G-FP2DF1P69Y 次はやっぱりミニモト?: 小林ゆきBIKE.blog

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2006.10.19

次はやっぱりミニモト?

10年以上、ケルン・ミュンヘン・パリ・ミラノなどヨーロッパの国際モーターサイクルショーに通っている。すると、明確にその年のトレンドが見えてくる。

1998年ごろからはっきり傾向があったのは、スーパースポーツブームだ。ブームはすでに収束し、2006年の今まで、さまざまな大小のブームがあった。

たとえば、2001年ごろはスクーターブーム。これは、ヨーロッパの主な国々で自動車免許で125㏄までのバイクにも乗れる規制撤廃が行なわれたため。125㏄までのスクーターはもちろん、その流れで250㏄やそれ以上のビッグスクーターがこぞって開発・発売された。

その後、H-Dの台頭が明確になってBMWや日本メーカーが追従する形でクルーザー(アメリカン)のブームも来る一方、スーパースポーツは軽量化・超ハイパワーの開発合戦が続く。

クルーザーやスーパースポーツで従来のバイク乗りを満足させると、次に来たのは2003年ごろのスーパーモタードブームだった。それこそ、どこのブースに行ってもイメージモデルがモタードになっちゃうほど、どこに行ってもモタード、モタード、モタード。しかし、オフロード車ベースのモタードはヨーロッパの街でさほど普及することなくブームは小休止、というより、モータースポーツ(ただし観戦)としては定着して今に至る、とわたしは見ている。

昨年2005年のトレンドは、たとえばスズキGSRやカワサキERシリーズなどに代表される、“ネオ・ネイキッド”とでも言うべき丸目ヘッドライトではない現代的なデザインのネイキッドだった。

それでは今年2006年のトレンドは何だったか。はっきり言っちゃうと、それはミドル・レンジであったと思う。要するに、スーパースポーツはもう一般ユーザーの手にはひと通り渡り切ってしまったということだ。次に獲得すべきはビギナーや女性だから、ヨーロッパにおけるミドルレンジ、600㏄クラスが充実してくるのは当然の帰結なのかもしれない。

こんな風に見ていると、次に来るのはナニか? という命題だが、アメリカではすでにブームになっているというミニモトが来るだろう、とあえて予言。ハズレたらごめんなさい。
♯ここでのミニモトの定義は、4ストローク125㏄以下のバイクとしておく。

とある情報によると、不二雄さんもミニモトに夢中、らしい。ニッポンが世界に誇るマフラー・レーシングパーツメーカーが本気を出すときっと面白いことになると思う。

問題は、ヨーロッパは公道におけるバイク文化は成熟しているが、一般人がモータースポーツに慣れ親しんでいるかというと日本ほどでもない、ということだ。日本の方が実は簡単にモータースポーツの扉を開けることができるのだ。
ヨーロッパにおいてモータースポーツ観戦人口が多いのに、参戦人口がさほどでもない理由として考えられるのは、

1.ヨーロッパにおけるバイクユーザーの中心は50歳以上であり、なかなか自分自身がサーキットに挑戦しようとは思わない。
2.そもそもサーキットが日本に比べて少ない。
3.日本よりバイクの値段や税金が高い。

こんなところか。
しかし、もっともネックなのは、現在の日本のミニモトブームはもてぎのDE耐や鈴鹿のMini MOTO耐久などレースが牽引役になっている、ということだ。決して、街乗りの利便性からブームが生まれたわけではない。

そう考えると、ヨーロッパでミニモト系レースがブームになっているかというとそうでもないので、ここは一つ、来年秋に開催見込みの三宅島TTレースでは、開催クラスをミニモトとし、海外有力ライダーを招致するなどしつつESPNあたりに三宅島復興放映権を売りつけ全世界に配信、ニッポンのミニモトの威力を見せつけて欲しいものだ。
かつて、マン島TTが世界選手権だったとき、日本人で唯一のマン島TT優勝者・伊藤光夫さんを50㏄クラスで生み出したように。

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コメント

始めまして。この構想、面白いですね。
かつての50ccGPを思い起こさせます。
2stが死滅した今、当時の2万うん千回転で走るレーサーが現代の技術で帰ってくるとなれば、考えただけでも面白そうです。
特に小排気量レーサーは日本も得意だがイタリア等優秀な技術を持ったコンストラクターが得意な分野、
ライダーも日本ーイタリア人が活躍しています。
現実化したら世界的に見てもちょっと楽しそうですよ。
モリーニ、デルビ、そしてドカッティ辺りが本気になってきたら見ものですね。

投稿: うた | 2006.10.21 08:47

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