G-FP2DF1P69Y 新救命法ガイドライン[心臓マッサージ30回+人口呼吸2回+AED]: 小林ゆきBIKE.blog

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2006.09.15

新救命法ガイドライン[心臓マッサージ30回+人口呼吸2回+AED]

道端で急に具合が悪くなってしゃがみこんでしまったり、交通事故に遭って路上に倒れたりした場合、一番心強く感じるのは、自分のかたわらに来て「大丈夫ですか」「救急車を呼びましたからもう大丈夫ですよ」と声をかけ続けてもらうことだ。
次に安全な場所に移動してもらうとか、寒ければ何か羽織るものをかけてくれるとか、そういう心遣いがありがたい。

逆に不安を煽るのは、遠巻きに眺める人たちだ。たとえ救急車を呼んでくれたとしても、病院に担ぎ込んでくれたとしてもそばに誰もいてくれないのは、本当に不安に駆られる。誰も助けてくれないんじゃないか、このまま死んでしまうんではないか、そんな不安を感じたりするものだ。

さて。
2006年9月7日(木)の朝日新聞朝刊一面トップにも出ていたが、救命救急の方法のガイドラインが国際基準に合わせて変わることになった。
また、モータースポーツ現場でのレスキュー活動を行なっているモータースポーツ・ライフセービング機構(LSO)からも新ガイドラインについての案内が来たので参考にしてみたい。

これまでは、

人口呼吸2回+心臓マッサージ15回+AED(自動体外式除細動機)3回

だったのが、基本的には

人口呼吸2回+心臓マッサージ30回+人口呼吸2回+AED装着1回
(なお、人工呼吸は省略し、心臓マッサージのみでもよい)

となった。
これは、マウス・トゥ・マウスを躊躇するあまり何もしないとか時間がかかりすぎて心臓マッサージが中断されるより、「心臓マッサージを続ける方が救命効果が高いことがわかってきた」と朝日新聞は報道している。

下図は、『市民が行なう1次救急救命の方法(変更後)』(朝日新聞のグラフ)、『心肺蘇生法とAEDの使用手順(フローチャート(「救急蘇生法の指針」改訂3版より)』(LSOのグラフ)を元に再作成したものです。


反応無し
↓(大声で叫ぶ、119番通報・AED
気道を確保し、呼吸をみる

ふだん通りの息をしているか→(している)→回復体位にして、様子を見守りながら、専門家の到着を待つ
↓(していない)
胸が上がる人口呼吸2回(省略化)

胸骨圧迫(心臓マッサージ)30回+人口呼吸2回をくりかえす(AEDを装着するまで、専門家に引き継ぐまで、または疾病者が動き始めるまで)
圧迫は強く・速く(約100回/分)・絶え間なく
圧迫解除は胸がしっかり戻るまで

AED装着

心電図解析(電気ショックは必要か)→(必要なし)ただちに心肺蘇生を再開5サイクル(2分間)
↓(必要)
ショック1回ただちに心肺蘇生を再開5サイクル(2分間)


ちなみに自動車教習所は教習課程の中に「応急救護」の科目があり、現在は全員必修となっているが、まだ新たな通達は来ておらず、旧来の方法で行なっているという。

話しは変わりますが。

以前にある元友人とクルマに同乗していたときのこと。
高速道路の高架橋下の一般道で信号待ちをしていた。片側3車線の広い道路。
高架橋下なので、中央分離帯は高速道路の太い橋脚部分があって見通しが悪い十字路の交差点であった。
そこを、いわゆる「全赤」つまり信号が全部赤になった瞬間に、われわれから見て右側から一台の自転車が信号を無視して広い道路を横断し始めた。彼は全力で漕いでいたのだが、渡り切る直前に、われわれの車線の一番左側にいたクルマがそれに気付かずに青信号になったので発進し、自転車を跳ねてしまい、自転車の中学生風は5メートルくらい吹っ飛んだ。自転車は前輪がひしゃげ、チェーンがはずれた。
われわれは一部始終見ていたため、私は元友人に「降りて助けに行こう」と声をかけると、「クルマの人がなんとかしてるじゃん、めんどくさいから行こう」と言うのである。
跳ねたクルマのドライバーは一応クルマを留め、何やら自転車の男の子を怒鳴りつけている。自転車の子は恐縮した様子だったが、驚いたのはそのあとだ。
そのクルマのドライバーはそのまま救急車も警察も呼ばないまま、立ち去ったのである。
ほっとけない性格の私は思わずクルマを降りていって、自転車の男の子に駆け寄った。額や肘やヒザを擦りむいた彼に、ケガはない? 運転者はなんて言ってた? 救急車は呼んだって? 彼が言うには「気をつけろっ!」と怒鳴られただけなのだという。
これは立派な救護義務違反、ひき逃げに相当する、と思う。
たいへんだ、ひき逃げだ、とクルマに戻って騒ぐと、元友人は相変わらず冷めた口調で、「こーゆーの関わるのめんどくさいんだよな、もーいこーよー」という。
当時携帯電話を持っていなく、近くに公衆電話もなかったので、通りがかりの交番に駆け込んで、事情を話したところで、われわれにとっての事故処理は終わった。その後、ひき逃げ犯がどうなったのか、はねられた自転車の男の子のケガがどうなったのかはわからない。

話しはそれたけど、自分自身、救命救急のお世話に何度もなったことがあるし、救命救急の現場に居合わせたことも何度もある。見ず知らずの他人に近寄るのはそれだけでストレスだけど、もしそれでその人の気持ちや命が救われるのだとしたら、親やきょうだい、子どもなど肉親と同じように駆け寄って手を握り、肩をさすってあげたいと思う。

それができない人は、単に性格的に冷たいんだろうか。逃げているんだろうか。経験がないだけなんだろうか。そういう人を変えることはできるんだろうか。

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コメント

yukkyさんはじめまして。600乗りの救急隊員です。心肺蘇生の手順は、今までよりも容易になっています。
決して今までのものを否定するわけではないですので、とっさの現場で混乱したら、とりあえずできることをしてください。
心臓マッサージ、人工呼吸の回数は従来どうりでもいいです。要救助者に何かしてあげることが大事ですので。

今日、朝の通勤時間帯に、自転車の中学生が車と衝突しました。
救急車でかけつけると、通りがかりの車の方が何台か止まってくださり、子供を介抱してくれていました。
ありがたいことです。当事者の車のおばさんは電話ばかりしていましたけど。
被害者(特に子供やお年寄り)は、非常に不安になっていますので、救急車が来るまでの間、
励ましたりしてくださるだけでも傷病者は落ち着くことができます。
事故などを目撃したら、できることを何でもいいのでしてあげたいですね。

投稿: 六助 | 2006.09.15 21:55

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