鈴鹿のブリーフィングが年々進化している件
鈴鹿サーキットで行われたアマチュアレース/サンデーレース、Fun&RunのNK-1リミックスクラスに昨年作ったGPZ900Rのレーサー(19万kmニンジャではない)で参加してきました。
もうホント、「参戦」ではなく、「参加」しただけに終わりました。実際には、練習走行3周、予選コースインしてすぐピットイン、という情けない結果、というか結果も出せなかったんですが、事故を誘発してはいけない、何かトラブルの症状が出たらすぐリタイヤしようと決めていたので、なんだか清々しく昼には鈴鹿を後にすることができました。停まってアイドリング状態ではなんともない、というのがやっかいな症状ではありました。
えー、マシントラブルの詳細は対策を煮詰めてからおいおい書くとして。
ここ数年、鈴鹿サーキットで行われるライダーブリーフィングでは、パワーポイント(スライド)で画像やビデオを使って行われています。
これまで、テキストだらけのブリーフィング資料を単に読むだけのような眠い時代が続きましたが、写真や図、動画を見ながらですと、眠くならないし、何が問題なのか、どう対処すればいいのか、とても理解が深まりました。
その内容も年々進化しています。
今年は図がアニメーションになったりとか、レーザーポインターを駆使していたりとか、実際の事故場面のビデオを見せたりなど、気が引き締まるものでした。
今回見せてもらったのは、
6台がオイルに乗って次々に転倒するシーン
ストレートでスローダウンしたマシンに追突するシーン
の2本。
オイルに乗って転倒するシーンは、1台が1コーナーに向けて広範囲にオイルをまいてしまい、まず自分が転倒。そこへオイルに乗って2台が転倒。1台は転倒したマシンにマシンが激突しています。すぐに赤旗が提示されるのですが、また2台がオイルに乗って転倒。ライダーは次々にその場から離れるのですが、そのうち1台はマシンのエンジンがかかっていて、エンジンを停めに戻ると、そのすぐギリギリのところにまた1台飛び込んでくる、という、ちょっと間違えば重大事故につながるものでした。
ストレートでスローダウンしたマシンに追突のシーンに対しては、「タコメーターばかり見ていないで、一般の交通と同じく、前を見て走ること」という注意喚起がなされました。
あと、鈴鹿サーキットの場合、コース際に蛍光オレンジの四角いマークがあるのですが、そこは消火器がある場所だとのこと。そういえば、気にしたことがありませんでした。
もし車両火災が発生した場合、1秒でも早く消化活動できるのはライダー自身なので、怪我がなければ初期消火に協力を、とのことでした。
もちろん、ブリーフィングでは事故の危険性だけを強調するものではなく、ルールやマナーを守って走れば、楽しく走行できる、との話もありました。
最近、鈴鹿以外のレースに参加していないので、よそのサーキットではどうブリーフィングを運用しているのかわからないのですが、鈴鹿のパワーポイントのブリーフィング資料はとてもよく出来ていると思うので、ぜひとも日本全国のサーキットで共有してみたらどうかなと思います。あるいは、ウェブサイトで公開すれば、ライダーが事前に学習できるのではないかと思いました。
筑波サーキットは決勝前やコースイン直前にマシン待機場前でブリーフィングを行いますが、あれはあれで直前の緊張感があっていいかも。
願わくば、こういった事故情報をデータベース化して共有できるようになれば、事故防止につながるのではないかと思います。
例えば、どこそこのサーキットの何コーナーではハイサイド事故が多い。原因は、路面のカントの変わり目でリアが滑りやすく、ついアクセルを戻してハイサイドにつながる、とか。(例:筑波のMCコーナー)
どこそこのサーキットの何コーナーではラインがクロスして接触事故が多い。原因は、コーナーのアプローチの仕方の違いにある、とか。(例:もてぎの最終コーナー)
あと一般的な事故原因も人的に防げることもあるので、先ほどのストレートではタコメーターばかり見ない、とか、そういう情報も参加者にだけ配られるブリーフィング資料だけでなく、MFJのレギュレーションブック的なガイダンスブックを作るなり、ウェブサイトで公開するなりして、情報をどんどん公開したらいいと思います。
今回のレースの審査委員でもあった田村圭二さんと少しお話したのですが、印象的な話がありました。
「借金だけ残って嫌な思いだけ残してレース辞めてしまうより、レースをやってて良かったと思えるような環境にしていきたい」
日本の中だけにとどまらない、なにか大きな枠組みを考えていらっしゃるようであります。
++++++日乗++++++
久々に破天荒へ。改装してから初めてかもしんない。
「おしゃれセット」を注文してみました。
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