G-FP2DF1P69Y もて耐顛末その10: 小林ゆきBIKE.blog

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2008.09.22

もて耐顛末その10

もて耐顛末を続けます。少しテンポアップしつつ。

決勝レースでいきなり、第1ライダー→エンジンおかしい、第3ライダー→様子を見に走ってみよう、やっぱりおかしい、第2ライダー(わたし)→とりあえずコースインして慎重に走ってみよう、となり、まだ3周くらいしかしてない我が山麓レーシング。

慎重に走るどころか、走ることもままならない感じになってきた。
今思えば、今年の「今さらニンジャ(GPZ900R)号」のときのように、おかしいと思ったら即止まるべきだったなあ、と反省している。しかし、耐久レースを走っているときは「なんとかピットに戻りたい」などと考えてしまい、なかなか即止まるという思考に至らない。ほんと、反省してます。申し訳ありませんでした、ごめんなさい。

で、130Rあたりで回転数が5000回転くらいをキープするのも難しくなってきた。

予選でエンジンが壊れたときは、回転数が10,000回転あたりから伸びなくなってきて、雰囲気としてはエンジン内部でブレーキがかかったようなそんな感覚だった。
だが、今回はどちらかと言うと、キャブが(いや子ニンジャ250はキャブではなくFIなんですが)ゲフゲフ言っているような、セッティングが合ってないような、ガソリンが行っていないような、「回転合わせないと」という感じのエンジン回らなさ加減だった。

130Rあたりで失速すると、慣らし走行などでのもてぎのローカルルール、右側走行に戻ることが難しい。
コース左側にコースアウトしたくてもコースの切れ目があったかなあという感じ。
慎重に後方確認しつつ、S字でなんとか右側に寄ってみる。エンジンの回転数はスロットルでなんとか5000回転あたりを保っている、という感じ。
このままV字でコースアウトするか、そのまま右側をゆっくり走ってピットにたどり着くか、ああどうしよう……と思っているうちに、V字を通り過ぎてしまった。

こうなると、ヘアピン過ぎてダウンヒルを惰性で下ればピットに戻れるのではないか、という淡い期待が頭をよぎってしまう。ほんと、反省してます、申し訳ありませんでした、ごめんなさい。

そうこうしているうちに、エンジンの右後ろから何やらガシャガシャと異音が発生していることに気づく。130RあたりやS字あたりではそのような音が聴こえてなかった気がするので、今思えば、後から冷静に考えれば、このあたりで急激にエンジンがダメージを食らっていたに違いない。

ま、まずい、とは思ったものの、ヘアピンでは「もうすぐ下り! 下り始めてしまえばなんとかなるかも……」などというレース中にあるまじきセコい考えに取りつかれていた。ほんと反省してます、今後はもう絶対そういうセコいことは考えず潔く諦めます、ごめんなさい。仲間がピットで待っている、という耐久ならではの魔物思考だ。

なんとか裏ストレートに入り、できるだけ右側ギリギリの部分を走ってダウンヒルを下るつもりだった。

しかし、ダウンヒルは看板のあたりまでは微妙に登っている。エンジンはもうぜいぜい言いながら、エンジンの内臓部分ではガラガラ言いながらなんとか保っているという感じ。

と! そのとき。

いったん登り切って下りに差しかかるところで、エンジンの回転数が、すっと軽やかになり、7000回転あたりを指し示した。雰囲気としては、パワーバンドが狭すぎる2ストマシンでセッティングが合わずゲホゲホ言ってたのが、突然スロットル開度と回転数が合って進み始めた、みたいな。いや、ニンジャ250は4ストだし。インジェクションだし。ここからコースが下り始めてるし、と頭の中が混乱する。

などと考えてたのは、今思えばほんの数秒の出来事だったのだと思う。

突然、ふわっと回転数が軽やかになったかと思うと、次の瞬間、

ガキっ!! ギャンっ!!

と何かが折れたような、叩きつけられたような、そんな音がエンジンからして、エンジンストップ。
ま た し て も自分がトドメを刺してしまった。

「今年のもて耐は1周できずに終わった……」

そんなことを思いながら、レッカーを待つ。
エンジンにトドメを刺した場所は、偶然にもコースの切れ目で、すぐにレスキューが車両回収できる場所にあった。

続く。

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