メイキング・オブ『ぶらりデイトナひとり旅』
私の4冊めの文庫本、『ぶらりデイトナひとり旅』の発売日から約2週間が発ちました。そろそろ全国の書店に並んだのではないでしょうか。
デイトナのことを書こうと思ったのは、『バイクの島、マン島』を書いていたころからでした。まだまだ本にまとめたい話はほかにもたくさんあるのですが、世界最大のバイクのお祭りデイトナバイクウィークもその一つでした。
マン島本が出て、次のテーマはデイトナと決まり、担当編集者のキャプテンとリカちゃんと何度か打ち合わせを重ねました。りかちゃんに背中を押されて2005年3月のデイトナに意気揚々と向かい、おととし2005年の夏、マン島滞在2か月の間にデイトナのことを一度は書き上げたのですが…。
帰ってきて読み返したら、こりゃダメだ……と封印することに。なんというか、説明臭くて生き生きとしてなかった、というのが反省点でした。
デイトナで知り合ったTTライダー、ジェフが2005年マンクスグランプリのアクシデントでもう会えなくなってしまったことも関係していたかもしれません。
あるいは?
もしかして自分自身が楽しんでいなかったのでは? と顧みて、締め切りまで猶予を頂き、本のため、というより、自分のためにもう一度、デイトナの旅を仕切り直してみることにしました。
それで、2006年のデイトナバイクウィークは、原点に戻って、宿は一人でビーチ沿いの安モーテルへ。黒人さんのグループと仲良くなりました。サーキットでのプレスパスは申請せず、雑誌のための取材は入れず、朝はビーチで日焼け、昼はひたすらあちこち走りまわって、ヘルメット持って丸一日各車の試乗バイクで走って、夜は毎晩メインストリートに繰り出して……。そんな一週間を送ってみました。
そもそも私が知りたかったのは、バイクウィークを楽しむために来ているバイカーの気持ちではなかったのか。
おぼろげながら焦点が定まってきました。
それで、仕切り直したプロットを持って相談しに行くと、格段に忙しくなったリカちゃんに代わって、新人ひでちゃんが担当することになりました。
このオトコは私が言うのもなんだが、スゴイ。じゃ連絡入れます、と言うと必ず連絡してくるマメマメしい人。普段からそうならとってもモテるんじゃないか。とブログ上でからかってみたりなんかして。皆さんどうぞかわいがってやってください。と茶化すのはここまでにするとして。担当になってから校了まで、なんと彼は毎日必ず連絡をくれました。それで去年の11月からブーストかけることができました。
それに心強かったのは3秒で判断を下すオトコ、キャプテン。
おかげさまで最後の最後に踏ん張ることができ、本ができあがりました。
涙涙のBMW横井さんのくだり、ニューヨークでの台湾人エリカとの珍道中、日本人プライベーターの200マイル参戦などなど、書き加えたかったけど泣く泣く削ったエピソードもたくさんあります。いつの日かそれはそれでまたまとめられればいいなと思ってます。
さてさて、今年のデイトナバイクウィーク。初めて行ったとき以来の4泊5日という短い滞在でした。
そもそも今年3月は前々からマン島に来ることに決めていたので、デイトナ行きは諦めていたんです。けれども、これまで貯めに貯めたマイレージで世界一周チケットが取れることがわかり、日本~デイトナ~マン島~日本という旅程を組みました。
今年のデイトナの旅の目的は出来上がった本を登場人物に渡すことでした。
私のラッキーナンバーは「36」(=山の麓(ふもと)=山麓(サンロク)ですが、不思議なご縁で、今回の本のエイ文庫の通しナンバーは136番。さらに不思議なことに、中のコンテンツのタイトルに使った写真が偶然ヤマハのゼッケン136番でした。で、その136番さんに無事渡せました。
さらに、新車で買ったTD3で31年間レースをしていて初めて勝った!というジョージ・テイラーさんにも渡すことができました。彼はすでに70歳近いですが、今回もガンガンバンクを攻めて2位か3位になってました。
さらにさらに、インディアンで83歳のアル・ナップを目指す!と言うナゾのインディアンフリーク、ドク・バツラーさんにも渡すことができ、お返しに「ワールド・フェイマス・キャベツ・パッチ」(コールスローレスリング)のTシャツを頂いてしまいました。
ってな感じの今年のデイトナバイクウィークでしたが、正直、やっぱりバイクで走らないとなぁ。。と思ったのも事実でありまして。
再び、私の中のデイトナの旅は仕切り直しになるかもしれません。
皆様のブログやサイトでご紹介いただいています。ありがとうございます。(順不同)
ジャーナリスト米田俊さんのブログ。大昔、新宿7丁目にあった出版社で出会ったのがご縁です。
あー、しかしホント、アメリカのビッグイベントってめっちゃ楽しいんだよねー。最後に行ったのって、Renoのヒコーキのイベントが最後だなあ。いつだっけ、97年だからもう10年前やんか。うひゃー。小林さんのおかげで、禁断症状出ちゃいそうだわ
古くはグースのMS-1レーサーでお世話になってました。永遠の心の師匠です。
近年は、ハーレーダビッドソンのためのバイクウイークという意味合いが強いようですが、特に思い入れが強いわけではない(ハーレーに対して)小林さんの視点では、冷静に分析しているところが印象的です。 ピンク!のストリームライン・ホテルでの出来事は、思い出深い事であるようで、ワタシも小説や映画のようなことが現実に起こるのだと・・・。
元ホットバイクジャパン編集長にして作家でもある大先輩、池田伸さんのブログ。
ハーレー乗りではない女の子のレポートとして、とても面白かった
トップテンチャートやなんかで登場させていただいてます。
アメリカのデイトナに何万人ものバイカーを集めて行なわれる一大イベント「デイトナバイクウィーク」の、そこでしか味わえないバイク好きたちとの交流が綴られた1冊だ
++++++日乗++++++
マン島、今日は約8度。曇りときどき晴れ。思ったほど寒くありません。週末はロンドン・ブリストル・パイオニアランという1930年より前のバイクが走るイベントを観に行ってきます。
| 固定リンク | 0
「スポーツ」カテゴリの記事
- マン島TTとは、いかなるレースなのか。~2013公式DVDライナーノーツより(2021.07.04)
- サーキットの入場料を一覧にしてみた(2018.05.11)
- 【お知らせ】5月6日スパにしサーキットスクールはレディスクラスも開催!(2018.04.10)
- 日本のMFJはFIMと違って引き続き「ロードレース」の呼称を使用(2016.01.15)
- FIMから“ロードレース Road Race”の文字が消えた(2016.01.14)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 【掲載情報】世界最古のバイクの公道レース「マン島TTレース」が今年も開催 2024年5月27日から(バイクのニュース)by小林ゆき(2024.05.29)
- 今年もマン島TTレースを取材しにきています(2024.05.26)
- 『週刊新潮』(2023年9/28号)の原付関連記事にコメントが掲載されました(2023.09.25)
- 「サンデーGX」連載中の『ジャジャ』(えのあきら先生)に小林ゆき撮影の写真が!!(2022.10.17)
- 【記事寄稿のお知らせ】バイクのニュースで「マン島TTトラベリング・マーシャル」について書きました(2022.07.11)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- チェストプロテクターの説明が難しかった話(2024.09.11)
- 「Kommonちゃんねる」に近況報告動画をupします(2024.09.04)
- 【Youtube】Kommonちゃんねる に「Vストローム250SX 試乗会の帰りに夏の思い出を語る」をupしました!(2023.10.01)
- 2023年もマン島TTレースの記事は「バイクのニュース」(&ヤフーニュース)に寄稿します(2023.05.30)
- 優良二輪車安全運転特別指導員として表彰されました(2023.04.16)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 今年もマン島TTレースを取材しにきています(2024.05.26)
- 2月17日(土)ゆきズムじゃんぼりーvol.7 開催! ゲストは山口良一さんです(2024.01.21)
- 8月12日(土)13日(日) The Kommonsライブ・ゆきズムin北海道2023 &Kommonうでわマルシェ(2023.08.02)
- 2023年2月18日(土) ゆきズムじゃんぼりーvol.6開催のお知らせ(2023.01.28)
- 11/13(日) バイク弁当(埼玉県小鹿野町)さんにKommonうでわで行きます!(2022.11.07)
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 【掲載情報】世界最古のバイクの公道レース「マン島TTレース」が今年も開催 2024年5月27日から(バイクのニュース)by小林ゆき(2024.05.29)
- 今年もマン島TTレースを取材しにきています(2024.05.26)
- 12月9日(土)10日(日)はバイク弁当さんにてイベント! 水野涼選手のトークショーもあります(2023.12.06)
- 8月12日(土)13日(日) The Kommonsライブ・ゆきズムin北海道2023 &Kommonうでわマルシェ(2023.08.02)
- 2023年もマン島TTレースの記事は「バイクのニュース」(&ヤフーニュース)に寄稿します(2023.05.30)
「09.バイクイベント」カテゴリの記事
- 9月15日(日)バイク女子部ミーティング-バイカーズパラダイス南箱根 「Kommonうでわ」で出店します!(2024.09.13)
- 今年もマン島TTレースを取材しにきています(2024.05.26)
- 2月17日(土)ゆきズムじゃんぼりーvol.7 開催! ゲストは山口良一さんです(2024.01.21)
- 12月9日(土)10日(日)はバイク弁当さんにてイベント! 水野涼選手のトークショーもあります(2023.12.06)
- 【11月3日(金・祝)】『バイク基礎レッスン』開講します! inさいたまファインモータースクール指扇(2023.10.03)
「22.デイトナバイクウィーク」カテゴリの記事
- レース撤退のメタファーと参戦目的の複雑性(2008.12.17)
- 海外でレースするときの保険(2008.02.27)
- 2008年主要バイクカレンダー(2008.01.03)
- 2007 ゆっきーの×と○(2007.12.30)
「12.モータースポーツ」カテゴリの記事
- 【掲載情報】世界最古のバイクの公道レース「マン島TTレース」が今年も開催 2024年5月27日から(バイクのニュース)by小林ゆき(2024.05.29)
- 今年もマン島TTレースを取材しにきています(2024.05.26)
- 12月9日(土)10日(日)はバイク弁当さんにてイベント! 水野涼選手のトークショーもあります(2023.12.06)
- 【Youtube】Kommonちゃんねる に「Vストローム250SX 試乗会の帰りに夏の思い出を語る」をupしました!(2023.10.01)
- 2023年もマン島TTレースの記事は「バイクのニュース」(&ヤフーニュース)に寄稿します(2023.05.30)
「01.バイク」カテゴリの記事
- 9月15日(日)バイク女子部ミーティング-バイカーズパラダイス南箱根 「Kommonうでわ」で出店します!(2024.09.13)
- チェストプロテクターの説明が難しかった話(2024.09.11)
- 「Kommonちゃんねる」に近況報告動画をupします(2024.09.04)
- 【掲載情報】世界最古のバイクの公道レース「マン島TTレース」が今年も開催 2024年5月27日から(バイクのニュース)by小林ゆき(2024.05.29)
- 今年もマン島TTレースを取材しにきています(2024.05.26)
「16.ツーリング」カテゴリの記事
- チェストプロテクターの説明が難しかった話(2024.09.11)
- 12月9日(土)10日(日)はバイク弁当さんにてイベント! 水野涼選手のトークショーもあります(2023.12.06)
- 【Youtube】Kommonちゃんねる に「Vストローム250SX 試乗会の帰りに夏の思い出を語る」をupしました!(2023.10.01)
- 8月12日(土)13日(日) The Kommonsライブ・ゆきズムin北海道2023 &Kommonうでわマルシェ(2023.08.02)
- 11/13(日) バイク弁当(埼玉県小鹿野町)さんにKommonうでわで行きます!(2022.11.07)
コメント