新騒音規制のパブコメ募集中
今朝の朝日新聞朝刊1面にも記事になっていた通り、国土交通省は道路運送車両法施行規則等関係規則(自動車騒音関係)の一部改正に係るパブリックコメントを募集している。
何について国民の意見を募っているか要約すると、
1)アフターパーツのマフラーの騒音規制を、純正並みに厳しくする。
2)アフターパーツそのものを認証制にする。
3)新規や継続検査など車検時にアフターパーツマフラーの構造が容易に取り外せない、または分解できない構造であることとする。(例:溶接やリベット留めの義務化を検討)
以上の点。
論点、問題点については、
培倶人編集長ノムさんのFrom Nomあたりにくわしい。
ピストンさんの指摘する問題点。
これが実際に騒音問題の早期の解決になるかは大きな疑問今までは新規検査でも近接排気騒音の基準を満たせば良かった並行輸入車(逆輸入含む)やマフラーを社外品に交換した使用過程車も、新車の型式指定の基準と同じレベルの全ての騒音基準を求められることになる。
近接排気騒音しか簡便に測定できなかったグレーゾーンの廃止?本来ならISO規格路面の施設は埼玉県熊谷市の交通公害研究所のみ?
軽2輪車は車検対象外ですから、装置型式指定制度も対象外なのですね。
都内や横浜などは思いもよらぬ駐禁問題でビッグスクーターの騒音問題が収束しつつあるとのことですが、今回の改正のきっかけの中核はビッグスクーターであることを考えると疑問があります。
改正の目玉の装置型式指定制度にマフラーを対象とするも、軽2輪を見送りでは・・・・。
ノムさんの指摘する問題点。
もうひとつの大きな問題は、ヨーロッパやアメリカでは法に則って販売されている輸入車や逆輸入車までが違法となり、日本では購入できなくなる可能性もあることです。日本と欧米の騒音基準は現状でもかなり異なっていて(日本は世界一騒音規制の厳しい国です)、現行の規制なら販売できる輸入車でも、新規制が導入された途端に違法になってしまいます。
違法マフラーと、騒音規制をクリアしながら性能向上に励んでいる適法マフラー(さらに、輸入車・逆輸入車)を同じ俎上に置き、すべてに網をかけようとしている。あまりにも拙速で、その規制による効果を熟考したものとは思えない内容なのです。
本ブログでは前々から道交法や道路車両運送法のアメとムチ政策について言及しているが、今回の“ムチ”は、2004年7月に指摘した「二輪も馬力規制撤廃か?」のアメに対応したものかもしれない。
騒音規制だけでなく、排ガス規制や燃費向上義務も課せられる予定なので、どっちみち、馬力は規制しなくても排ガス規制や燃費向上を達成するためには馬力は上がらないってことか。
ヨーロッパのあるマフラーメーカーは、年間100万本以上のマフラーを製造しているといい、その国の輸出産業として国が他国への売り込みに力を入れているほど。
現在、オートバイは日本の重要な輸出産業なわけなので、アフターパーツメーカーも十分な製品力(=性能+コスト)を持たせた上で世界最高性能最低騒音のマフラーとして国策で輸出をも睨んだ産業育成につなげる、ってのは壮大過ぎる話なのかどうか。
だいたいそもそも取り締まりやってないじゃん、十把一絡げに規制するってかつての三ナイみたいに後ろ向きな、ってのが今回の問題点のまとめ、かな、と。
++++++日乗++++++
アメとムチ、ヒデマロはローソク。
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コメント
結構論点が噛み合って無い所が面白いですね。
カリフォルニアは他の49州で売れる車やバイクが売れないなんてことも有りますし、EUの安全規格は日本の家電が適合に苦慮する事でも有名です。"ノムさんの懸念"は産業界では通用しないでしょうね。
パブコメから6ヶ月で施行って言うのも業界の反発が無いって見越してる証しだと思うんだけれどどうなんでしょう?
何か、ライダー側が状況が把握出来無すぎ・・・って雑誌等のバイク関連メディアの責任も有りそうな気がするなぁ・・・とイキナリ苦言ですみません。でももう少しポジティブに捕らえられないのかなぁ?と思う次第です。
投稿: US05_1200R | 2007.01.10 02:41
騒音規制で最も効果的な街頭取り締まりについては、今回の規制では取り締まりはやりやすくなるので、その点は評価できます。実際に取り締まるかどうかは警察の気分次第ですが。
個人的に気になっているのは、構造が現在の一般的なノーマルマフラーのままでも良いのかどうかです。アフターパーツに交換するわけではなくても、サイレンサー取り外し不可になると色々と不都合が多いので。
投稿: JDR | 2007.01.11 02:24