科学的な正しさと社会的な事実~「二輪車は脳を活性化する」は本当か
昨日、「今月のJAF Mateに「二輪車は脳を活性化する」の記事が」とのエントリをupしたばかりなのですが、昨日の読売新聞のニュースにこんなものが。
脳活動のデータと解釈の間に何があるのか。なんでもかんでも脳科学と名付けて説明する風潮は注意しなければ、という記事です。
脳波について、ヤフーニュースに出ていた参考url先の解説がわかりやすいです。
ところで、ものごとには科学的な正しさと、社会的な事実とがあって、社会的な事実は必ずしも科学的に正しいとは限りません。
例:「〇〇と言われている」の内容が正しいかどうかではなく、〇〇と言っている人がいることは事実、みたいな。
バイクに関係する、良く皆さんが言ってる話として──
(1)バイクは若者の乗り物だ(2)若者は(バイクで)無謀な運転をする
(3)若者は抑圧の発散としてバイクに乗る
(4)バイクに乗る人は若く見える/気が若い
(5)バイクは社会から疎外されている/嫌われている
などがあります。皆さんって一体だれなんだ、という話もありますが。乗る人・乗らない人含めて身近な10人くらいにバイクの話を振ると必ず出てきそうな、これらの言説。
(1)に関しては、ユーザーの平均年齢が50歳にも達している今、統計的には真実ではないですね。
(2)に関しては、16歳~24歳の運転者の事故傾向を見るとそうとも言えなくもないけれども、年齢に関係なく免許取得年数が浅い人の事故傾向も同様の傾向があることと、わざと無謀に運転するのか、経験やスキルがなくて逸脱した運転となってしまったのかによっても見方が変わってくるなあ、と。
(4)に関して、若く見える人/気が若い人がバイクに乗ることが多いのか、それともバイクに乗っているから若く見える/気が若いのか。
(5)に関しては、バイク乗りが思っているほど、非バイクユーザーみんながみんなバイクを嫌っているわけではないことが自工会の調査が明らかになっています。
ノンユーザーのバイクのイメージ(自工会 2007年調査より)良いイメージ 23%
どちらでもない 45%
悪いイメージ 32%
じゃあ、科学的・統計的に正しいかどうかはともかく、なぜ、みんなそう言ってるのだろうか。そういうことを信じているのか。
(2)、(3)、(4)に関しては、脳科学のような理系の科学的研究で明らかにしようとすればできそうな気もします。
社会心理学的には、意識調査などで傾向を明らかにすることはできそうですね。
社会学や文化人類学的には、これらの社会的背景を説明しつつ、なぜバイクの良い/悪いイメージが創られてきたのかを明らかにすることとかできそう。
ともあれ、ライダーであれば経験的に「バイクに乗っている人は若く見える/気が若い」を体験したことがあるのではないでしょうか。
そういったことの裏付けが学術的になされれば、ライダーとして嬉しいなというのは本音だったりもして。
本日、オチなし。
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