G-FP2DF1P69Y マンクスグランプリのマーシャルやってます: 小林ゆきBIKE.blog

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2009.08.29

マンクスグランプリのマーシャルやってます

TTウィークはいつもメディア登録して取材をしているのですが、今回自身2度目のマンクスグランプリ(MGP)は調査のためもあって、マーシャル(日本でいうところのコースオフィシャル)を体験し参与観察してみることにしました。

マン島のTTとマンクスグランプリのマーシャルは両レースともに、マン島TTマーシャル協会(TTMAIsle of Man TT Marshals Association)が統括していて、英語でのコミュニケーションができることと健康であれば、16歳以上の誰でも(※1)、外国人でも、ビジターでもマーシャリング(=マーシャル活動のこと)をすることができます。

※1 以前は75歳までという年齢制限があったようですが、少なくとも2009年TTコースインシデントマネージメントグリーンブック 第18エディションでは年齢上限については書かれていませんでした。

また3年ごとにIncident Management Courseを受講することになっています。

わたしの場合、英語のコミュニケーションが徐々に問題なくなってきたことと、日本でモータースポーツライフセービング機構(略称 LSO)のL.S.F.A.-Basic Skills First Aider with CPR & AED Traningを受講しているので、何かしらお役に立てるのではと考え、マーシャルに参加できないか相談しましたところ快諾いただきました。調査目的であることもお伝えし了承いただきました。

TTMAに申し込むには、ネットで申し込み書をダウンロードして郵送するか、TTMAの事務所に行って直接申し込みます。いずれにせよ、最終的には事務所に直接出向いて「sign on」(受付)をする必要があります。
TTMAの事務所はグランドスタンド裏に建物があります。
TTウィークのときは、TTMAの事務所以外に島内の何カ所か(多くはパブ)で受付を行なっています。

さて、受付を済ませるといただけるのがマーシャルキット。

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これだけの内容が、左上の下に敷いてあるビニールバッグに詰められています。ビニールバッグの裏には「TESCO」のロゴが。日本で言うところのイオンとかイトーヨーカドーのような、イギリス圏のスーパーマーケットです。マン島にはもともとShop Lightという地元スーパーチェーンとCo-opがあるんですが、セイコーマートがあるのに西友がスポンサードしてる、みたいな感じです。

右上の下に敷いているオレンジ色のが、「オレンジアーミー」の由来であるオレンジ色のベスト。背中にはやはりスポンサードロゴが入っており、今年はTTやMGPのオフシャルグッズを販売しているMOTORSORT MERCHANDASEでした。

上左側にはお土産のマグカップ。上中央には、やはりお土産のプログラム。プラグラムはお土産という意味以上に、ライダーになにかあったとき、名前を確認するのに役立ちます。

プログラムの左側にある小さいリーフレットは「マーシャリング・ザ・TTコース」というもので、マーシャル活動についてポケットサイズに収めています。主な内容は以下の通り。

・IMCトレーニングコース
・TTコース 指揮系統図
・警告看板について
・マーシャル行動内容
・フラッグ
・トラベリングマーシャルについて
・ライダーの走行について
・赤旗について
・新人マーシャル
・マーシャルの権限
・ファーストエイド
・救急ヘリコプター
・無線の使い方
・オイル処理
・ACUの子ども安全対策
・トラベリングマーシャルのナンバー
・ロードクローズの時間変更の場合
・関係する連絡先
・5年後までのイベント日程

プラグラムの左側のDVDは、講習内容が収められています。約30分ほどのビデオで、マーシャリングについての注意と、救急ヘリコプターへの対応がけっこう長い時間取られているのが特徴的です。

右側の腕章は、法律で「プラクティスとレース時にこれをはめているマーシャルは警察と同等の権限を持つ」とされる大事なアイテムで、7セッション経験すると初心者腕章(黄色)から経験者腕章(青)に昇格します。

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その下にあるバッヂは参加賞ですが、イヤーバッヂがセットされていて、長年マーシャルをすると、イヤーバッジがどんどん伸びる仕組みです。
TTやMGPのマーシャルは無償ボランティアで、交通費はおろか昼食も出ませんが、このように“自尊心”をくすぐるやり方はボランティア活動にとって大切なことかもしれません。このような無償ボランティアの究極の“あがり”が、MBEやOBE(英王室の勲章システム)などの勲章・称号として形付けられることもあるわけです。

下側に並べた書類の内容は以下の通り。

・事故レポートはすぐに提出してください、のお願い
・全てのマーシャルに重要なお知らせ(問題があったら朝7時半までに報告を)
・新人マーシャルへ
・マーシャルのフィードバックフォーム(歓迎されましたか? 担当マーシャルに説明受けましたか?など)
・チーフセクターマーシャルの連絡先(携帯電話番号)
・ロードクローズ時刻の政府公報
・TTコース図とセクター分け(パウチ済み)
・マーシャルサパーの招待券
・講習会の日程案内
・フェリーの割引について(200ポンド超える部分については半額に)

左側はマーシャルが受けられる特典のチラシ。

・アウトドアショップ 10%オフ
・バイクショップ 10%オフ
・バイクショップ 15%オフ
・MGPも協賛しているギターフェスティバルの特別チケット購入特典
・VMCCのマンクスラリーを含むジャービーフェスティバルのお知らせ
・他にもパブやレストランでの割引など

日本のように交通費として数千円渡すやり方もありだと思いますが、年に一回のレースならば、このように協賛を集めて渡すという方法もアリではないかと思いました。

TTやMGPの場合、希望すればマーシャルする場所を変えることができます。(下っぱのみ)
TTコースは2007年の事故を受けて、かなり広範囲に観戦可能場所を制限しましたので、自己責任を前提に、もっと近くで、あるいは観戦不可能な場所でレースを見るというスタンスもありかもしれません。

ただし、実際に目の前で事故が起きたとの衝撃とか、その後のトラウマも覚悟しなければいけませんが。
それについてはまた別の機会に。

さて、MGPのマーシャル体験は、プラクティスではユニオンミルズとグリーバキャッスル、レースはクロスビーとレンカレンで登録しています。

グリーバキャッスルでの仕事は……。

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ワンコと戯れるじゃなくて、ワンコを確保しておくことでした。
法律でレース中、動物はリードを付けておくことになっているんですが、グリーバキャッスルという名の通り、元お城だった大きなお屋敷の庭を2匹のワンコが駆けずり回っていたんですよ。
で、飼い主が出て来ないので、首輪を持ってプラクティス中、ずっと確保しておりました。

そんな仕事もマーシャルの仕事、ということで。

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