にしとかなきゃいけないんだなぁ、と思った出来事でした。

| | | トラックバック (0)

2011.02.18

いかにして、ただまっすぐ走っていたバイクが突然、目の前で転倒したのか

ちょっと前に、「目の前を走っていたスクーターがひとりでに突然転んだ!」と前振りましたが、今日はその顛末をお話しします。

その日はたまたま、クルマで移動していました。

で、その日はたまたま片側3車線あるような大通りではなく、旧道っぽい片側1車線のところも通るルートを選択しました。

そのスクーターにまず遭遇したのは、片側2車線から1車線に狭まるあたりの交差点での信号待ちです。
2車線のうち左側の車線にクルマが1台、その後ろにそのスクーターが停まり、わたしはそのすぐ後ろに付きました。

右側の車線にも2台のクルマがいましたが、交差点の先で右側の車線の方が狭まるので、わたしは左側にいました。

その先で1車線に狭まるので、たいがい二輪はすり抜けして先頭に行きたくなるような場所ですが、そのスクーターは律儀にクルマの後ろに着いて停まっていたので、律儀な人だな~、ちゃんとしたジェッペルかぶっているな、ジャケットはイエローコーンだな、じゃあ、ピンクナンバー(横浜では原付2種はピンクです)だから普通二輪か大型二輪の免許は持ってるだろうし、普段は大きいバイクも乗っている人なのかな、などとそのスクーターの運転手の人と成りを妄想しながら、信号が変わるのを待っていました。

信号が青に変わり、そろそろとクルマがスタートしました。スクーターがわりあい、トロトロと発進したため、右側の車線にいた2台のクルマはスクーターの前に合流しました。

かくいう自分のクルマもエコのためもあるし、車種がヴァナゴンという図体のでかいクルマなので、たいがい発進はエコモードでトロトロと発進させます。

なので、そのスクーターとわたしのクルマは2台ともトロトロ発進しました。

が!!

なんだかそのスクーターの様子がおかしい。

発進するとき、極端にハンドルが左右にブレるのです。

例えて言うなら、そば屋の出前コントのよ うな感じ。ほら、あの、片手に何重もの器を持って、片手運転でふらふらと走るそば屋の自転車のコントのような……。

なんだ、なんだ? どこか壊れてるんじゃないの? 何がおかしいんだろ? アクスルシャフトが抜けそうなのかな? ホイールがぶれている? 次の信号待ちで教えてあげた方がいいかな?

などと思いながら、ついついじーっとそのスクーターの挙動を凝視してしまいました。

数百メートル走り進んだところで、はっと我に返り、いかんいかん、こんなに車間距離詰めたら、万が一、あのスクーターになんかあったり、対向車が急に右折したりはみ出してきたとき対応できないな、そうだ、車間距離を離そう、目の前のスクーターじゃなくて視線をもっと先に持っていこう。

そんなことを考えていた矢先。

しゅるっ!

ずりっ!

がしゃ! ずずず!

そんな音を立てながら、オッサン スクーターはなぜか右側に向いたかと思うとハイサイドっぽくもんどりうって、フロントは右を向いて、でもバイクは左側に倒れ、運転者さんはスクーターの下敷きになってしまいました。

確かにバイクはブレブレで走っていたのですが、状況的には、路面は問題なかったし、対向車もいないし、少しカーブしている場所でしたが、転ぶようなシチュエーションではなかったのです。

文字通り、

「突然、目の前のバイクが転倒した」

という状況でした。

あっけにとられる間もなく、即、後方確認してハザードを出し、救助に向かったのですが。


ああ、時間切れ。続きはまたのちほど。

| | | トラックバック (0)

2011.02.17

エコの時代に向けてバイクのバッテリーをめぐるお話

あるバイクショップでこんな話を聞きました。

「最近、新車は2年保証なったりしてるんだけど、バイクってさ、乗らないとすぐバッテリーが上がっちゃってエンジンかからなくなるから、乗らないときはターミナル外すか、バッテリーチャージャーで充電するなりして下さいねってお客さんに説明するんだけど、それでもあんまり乗らないお客さんは買ってから1年くらいで「バッテリーが上がったから保証で新品に取り替えてくれ」なんて言うんだよ、最近はバッテリーもすごく高くなったじゃん? 1個、2万円とかするからさあ、困っちゃうよ……」

そんなボヤキを聞きながら、はて、バッテリーってそんなに高かったっけ?と思って、ちょっと調べてみました。

わたしが乗っている車種の場合、価格コムで調べてみると、いずれも国内メーカーの最高値だと……、

GPZ900R (開放式)1万6,968円

ZX-9R (MF式)2万1,168円

Dトラッカー (MF式)2万1,840円(純正パーツ)

だそう。ここ数年で値上がりしたとは聞いていたけど、けっこう高くなったなぁ、という印象を受けました。

いやこれ高いんじゃないの、と思いつつ、ふと思いました。
なんでこんなにバッテリーって車種ごとに形状が違うんだろう?

現在、発売されているバッテリーの種類はおよそ130種類。
何十年も前のバイク用もいまだにラインナップされ続けています。

確かに、バイクは車種によってフレームからタンクからサスペンションなど細部に至るまで、形状がまるで異なる商品ではあります。
おまけに、バッテリーは重心位置に影響する構成要素としても利用されており、軽量化を狙うためもあって、年々、よりコンパクトな形状で効率のいい端子デザインが必要とされています。

しかし、形状が異なるということは、製造するための金型も異なってくるだろうし、生産や在庫など全てが価格に反映されてしまいます。

バッテリーをめぐるもう一つの謎は、同じバッテリーなのに実勢価格の幅が恐ろしく広いことです。

5000円のバッテリーは半年しかもたず、2万円のバッテリーは3年もつのでしょうか?
5000円のバッテリーは30馬力しか発揮しないけど、2万円のバッテリーは120馬力発揮するんでしょうか?

もちろん、そんなはずはなくて、建て前としては同じ型式のバッテリーなら、ほぼ同等の性能を有するはずですよね。

ならば、価格の差は粗利の差と考えて差し支えないでしょう。

では、安ければ安いほどいいのかというと、そういうことでもありません。

第一に、バッテリーはMF式化されるにあたり、鮮度の問題が出てきました。いったんバッテリー液を補充してプレ充電してしまうと、時間の経過でバッテリー性能が弱ってしまいますから、在庫期間とバッテリー劣化は相関してしまいます。

第二に、バッテリーはほぼ100%リサイクルできるため、地球環境を考えると必ず回収されるようなシステムが望ましいものです。バッテリーをリサイクルすれば、鉛原料の価格を安定させることができるし、価格高騰を防ぐことができるでしょう。しかしながら、バッテリーの回収とリサイクルにはコストがかかります。

さらには、本来、バッテリーの販売には毒物及び劇物取締法(通称、毒劇法)によって有資格者と届出が必要とされ、保管にも厳重な管理が求められます。

このように、在庫管理やリサイクルシステムなどのコストを考えると、バッテリーの価格にそれらが反映されても仕方ない面もあります。

とはいえ、クルマよりも平均寿命が短いと言われるバイクのバッテリーが、国産メーカーの場合2万円前後もする現状は、やはりユーザーにとって負担が大きいと感じられるのではないでしょうか。

おそらく、バッテリーの共通化はこれまでも二輪メーカーやバッテリーメーカーの中で検討されてきたことでしょう。

しかしここで再度、「エコ」が乗り物にも強く要求されるようになった21世紀11年目のいま、バッテリーの共通化を実現して地球環境にも、バイクユーザーの財布にも優しいバッテリー価格を目指して欲しい、などと先のバイク店主のぼやきから思ったことなのでした。

| | | トラックバック (0)

2011.02.16

今日はバレンティーノ・ロッシ選手の誕生日です

2月16日はバレンティーノ・ロッシ選手の誕生日です

速そうな誕生日でしょ?

人気ブログランキングへ

| | | トラックバック (0)

2011.02.15

【バイク注意】凍結絡みの事故が多発しています

今年は酷寒に見舞われ、各地で大雪となったり、道路が凍結したりしています。

そんな中、ここ数日、道路凍結に起因すると思われるバイクの交通事故が多発しました。

【ケース1】

13日午前9時10分ごろ、栃木県の県道で、Aさん(79)がミニバイクで転倒、後続車にはねられて頭などを打ち、搬送先の病院で死亡した。
 栃木署によると、現場は東北自動車道の陸橋下で、10日夜からの雪と雨のため路面が凍結。Aさんは運転中にスリップして転んだとみられる

【ケース2】

12日午後10時20分ごろ、埼玉県の県道で、バイクの男子高校生(16)が転倒して対向車線にはみだし、乗用車と衝突した。男子生徒は頭などを強く打ち、重体。
寄居署の調べでは、現場は片側1車線で直線の見通しのよい道路。荒川上を走る橋の上で、事故当時、路面が凍結していたという。男性は「バイクが転倒してはみ出してきた」と話しており、同署で詳しい事故原因を調べている

【ケース3】

12日午前7時10分ごろ、高崎市の県道で新聞配達員(51)Bさんのバイクに後続の乗用車が追突。Bさんは対向車線に投げ出され、頭を強く打ち間もなく死亡した。
 高崎署によると、当時、路面は凍結していた。同署は詳しい事故の状況を調べている

(以上、MSN産経ニュースなどを元に構成)

ベテラン運転手さんなら常識の、

・深夜・早朝の時間帯

・橋の上

・トンネルなど

は凍結しやすい時間帯/場所であることはもうご存知だと思います。

加えて、

・カーブの外側

・交差点の中

・交差点の信号待ち、停止線直後

も、凍結しやすい場所です。

この3つは、クルマに積った雪が落雪してそのまま凍結しやすい場所です。

路面凍結に気をつけなければいけないのは、ライダー自身だけではありません。
ドライバーさんも、どうかこの寒い冬場も仕事や通勤など何らかの理由でバイクに乗らなければならない人びとがいることをご理解いただき、前方や対向するバイクに気を配っていただければなと存じます。


| | | トラックバック (0)

2011.02.14

オートバイのチョコレート

2年ほど前、マン島のダグラス郵便局前に満を持して出店したDAVISON'S THE CHOCOLATE BOX

20090822img_6945s1

デイビソンズはもともとアイスクリーム屋さんで、チョコレートもマン島内でハンドメイドだとのこと。

商店街にはGODIVAThorntonsの直営店もあってチョコレート激戦区ですが、ひじょうに繁盛しております。

20090822img_6944s1

めちゃくちゃ種類がありますが……。

20090822img_6940s1

ここはやはりマン島らしく、

20090822img_6939s1

オートバイのチョコレートも陳列されています。

| | | トラックバック (0)

2011.02.11

明日2011年2月12日(土)午前10時よりモトGP前売りチケット発売開始!

4月22日(金)~24日(日)にツインリンクもてぎで開催されるMoto GP日本グランプリの前売りチケットは、明日、2011年2月12日(土)午前10時より発売開始となります。

例年、良席や駐車券付きの場所は早くに売り切れる傾向にありますので、どうぞ予約はお早めに。

| | | トラックバック (0)

2011.02.05

[駄]バイクの楽しさは1日いくらか

実はけっこうお高い生命保険も、「1日いくら」で換算すると、「あ、缶コーヒー代よりお安いわ~」なんて騙されて思っちゃって、ついて加入しちゃう方もいらっしゃることでしょう。

というわけで、目の前でただ走っていたスクーターが何の前触れもなく転倒した! の続編の前に、つい思いついてしまったので、[駄]文をしたためておこうと思います。

※以下の数字は正確なものではないので、あくまで参考程度ということでよろしくお願いいたします


[オレはこれからライダーになる! バイク乗りになる!]

普通二輪免許取得費用の一例 7万9,800円 (普通免許所持者の場合)

免許交付料 4,100円 (神奈川県運転免許試験場の場合)

合計 8万3,900円

22歳で取得、80歳まで更新し続けるとして……。

8万3,900円÷58年÷365日=3.96円≒4円/日

普通二輪免許のプライスは1日たったの4円!

書いていて、激しくくだらない気がしてきましたが、気を取り直して、晴れてバイクを購入、に妄想を進めましょう。

[オレはライダーだ! マイ単車を手に入れてバイク乗りになる!]

一人称が「オレ」なのは、激しくどうでもいいことなんですが、脳内妄想としては、4年制大学を晴れて3月卒業見込み&就職もこの超氷河期になんとか決まって、あとは4月の入社に備えて卒業旅行と、何かプラスアルファの資格が欲しい、「そうだ、バイクの免許を取ろう!」と思いついた男子大学生を想定。

購入を考えたのは、教習所でも乗った経験があるし、世界に誇るホンダのCB400SFです。

CB400 SUPER FOUR・カラーオーダープラン→74万250円(税抜 70万5,000円)

これに、諸費用、税、保険などを加算しまして。

軽自動車税 4,000円×3年=1万2,000円

自賠責保険 1万7,780円 (37か月)

任意保険 5万0,130円 (任意保険の一例。年齢条件21歳以上、対人無制限、対物1000万円、搭乗者200万円、以上。ホンダのシミュレーションサイトの結果による) ×3年≒14万円(割引もあるのでだいたい)

重量税 6,600円

合計、91万6,630円。

ところで、ホンダのバイク購入シミュレーションってめちゃくちゃ便利ですわー。


オレは3年間で400ccに慣れたら、大型二輪免許を取得して、ビッグバイクをスマートに乗りこなせる中堅ベテランライダーになっているはずだから、初めての相棒とは3年間だけともにするつもり。

なので、

916630÷3年÷365日=837.1円≒840円/日

あれ? けっこうお高いじゃないか。タバコ2箱分?

じゃあ、考え直して、3年後にオレは25歳。その頃にはようやく仕事にも慣れてきて、大型二輪教習どころじゃなくなってると思う。だから、相棒は1回だけ車検を通すとして、5年間乗ることとしよう。

ならば。

自賠責 1万4,000円程度(24か月、値上げ分を考慮)

任意保険 4万5000円程度×2年=9万円

重量税 4,400円

検査料 1,700円

合計 11万100円

上記、5年分を合計して、102万6,730円

これを、5年分で割ってみると。

1026730÷5年÷365日=562.59円≒560円

日に500円ちょっと。これなら、オレの将来のヨメも安価な趣味として認めてくれるだろう。

ん? ちょと待てよ。
賢明な読者の皆さんならお気づきの通り、ここにはヘルメットやジャケットなど装備と、実際に走行したときのガソリン代や消耗部品代が入っていません。

[バイクを趣味にするなら、カタチから入らねば]

というわけで、装備やガソリン代、消耗部品代も考慮してみましょう。
めんどくさくなってきたので、ここは、まるっと概算で。

ヘルメット 5万円
ジャケット 冬用 3万円 夏用 1万円
ブーツ 2万円
グローブ 1万円

小計 12万円

次にガソリン代を計算。
月に800km走行するとして、燃費20km/リットル、ガソリン代 130円/Lで計算してみると。

800÷20×130=5200円

5200×12か月×5年=31万2000円

次に消耗品やメンテナンスをまるっと概算。

オイル交換代 10回×1万円=10万円

タイヤ交換 1回=5万円

チェーンとスプロケット交換 1回=4万円

その他、消耗品やメンテナンスで 10万円

小計 29万円

ここまでをざっと合計しますと……。

72万2000円。

バイク代やら諸費用やら消耗品やらを合計しますと、

174万8,730円。

さて、5年間で1日あたりおいくらになるでしょうか。

1748730÷5年÷365日=958.2≒960円/日。

バイク趣味を400ccで5年間続けると、1日あたりわずか960円という結果になりました。

でもね、これ、月にバイクで走るとした800kmを一部、通勤に使っていると仮定すると、また話は違ってくると思うんですよ。

800km(100km程度のツーリングを月に2回+20日勤務の往復)

=200kmツーリング+(600km÷20日勤務)

=200kmツーリング+(往復30km×20日勤務、片道15km)

=……。

仮に片道16kmをJRで通勤するとすると、片道320円。往復640円。

バイク1日あたり960円と比較すると、960-640=320円は、月2回のツーリングの楽しみ代、または、「通勤ラッシュで揉みくちゃにされない代」として妥当な線なのではないかな、と。

思いつきでなんとなく計算してみたけれど、やっぱりバイクの楽しみはプライスレスなのだなぁと再確認した次第です。はい。

| | | トラックバック (0)

« 2011年1月 | トップページ | 2011年3月 »