第一回モトルネ筑波の成果と課題
さる2006年11月26日(日)に、第一回モトルネッサンスin筑波が筑波サーキットにて開催された。
モト・ルネッサンスは旧・TIサーキット英田、現・岡山国際サーキットで開催されている草レース(アマチュア・レース、サンデーレース)。約10年の歴史があり、そのレギュレーションやクラス構成は関東や鈴鹿で開催されていた草レースを手本に、参加者本意で作られていった経緯がある。
ここ数年、筑波サーキットで行なわれていた草レースの開催カレンダーには異変が起きていた。詳しくは昨年書いた「モトルネの関東開催に期待すること」に詳しく述べたが、開催主催者の世代交替問題、筑波サーキットの運営の厳格化(財団法人の立場による機会均等、公益の均等化のための使用希望日のくじ引きや、使用料の厳格徴収など)、開催クラスの疲弊(カテゴリーによってマシンが古くなってメンテナンス困難になったり、入手困難により新規参入ができない)などの問題があって、そもそもイベントレース自体の開催さえ危ぶまれているものもある。もはや、カテゴリーをちょっといじっただけでは対応できないのだ。
そんな現状を踏まえつつ、関東開催を目指したモトルネは、昨年11月に「お試し走行会」を実施した。意見交換会も実施し、それを踏まえてこのたび、第一回モトルネin筑波がめでたく開催された。
当日はどんよりと曇って寒いあいにくの天気だったが、パドックで会う人会う人言っていたのはこんな言葉。
「筑波のパドックがこんなに埋まったのは久しぶりだね~」
「賑やかなのはやっぱりいいね~」
ピット側のチームテントスペースはもちろん、ウォーミングアップ場からタイヤサービス、ドラサロまで、出店数は実に35店、ぎっちり埋まった。
また、今回は一参加者に対して4枚の入場招待券が配布され、参加者の関係者や友人、家族らが多数訪れるきっかけを作っていたように思う。これまで筑波の草レースの場合、ヘルパー用のクレデンシャルが数枚配られたが、これはあくまで当日受付をしてからもらえるもので、受け渡しをどうするかが問題だった。けれども、事前に招待券を配布することで、参加者自身が知人に事前に配ることができ、これが来場者数を増やしていた要因だったと思う。
実際、グランドスタンドは全日本ほど満席というわけではなかったものの、そこそこ埋まり、1ヘアのスタンドもけっこう埋まっていた。
目を引いたのは、「上田宗箇流」の野点会場である。これは出陣(レース)前のひとときを武家茶でもてなすという趣旨で開設されたもので、お着物姿の女性がお抹茶を振る舞い、大会に華を添えていた。
このような大がかりな趣向は決して採算が取れるようなものではないが、これを経験した参加者や来場者の心には深く刻まれ、「モトルネ面白かった」「また来たい」と思わせるにくい演出であったと思う。
驚いたのはスタッフが観光バスでやってきていたことだった。もともと岡山に本拠地がある主催者だけに、関東開催は現地スタッフだけではなかなか円滑に運営できないだろうし、それならば手練のスタッフを連れて行ったほうが得策、と考えてのことだろう。しかし、これも毎回毎回、観光バスで動員するわけにもいかないだろうから、これからはどのようにスタッフを確保し、育成していくかが課題となるだろう。
もう一つ課題として挙げられるのは、やはり開催クラスの問題である。筑波で行なわれてきた草レースは、BOTT(シングル・ツイン系)、タイムトンネル(ビンテージ系)、TOF(旧車・4発系)など、参加者も来場者もはっきりとカラーが分かれていたように思う。そのカラーこそがそのイベントレースの面白さでもあったわけだ。
岡国のモトルネの場合は、その全部が混ざってバイクの運動会的要素があったが、果たしてそれが関東人の気質に合うかどうか。
また、今回の賑わいは、関西以西からの参加や出店もあってのことだった。これはもちろん、第一回目の御祝儀参加、御祝儀出店であったことは否めない。課題は第二回目以降もこの賑わいを維持できるかどうか。
参加した人、観戦しに来た人は、きっと楽しい思いを感じてくれたに違いないので、あとは運営いかんでリピーターが付くかどうかにかかっていると思われる。
とはいうものの、第一回モトルネ筑波が大成功だったことは間違いない。
なんとかして次回のモトルネ筑波にはちゃんと自分のマシンで出場したいと思います。
SAMURAIクラスにGPZ900Rでエントリーしていたのに、なぜかドリーム50Rでフィフティーズに出場しました。
1位は元クラブマン編集長の田口さん。というわけで、クラブマン勢でワンツーとなりました。
シャンパンファイトのとき田口さんに「オレたち振らないで飲もうぜぃ」と耳打ちされたため、栓だけ開けましたが、元上司にシャンパンファイトを浴びせるだなんてとてもとても。なんつって。
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