G-FP2DF1P69Y 16歳は大人か: 小林ゆきBIKE.blog

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2009.08.10

16歳は大人か

BBC(イギリスの国営放送。マン島でも放送されている)で、ステイ先の奥さんがグランドスタンドで出会ったという16歳の女優にしてレポーター、アクティビスト?の女の子(という風にわたしには見える)がレポートしたBBCの政治レポート問題提起番組を見た。

内容は、現在、18歳であるU.K.の参政権を16歳の子どもたち(という風にわたしには見える)が16歳に引き下げよ、と訴える、という内容。

16歳で猛勉強している子ども、16歳で無職の子ども、16歳で働いていて20%もの所得税を取られている子ども、他の事例として16歳で知的障害のある子ども、20年永住してやっと参政権を得られたブラジル系移民の50代の女性などとともに、U.K.とは独立した自治体系を持つマン島が紹介された。

マン島は、世界で最初に女性参政権を与えた「国」と言っていて(※)、参政権が与えられる年齢は16歳である。
日本の20歳からよりも大幅に早い。

※完全に独立した「国」としてはニュージーランドということになっている。一部地域ということであれば、日本とアメリカが早かった。

参政権の年齢が早い理由として、イギリス圏の変わった教育制度が挙げられると思う。

イギリス圏(ブリテン島と北アイルランド、それにマン島やジャージー島など)15、16歳あたりで、GCSEという統一テスト(しかし、デザインやドラマなどの授業は普段の成果も勘案されるし、一斉に同じ日に試験があるわけではなく、2週間にわたってポツリ、ポツリと試験が行なわれる)を受けることとなっている。
俗にAレベルと呼ばれる単位が取得できると、カレッジ(専門学校や短大のような学校)に行くためのハイスクールに行くことができる。

取得できないとどうなるか。
働くか、職業学校に行くか、試験を受かるまで何年かかかって受け続けるか、何もしないか。

何もしていないティーンズの姿も目立つ。
しかし、NEET(ニート)という言葉はまったく普及していない。なぜなら、それが普通のことだからだ。

で、15歳とか16歳とかで働いていてもしっかり所得税を取られるわけで、マン島の会社でマン島住民ならば10%くらい、マン島で働いていてもUKの会社でUK住民登録のままならば、なんと20%も税金に取られる。週に3万円くらいしか働かないパート、アルバイトでも、6000円も所得税に取られてしまう。日本では源泉されるとしたら5、6%くらいだし、そもそもその低賃金ならば小さい事業主ならば源泉徴収すらしないところもあると思う。物書きでもその程度の収入なら源泉徴収は一律10%だ。

所得税という義務が発生する代わりに、マン島では16歳から参政権という権利も与えられる。ところが、UKでは参政権は18歳からなので、これは不公平だ、と、かの16歳の女優にしてレポーターかつ政治的アクティビストの女の子(引き続き、「女の子」にしか見えない)がその番組でレポートしていた。

参政権を若い年齢に与えるというのは、税徴収の手段の一つなのかもしれない。

そのような番組を見つつ、そういえば、マン島ってバイクとかクルマの運転免許は何歳から取れるの?とあらためて尋ねてみた。

答えは、

バイク→16歳

クルマ→16歳

もうこれはものすごいカルチャーショックであった……。

参政権、16歳。
自動車運転免許、16歳。

「だって、16歳ってまだ子どもじゃん? いろいろと学ぶべき年頃じゃん?」

とか言ってみたけど、日本の高校生にあたる年齢の子どもたち(←しつこいようだが、見た目もまだ子どもにしか見えない)が、学校に行かないのも割と普通で、働かないのも割と普通で、働いているのも割と普通な国にしてみれば、16歳-18歳のほとんどが高校に行って、大学に5割も進学する感覚は互いに理解できないのは無理もない。

16歳で自動車の運転ってば、保険はどうするのだろうか。イギリス圏の保険は日本の比較にならないくらい、べらぼうに高い。100㏄のスクーターの保険が年額、8万円くらいするわけで、その分、彼らは働くのだろうか、親が加入するのだろうか。

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