G-FP2DF1P69Y ホイールの数を超える概念がそろそろ必要かも: 小林ゆきBIKE.blog

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2009.10.22

ホイールの数を超える概念がそろそろ必要かも

東京モーターショーで発表された日産のランドグライダー(←注意:音が出ます)や、前回2007年の東京モーターショーで発表されたコンセプトバイク、ヤマハ発動機のテッセラクトや、道路交通法改正のきっかけとなったピアジオの前2輪の三輪車、MP3シリーズ、付け加えて、セグウェイの問題であるとか、最近の乗り物の動向を見ていると、「何輪車か」という概念を超えようとしつつある時代に入ってきたと言えましょう。

乗り物の歴史をたどると、二輪車が登場した19世紀終わりごろは、むき出しのエンジンとホイールで幌や車体で覆われていない三輪車(Tricycle)や四輪車(QuadricycleとかHorseless-carなどと呼ばれていた)は、イギリスやフランスではどちらかと言うと、オートバイのカテゴリーに見なされていたようです。もっとさかのぼると、イギリス(当時のイングランドを中心に)では、軌道のある鉄道と、軌道を使わない蒸気自動車や電気・ガソリン・ガス自動車の区別もはっきりせず、後者は「Light locomotive」というカテゴリーになっていました。
やがてガソリンエンジンの時代が来て、全体を覆われる四輪車のデザインが一般的になってきた20世紀初頭に、四輪車/二輪車/サイドカーの区別がはっきりしてきたようです。

日本の場合、道路交通法や道路車両運送法の定義では、ホイールの数(四輪車/三輪車/二輪車)や大きさ、重さ、排気量で免許の種類や登録の種類が定められているわけですが、自転車なんかも、ホイールの数やブレーキ装置、反射板などの装備が必要とされていて、例えばひと昔前にブームが起きたキックスケーター/キックボードは本来は公道を走れないとか、幼児用三輪車は歩行者と見なすとか、実は一輪車は遊具なので小学生が一輪車クラブの練習帰りに乗って帰るのは違法だとか、とにかく、乗り物の概念やら定義やら法律はややこしいことになっているわけです。

そんなことをぼんやり考えていますと、もはや「ポスト-ポスト・モダン」社会(ポストモダン後の社会、的な。つまりは21世紀と書けばシンプルかな)は、「●輪車」で定義付けるのではなく、「モビリティ」(移動のしやすさ)社会であるとして考えなければいけないよなあ、とか考えてまして。

じゃあ、「●輪車」に替わる何か適当な言い方ってなにかないものか。

超輪車……●輪車を超えた概念

越輪車……同上

非輪車……もはや●輪車ではないのである、の概念。でもなんか違う気がする

ポスト・車輪……車輪後の概念(ホンダのU3-Xとか)

ポスト・ホイールビークル……同上

beyond the wheel vehicle……超/越輪車の英訳、とか

なにか、うまい言い方はないですかね。

運転免許を必要とする四輪車/三輪車/二輪車だけでなく、自転車、車椅子、スポーツを目的とする軽車両群、リヤカーなどなどをどうやって定義付けていくのか。どこを走って(移動して)いいのかダメなのか。

ハンドル付き電動車両(たとえばスズキのセニアカーなど)のように、クルマ/バイク/原付と自転車、歩行者の間にある「移動を助ける乗り物」は、未だいくつかの法律にまたがる乗り物の定義に阻まれて普及できてないように感じますが、確実にそのような乗り物が必要とされる時代が近づいてきています。

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