GP式ウィニングランは気持ちいい~もてぎのオフィシャルさんはノリがいい
そんなわけで、9月23日にツインリンクもてぎで行われた世界二輪ロードレース選手権 日本グランプリのサポートエキシビジョンレース、レディスレースに参加してきた。
(ツインリンクもてぎのレポートはこちら)
(photo by ともだち)
実は、以前に鈴鹿サーキットで行われた日本GPのサポートレースに参加したこともある。そのときはスーパーNKのガチのレースだった。
今回は、4月に筑波サーキットで行われた第一回全日本レディスロードレースを踏まえて、来年度以降も行いたいむねのアピールもあったと思う。前回参加者を中心に、MFJロードレースアカデミーに通っている女子中学生二人と、タレントのクリステル・チアリさん、そして先導役も兼ねての丸山美由紀ちゃん、総勢11名が集まった。
アカデミーの子ども(失敬)が出ると聞き、こりゃ体重で勝ち目はないな、と悟った。レース当日までコソ練もできないので、せめてもの努力として、ビリーズブートキャンプに入隊。1週間で体重2kg、体脂肪率を13%まで絞ってみた。とか書くとストイックみたいだけど、実はネタ程度にしか思ってない。自分なりのギャグ。
前回同様、マシンはもてぎで行われているジュニア養成スクール、ロードレースアカデミーの車両が貸与された。車種はホンダCBR150。フルサイズだが非力具合が入門レースにはピッタリのマシンである。
日本GPでレディスレースに参加しませんかと案内が来たのは8月のこと。ずいぶん急なことなので、たぶん急に決まったのだろう。
参加費は保険料の3000円のみ。今回はもてぎのライセンスは関係ないとのことで、別に3000円払う必要があったわけだが、エキシビジョンとのことで「レースじゃありませんから!」と再三、ブリーフィングで念を押された。3000円はレースじゃない方の保険料設定なのではないか。
当日は南ゲートウエルカムセンターでモトGPのクレデンシャルを受け取り、選手は東コースパドックに集合。
10時半から第一回目のブリーフィングが開始、丸山選手が本日の手順を解説した。
そのあと、実車を前にポジション合わせなどしたのだが、メカニックもMFJから派遣され、自分でマシンをいじることは許されなかった。
なので、せめてもの抵抗(?)で、フロントタイヤのタイヤカスを剥がす努力はしてみる。タイヤが細く非力なマシンなので、タイヤカスの凸凹は直進安定性に影響し、最高速にも影響がでるのではないかと思ったからだ。なーんて、実は気のせいなのかもしれないけど、ま、やれることはやっておきましょう、ってことで。
2回目のブリーフィングでは五百部さんが本日特別の注意事項を伝達。その日は朝から小雨模様で、3日間のGPの走行でタイヤカスが路面に貼りついていて、晴れてればびっくりするくらいグリップするし、雨だとオイルかと思うくらい滑る、と言われる。さらに、ショートカット路は普段は使っていないコースなので、全日本を走っているライダーでさえもとまどうほどの路面状況の違いがあるから、くれぐれも気をつけるようにと念を押される。
レースもどきは1.4kmの西コースを使った。西コースというのは普段、ほぼ使われていないコースで、通常3コーナーは左コーナーとなるところを、右に折れ、S字を走って最終ビクトリーコーナーに合流する。
ここを走った人は今回まずいないと思われ、レースもどきの前に完熟走行3周、レースもどきの前にサイティングラップ1周が設けられた。
レースもどき自体は3周だが、スタートのレッドシグナルも、ゴールのチェッカーフラッグもモトGP同様の方式で行われた。
レッド消灯、スタート! 今回もまたスタートはばっちり。4番手スタートから1コーナーは3位で飛び込む。
2004年にドゥカティ999でもて耐に出たとき以来なので、実に3年ぶりのもてぎの走行。1コーナーってこんなに膨らむんだったっけ、とか思いながら1、2位に食らいついていく。
2回目のブリーフィングで五百部さんが「あくまでレースじゃありませんから! でもレースっぽく真剣に走ってください」と言っていたけど、どの程度の加減をしたらよいのやら。なので、いつも通り転ばない程度に全力で走ることにする。とは言え、3コーナーからビクトリーまでのショートカット路はなんと「追い越し禁止」。なんだかなー。と思ったら、ここで前方に追いつくことが判明。レースはわずか3周だが2周目も前車にぴったり付いていくことができた。
そして3周目。2コーナーからのストレートで前車のスリップストリームに入る。小さいマシン、非力なマシンだけに、スリップストリームの威力を大きく実感。気持ちよく抜かさせていただいたあと、最終コーナー明けて、今度は美由紀ちゃんのスリップにも入れた。
そしてそしてなんと! トップでチェッカーを受けたのでありました。
さて。
物語はそこから始まる。
チェッカーを受けたあと、各ポストのオフィシャルさんたちが、激しくフラッグを振りながら、コース際まで走り出してきたのだ。
これぞ世界GP方式の祝福。
1コーナー向こう側のオフィシャルさんなんて、まるで自分に向かって飛び出してくるみたいで、迫力すら感じた。
8の字に揺れるフラッグは全てのフラッグを持ち出しているので、色とりどり。オイルフラッグやオレンジボールに一瞬ビビリながらも、
「ああ、世界GPで勝つって、こういうことなのねー」
と感動。
本来、各ポストにお礼で手を振りながら走るのだが、この日は、「手を振るのは禁止」とのことで、頭を下げながら走る。なんだかなー。ノリノリのもてぎのオフィシャルさんたちに感激しつつ、手を振り返せないので申し訳なさでいっぱい。
よっぽど事故を恐れていたのだろうが、三宅島もその勢いでやれば問題ないのになー、転ばないのが前提の走行だってあるよなー、ウィニングランとはいえコース際に人が出てくるのはいいのかでもサーキットだし世界選手権だからなー信用されているというわけかー、とか思いながら走る。
エキシビジョンなので、表彰は行わなかったが、世界GPのポーディアム(表彰台)で記念撮影が行われた。シャンパンくさかったのがなかなか気分。
参加した女子ライダーと話をすると、みんな女子レースは今後も続けて欲しいと言う。
当面は男子も女子も含めて新規参加者開拓の客寄せパンダでもいいのではないか。本格的スポーツとして行うにはまだまだやるべきことが多いはずだ。その点の考察についてはまた次回。
++++++日乗++++++
水戸ICまで2時間。そこから横浜まで3時間。鈴鹿から帰るのと変わらないよぉ。
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