G-FP2DF1P69Y 想像のMADE IN JAPAN: 小林ゆきBIKE.blog

« 1902年の電気自動車 | トップページ | 【私信】にちゃいのおたんじょうびおめでとう »

2009.08.26

想像のMADE IN JAPAN

Img_8459s

「カワサキが大型バイクの生産をタイに移管予定」のニュース(ソース:読売新聞)読みましての雑感。

最近、「定本 想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 」という本を再読了したところなので、「国家」とは幻想なのだ、想像なのだ、ってか国家ってなにそれおいしいの?と認識を新たにしたところでした。

ああ、そう言えば国家というのは、ニッポンじゃ「単一民族(でははかったはずだけど)=ひと囲みの土地・場所=同じ言語を話す=国家」みたいな感覚で暮らしているので普段は一体国家とはなんぞや、なんて考えてもみなかった。

今わたしが滞在しているマン島を理解するには、国家の概念を根本からひっくり返さないといけない。
ここはひと囲みの土地(島)ではあるけれども、民族という意味では1000年以上前からノルマンディ(バイキング)とケルト(が民族と言えるのかどうかは否定説が多いけれども)のミックスだとされていて、しかしながら「マンクス」という人種(人種という概念もそもそもあやふやなのだけど)の存在も否定説が多い。
戦後はマン島生まれが半数、海外生まれ(多くはイングランドとウェールズを中心としたUK)が半数で、それも政治的な戦略でたまたまそのようなカテゴリー分けをしているに過ぎない、だとか。
元首(象徴天皇のような存在)はクイーンエリザベス二世女王だけど、政治的に英国連邦からは独立していて、しかしながら旧大英帝国を中心としたゆるやかな連合体、英国連邦(コモンウェルス)には所属していることになっていて、ゆるやかにカナダとか南アフリカとか、インドだとかと連体していることになっている。
言語は現在英語を使っているけれども、19世紀にマンクスガエリック(マン島語・マンクスゲール語)を話す人がほとんどだったのが、教会主導で英語化され、しかし民族復権運動としてマンクスガエリック復活をはかっていて、一応、公用語は英語とマンクスガエリックということになっている。

というようなことはともかく。前書きが長くなってしまいましたが。

自動車・二輪車の生産統計をどのように測っているのか、その定義が経済産業省で定められ、自動車工業会(自工会)で台数ベースの統計が毎月発表されています。

自動車の出荷形態の定義は以下の通り。


●完成車[台数ベース]

・完成車(CBU:Complete Build Up)

・ノックダウン(KD:Knock Down)車両→車両構成部品を輸出し、現地で組み立てて販売する方法。1台当たりの構成部品がFOB価格の60%以上
……SKD(Semi Knock Down)(現地でボルト、ナット類で組み付け可能な程度に分解された状態で出荷)
……CKD(Complete Knock Down)(部品単位で完全に分解された形態で輸出。主に現地で溶接・塗装・艤装)

●部品[金額ベース]

・海外生産用部品KDセット(60%未満の部品供給を伴うノックダウン)

・OEM部品や補修部品

これらの定義はあくまで、どこの工場で生産されたか、を根拠に定義しているもの。

・誰が設計したか
・どこで誰が設計したか
・誰が組み立てたか
・その会社の資本と登記はどこか

みたいな話は組み込まれていない。

例えば、

・日本本社勤務のアメリカ人がアメリカ向けオートバイを企画した
・日本企業ヨーロッパ現地法人のヨーロッパ人が現地向けオートバイを企画した
・日本企業の日本の工場で日系ブラジル人が組み立てた
・アメリカ資本のイタリア登記会社がイタリア人の設計だが60%以上日本の部品でイタリアでポーランド人とエストニア人が組み立てた

などなど、どんどん話はややこしくなってくる。
先の国家とかの話で言えば、父はフランス人、母は中国人、でも生まれたのはマン島、ではその子どもは「何ジンか?」みたいな。

食品関連でも、種や稚魚、稚貝は外国産でも最終収穫地・漁獲地が日本なら日本産。
加工食品の場合、原料の原産地と、最終加工地の問題があったり。

世の中がグローバル化して、何を根拠に

日本産

日本製

というのかは、本当にややこしい問題ではありますが、いついつまでも

MADE IN JAPAN

が、品質保証の代名詞でありますよう。

| |

« 1902年の電気自動車 | トップページ | 【私信】にちゃいのおたんじょうびおめでとう »

ニュース」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

01.バイク」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 想像のMADE IN JAPAN:

« 1902年の電気自動車 | トップページ | 【私信】にちゃいのおたんじょうびおめでとう »