右チェンジ・逆シフトのロイヤルエンフィールドでお散歩
毎年毎年マン島に通っていると、マン島ではロイヤルエンフィールドは珍しい存在ではないのですが、日本で見かけることは滅多にありません。
その数少ないロイヤルエンフィールド専門店である「コアフィールド」さんが引っ越したというので、何年かぶりに遊びに行ってきました。
場所は、神奈川県の中井町。小田原厚木道路の二宮インターからほんの5分ほどの場所です。海にも山にもほど近い、絶妙のロケーションです。
新しいショップの周りはのどかな雰囲気漂うところで、工場もビンテージな雰囲気がぷんぷん。
以前のショップに比べて格段に広くなり、マシンもストックパーツも宝の山のように並んでいます。
コアフィールドさんで取り扱っているメインのモデルは、現在、インドでノックダウン生産されているロイヤルエンフィールドの350ccと500㏄です。
しかし、新排ガス規制の関係で生産が終了したそうで、手に入れるなら今が最後のチャンス、などというお話を聞きつつ、「じゃ、乗ってみますか?」との嬉しいお誘い。
***右チェンジ・逆シフトにおののく***
しかし、ロイヤルエンフィールドはシフトが右側にあります。
実はかなり昔になりますが、ロビンのエンジンを積んだディーゼルエンジンの右シフトと、このロイヤルエンフィールドに挑戦したことがあるのですが、2回とも減速するだけでもうパニックになってしまい、上手く運転することができなかった経験があります。
ですから、またがってみて、イメージトレーニングしてみて大丈夫そうだったら乗ってみます、とお答えしまして。
「右シフトはともかく、チェンジは正チェンジですよね?」
「いや、逆チェンジ」
「!!!」
「上がロー、下に2、3、4。ニュートラルに入れるときは、カカトのときにニュートラルファインダーのペダルがあるから、それをカカトで踏めば、どのシフトからでもニュートラに入るし……」
「???」
そんなわけで、とりあえずまたがってみました。
足付きはひじょうに良好。身長161cm、足は標準より4cm短めのわたしでも難なく両足ベタ付き。
ステップがとても前にあるような気がしましたけど、クルーザーのフォワードコントロールほど前でもなく。
ハンドル位置といい、シート位置といい、ステップ位置といい、自然に座って手足を出した位置にあるという感じです。
↑1 --↓2 ↓3 ↓4
を頭に入れつつ。
こんなかわいいカラーリングも。
キャブレターはAMALを推奨しているのだそうです。メンテナンス性はいいし、パーツのストックもたくさんあるそうです。
このあと、キックのかけかたを教わります。基本的には他のキック始動のバイクと同じ。デコンプを上手く使うこと、上死点を出すこと、自分の足がクランクだと思え、エンフィールドの場合、わりと奥まで踏み抜く感じにするとかかりやすい、などなど。
しかし、けっこう頑張ってみたものの、かからないので、オーナーの深道さんにかわってもらったヘタれなのでした。
エンジンをかけてますと、近所のおとうさんもやってきました。優しい笑顔で見守られるってのは、バイク乗りにとってありがたいシチュエーションではあります。それもこれも、50年以上前のかたちを保っている現代に生きるビンテージバイクならではなのかもしれません。
***初のロイヤルエンフィールドツーリング、そのインプレは?***
さて、お店のお客さんも巻き込んで、3台で出発しました。
まずは、初めの一時停止、そして曲がり角が鬼門です。
わたしは普段、リアブレーキを多用する派なので、やはりついうっかり右足を踏んでしまいます。しかし、シフトのストロークが割と長く、しっかり踏まないと勝手にギアが入ってしまうことなどないエンフィールドは、そのようなミスをしても意外と大丈夫。落ち着いてギアチェンジすることができました。
次は一本道を直進。徐々にスピードが上がり、シフトを上げていかねばなりませんが、ちょうど前方にダンプカーがいてペースがゆっくりだったため、しっかりクラッチを握って、右足を「2速……、3速……、」と踏んでチェンジすることができました。
しばらく走ったところで、深道さん、
「大丈夫そう?」
と確認。
気がつけば、自分でもびっくりするくらい、スムーズに走れるようになりました。昔、パニくって、両手握って両足踏んだのは何だったんでしょうか。この業界入ってもう●年。さすがに、少しは進歩したのか。
シフトの感じは、全てが深い感触と言いましょうか、はい今シフト噛みましたよガショコン、って感じが足から伝わってくる、そんなしっかり感があります。
3速と4速はけっこう離れていて、一般道を走るならほとんど3速でいいかも。
クラッチはびっくりするほど軽いです。
エンジンのバイブレーションはシートを伝わって仙骨あたりをブルブルと気持ちよく震わせるのですけど、そこから背骨を伝わって、頭のてっぺんにマイルドな心地よさが伝わってくるという感じ。
コーナリングも意外に(と言ったら失礼なんですが)しっかりしていて、これってダブルクレードルフレームだったっけ?と思わせるもの。でも違います。
そうそう、キャブレーションも実にコントローラブルで繊細な操作に応答するものでした。
「すんごい楽しいです!」 とお伝えすると、「じゃあもう少し走るか~」ということになりまして、山の方へとトコトコ(文字通り、エンフィールドのエンジンはトコトコ!) 走ります。
***ひみつのお散歩先***
着いた先はこんな素敵なところ。ちょこっとお散歩しに来るにはちょうどいい距離、ちょうどいい人気(ひとけ)具合の場所です。
着いたのは夕方だったんですが、残暑厳しい中、眩しい緑のなかを、ひんやりとした空気が流れていました。
その先には、こんな立派な滝壺が! 神奈川県民を何十年もやってますが、こんな場所があるだなんて、ぜんぜん知りませんでした。
なぜか織田無道風のワイシャツとネクタイ姿の男性と、普通のブラウスとスカートの中年女性が滝に打たれてずぶ濡れになってましたが、あれはいったい何だったんでしょうか。織田さんだったんでしょうか? (違うとは思う)
バイクでキャンプしに来てる人たちもいました。
すっかり、のんびりできました~。
ちょっと場所を移動しまして……
雰囲気ある手打ちうどん屋さんへ。
美味しゅうございました!
うどんパワーのせいか、帰りはキック一発でエンジンがかかりました。
しかし、メインスタンドが降ろせなかったのは腰をいわしてたせい、ということにしておいてください。
けっこうヘッドライトが明るくて、夜間の運転も問題なし。
青空号。
ここに写っているバイクはストックのうちのほんの一部です。たぶん、20分の1くらい。
新車から、中古車、ビンテージ、レストアベースなどたくさんあるそうです。
動かない中古車を手に入れて、1年くらいかけてメカを勉強しながらじっくりレストアするのもいいなぁ、なんて妄想は膨らむのでした……。
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