行くのが楽しくなるユーザー車検
2年なんてあっと言う間ですね。以前の10年過ぎたら1年車検の時代はなんてたいへんだったんだろうって思います。
というわけで、GPZ900R、10回目の車検を受けてきました。
あれこれ心配なところもあって、ここ数カ月はちまちま整備しては様子を見ていたんですが、なんとかウインカーが付かないこともなくなったし、ヒビが入ったテールランプとウインカーレンズも交換したし(部品が出て良かったです。まったく。はい。)、ホーンも鳴るようになったんで、普通に車検を受けることにしました。なんじゃそりゃって感じですが、そろそろビンテージの域に達してきた年式ゆえ、「まー、このまま様子を見て次回は3か月後に」なんて医者に言われるみたいな持病持ちのようなことになってます。
世話になっているバイク屋さんには「あれもこれも洗浄とか分解とか整備して●万円。ってか、古いんだからちゃんとしときなさいよ」とご進言いただき、よく考えると、アレもコレもやってもらって●万円ってけっこう安いじゃん?って思ったんですけど、そのバイク屋さんに行くまで2時間半。かたや、近所の陸運局まで3分。
というわけで、バイク屋さんごめんなさい。今回も自分で車検を受けることにしました。
でも、皆さんにはプロの整備を受けた上での車検を強くおすすめしておきます。
【事前の準備について】
事前の準備は、事前に自賠責保険に入っておくことが一番大事ですね。
自分の場合、知識豊富な保険代理店さんに自動車保険は全てお任せしていて、今回もわざわざ集金しに来てくれました。最近の自動車保険事情の情報をいただき、これはこれでたいへんありがたいことで。
ちなみに、近頃の景気悪化で保険会社の収支が悪化しているそうですが、それは支払いが増えているということではなく、そもそも保険に入る人が減っていることが要因らしいです。これは怖い。これはつまり、任意保険に無加入の自動車が増えているということらしく。いっそう、気を付けて走らねばと思いました。
それと、納税証明書を準備しておくことです。毎度、これであたふたいたします。
【車検の予約について】
車検は現在、予約制になっています。予約はインターネットで簡単に取れます。
予約サイトはこちら。なかなかよく出来たシステムで、サクサク動くし、24時間稼働だし、キャンセルが出るとすぐ反映されるので、諦めずにときどき覗くと、ポロっと空きが出ることも。
ちなみに、継続車検は全国どこでも受けることができるので、たとえば品川が満杯だったら横浜や川崎や相模原や練馬で予約して受けることも可能です。
ちなみに「予約なんかしなくたって当日受け付けで車検は受けられるよ」という噂がまことしやかに流れていましたが、調査してみたところ。
・二輪車も、予約番号が要る(車検官と受付職員談)・受付で確認していないように見えるが、それは車検書類バインダーなどに挟み込んでいる予約番号のメモを、受付職員が一瞬にして読み取って確認しているのである(車検官談)
・予約番号がないと、混んでいるときは受付で「ごめんなさい」することがある(車検官談)
・とはいえ、当日受付することもある(とある車検代行屋さん談)
・理由は、二輪車の方が四輪に比べて時間がかからないのと空いているからである(とあるバイク屋さん談)
・とはいえ、車検場によってバラつきが大きい。品川などはけっこう混んでいることが多い(とある車検代行屋さん談)
とのことでした。
二輪は車検予約しなくても受けられる、というのは非公式だけど本当にあるみたいですね。
出直しを厭わないのなら、ダメもとで当日行くのもありかもしれませんが、遠方だと門前払いはちょっと悲しいですね。
【書類を揃えて受付】
古い自賠責保険証書と新しい自賠責保険証書、納税証明書、車検証を持っていざ、車検場へ。近所の車検場の場合、看板に継続車検の場合は③→②→①の順に進め、などと書いてあるので、その通り建物を移動します。
作業用のツナギやら、メーカー名の入ったジャンパーを着たプロの方々が足早に行き交う様はさながら、「ここはトーシローの入る場所じゃねぇっ!」みたいな感じでなんかゾクゾクします。しますけど、負けずにキョロキョロしながら進みます。ま、勝ってどうするなんですけど。
まずはOCRシートや申請用紙などを買い揃えます。金額は50円。
隣の窓口で重量税と検査手数料を払います。金額は重量税が5000円。検査手数料が審査1300円、検査400円、合計1700円です。
建物を移動して、納税証明を確認してもらいハンコを押してもらいます。
またまた建物を移動して、申請用紙に書き込み。
隣のテーブルでは大学生とおぼしき若者二人が楽しそうにOCRシートに書き込んでいます。友だちからバイクを譲り受けたという風情です。
なんか微笑ましいなあとか思いつつ、よく分からないところは未記入のまま受付へ。以前ならコワーい職員にバカボケカス的な態度を取られていたところですが、最近はユーザー車検受験者には優しく丁寧に(でもタメ口で)いろいろと教えてくれるので安心です。でもなんでタメ口なんだろうなあ。警察官とかも。年上にタメ口聞く訓練とかするんだろうか。
受付窓口のロッカーには「恫喝があったら~大声を出されたら~暴力行為があったら~緊急電話番号 110」などと書かれたポスターがデカデカと貼ってありました。緊急電話番号がわざわざ、百十番なのが面白い。
【二輪のテストレーンへ】
書類が揃ったところで、いざ二輪レーンへ。四輪レーンは年度末ということもあってか、フェリー乗り場のようにずらりと並んでいますが、二輪レーンの方はガラガラで、車検官さんたちがゆるゆると集っているという状況でした。
壁には相変わらず、恫喝、大声、叩く、暴力行為等々書かれていてシュールです。
そこの車検場に伝わる伝説として、「オレが〇〇だ!」と言うと車検に合格してしまう……という都市伝説がありましたが、今はそういうことは排除されたみたいですね。
おずおずとニンジャで車検官さんたちの輪に突入しますと、そのなかで一番若そうな車検官さんがこれまたフレンドリーにタメ口でニコニコと指示して下さいます。
「車検受けるのはじめて~?」
「いや、ずっと前(正確には2年前(苦笑))に受けたっきりなんで……あんまり自信ないです」
「じゃあ、一人付けるからちょっと待っててー」
そう言いながら若い車検官さんは胸元の無線で誰かを呼びました。
助っ人が来るまでに灯火類とホーン、あと車体番号のチェックをしまして。ときおりまごつきましたところ、あれ? 今回は音量の検査がナイ。というか忘れられている?
おや?とか思いつつも、「じゃあ、もういいや、前進しちゃってー」と言われましたので、スピードメーター試験の台に進みました。
「40キロになったらスイッチを~」
などと説明されつつ、タイヤが回り始めます。
しばらくすると背後から声が聞こえてきて、助っ人さんが到着した模様。
メーターが35キロを少し過ぎたあたりで、
ポンっ!
とお尻をはたかれました。お尻を(苦笑)。
40キロになったという合図だったんですけどね。なんて親切なんだ(苦笑)。
ありゃー、お尻叩かれたよーとか思う間もなく、「ハイ、じゃあ前進っ!」と言われるがまま、光軸検査へ。
「このバイクは一灯だな?」と言いながらヘッドライトを確認するために前に回った助っ人検査官さん、
「ありゃー、女の子だったかー?! デカいの乗ってるなー!」
と本気でびっくりされていました。びっくり具合から判断すると、さっきのはセクハラではなかったようで。「女の子」って言ってくれてありがとう。
本気で男に間違えられたのは昨年10月の三宅島で7年ぶりくらいに間違えられて以来ですが、短期間に2回も間違えられるというのは、なんだか微妙な気持ちです(苦笑)。
光軸テスターに乗ったはいいのですが、なんだかバイクが激しく左に傾いています。なので、「バイク曲がってませんか!」と助っ人さんに訴えましたところ、背後でぐいっとまっすぐに立て直してくれました。立て直してくれたはいいんですが、おかげで足の位置が上手くなく、なんだかバイクがグラグラグラグラしています。グラグラグラグラしている中、光軸検査ロボットがクイっクイっクイっと首を傾げるかのように悩んでいるのですが、なぜか結果は
「〇」
と電光掲示板。
テスターから脱出しますと、助っ人さんが
「はい、ケツあげてー!」
と叫んでいます。
ケツあげる? ウエストバッグを開けるのかな?と思ってオロオロしていますと、
「ケツだよケツ、ケツ上げるんだおー!」
と再び叫ばれました。どうやら、シートとお尻の間に、書類を挟んだクリアファイルを挟み込んで前に移動せよ、という意味でした。
「こうすりゃー書類は飛んでかねぇんだ、二輪の車検なんて簡単だろ? じゃあ左側の建物でハンコもらって! 気をつけて行けよ、じゃあの、あばよ」(←一部脚色)
ってな感じで、今回はあっと言う間に車検終了。しかも、なんだか楽しかった。車検官さんたちも、以前はなんだか不機嫌そうで威圧的だったのが、今は解らないところがあったら教えてくれるし、楽しそうに仕事をしているという風情でした。
書類を持って再度、受付に行き、車検ステッカーをもらいます。毎回思うのですが、別に車検のために日々努力してきたわけではないですが、この瞬間の達成感って、大学受験に合格したような清々しさを覚えます。
【おまけの情報その1~走行距離について】
前回あたりの車検から、車検証に総走行距離が記録されることになりました。
わたしのGPZ900Rはメーターが一回りして、前回は180,000kmくらいだったので、そう記録されていたのですが、今回も申請書類に199,630km と書いたら、初めは記入ミスと思われて、かなりしつこく説明しないと信じてもらえませんでした。それどころか「バイクなのに19万キロも走ってんだってよー!」と大声で受付職員一同に発表されて恥ずかしいやらなんやら。
車検が終わったあと、結局、199,630kmではなく、99,630kmとして訂正されて記入されました。理由は、メーター上、5桁しか確認できないため、だそうです。
なんか10万キロも走行距離を改竄したみたいであんまり気分はよくないですけど仕方ないですね。
次回車検時はおそらく15,000kmくらいになる予定なので、20万キロくらいサバを読むことになってしまいます。
【おまけの情報その2~光軸調整について】
毎度、ライダー泣かせの光軸について。
以前は、当日中なら何度でも光軸検査を受けることができたのですが、現在は1日3回までに変更され、それ以上は再度検査料を払うことになったそうです。
これは、検査場をテスター屋さん代わりにさせないための措置だと思いますが、民間テスター屋さんの予備検査料の相場は2000円前後なので、場合によっては検査場で何度も回る方がお安い場合も。
もっとも、事前にちゃんと整備しとけって話なんですけど。
今回のわたしのように、バイクが曲がってセットされてしまう、とか、受検者の体重で光軸なんて簡単に変わってしまいますから、3回目までは車検場で状況を伺いながらトライすればいいんじゃないでしょうか。
それと、自分が受検した検査場の場合、以前は光軸がダメだと「×」だけ表示され、どっちに曲がっているかは、検査官にわざわざ聞きに行かなければなりませんでしたが、現在は「×」の他に矢印で目安が示されるようになったそうです。
そんなわけでもうすぐ20万キロのGPZ900R。
20万キロをどこで迎えようか思案中です。
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