三宅島TTレース実現が一歩前進?
スーペーさんの多いバイク業界に明るいニュースが飛び込んできました。
過日、1年前の石原都知事の発言を記事にしましたが(石原慎太郎東京都知事の三宅島バイクレース誘致構想)、それでハナシが終わったかと思いきや。以下、朝日新聞からの引用です。
三宅島復興へ村が二輪レース構想 提案は石原都知事 2006年01月28日22時40分噴火による全島避難が解除されて2月1日で1年を迎える東京都三宅村が、島の復興策として、世界に通用するオートバイレースの開催を検討している。平野祐康村長は「帰島直後は余裕がなかったが、今年こそ海外のレースを視察して参考にしたい」と話し、夢の実現に向けて一歩を踏み出した。
きっかけは、1年前の石原慎太郎都知事の言葉だった。知事は村長に対し、世界的イベントのオートバイレースで知られる英領マン島を例に挙げて、「三宅島は起伏に富んでおり、腕に自信のあるライダーにとっては魅力のある場所」と提案。村は1年間、夢を温め、来年度予算案でマン島への視察費を計上した。
平野村長は27日に石原知事と会い、応援を要請。石原知事は「レース開催は吸引力になる」と改めて勧め、「三宅島でやらなきゃ八丈島がやると言っている」と村長の背中を押したという。
この記事には一点誤報が混じってます。
×英領マン島
○クラウン・ディペンデンシー(英国王室に属する独立国)のマン島
日本語で言うところの英国とは狭義に、UK(=The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国、略称・連合王国)のことを指すので、英領という言い方は間違いです。なお、広義のイギリス・英国という言い方、地学上のイギリス地方という場合はあながち間違いではありませんが、それでも若干ニュアンスが違うような気がします。まあ、実際に行ってみると、日本人からすればどっちでもいいやという感じではありますが。ほぼイギリスな国ではあります、マン島は。
ところで、もし三宅島TTレースが実現したとしても、車両や観光客のクルマやバイクの輸送はどうするのだろうか。現在、伊豆七島に定期カーフェリーは就航していない。大型客船は就航しているものの、バイクは手積みまたはコンテナ積みとなる。(参考:東海汽船のサイト)しかも、積めるのは250㏄までとなっている。(参考:東海汽船のFAQ)
クルマを運ぶには旅客船会社ではなく海運会社を使うこととなるが(例:伊豆七島海運)、人とクルマを別々に運ぶこととなるため二度手間だ。
マン島の場合、カーフェリーの航路がいくつもあったからこそ、海外からの集客が高くなったという側面がある。(参考:マン島のフェリー会社、スチーム・パケット社のサイト)
三宅島TTレース実現のためには、臨時カーフェリー就航による経済効果も強調すれば、より実現が近づくかもしれない。
もう一つの懸念は、病院施設が三宅島に十分ないことだ。
マン島の場合は、個人の尽力により設立されたノーブルズ病院があり、近年もTT関係者や観客からの寄附で年々、救急医療体制が高いレベルで整っている。
TTレースのときには救急ヘリコプターが活躍し、一周60㎞のコース上どこからでも20分以内に病院まで搬送できる体制をとっている。
三宅島へ救急ヘリを導入するのはたやすいが、そこからどこまで運ぶのか。
カテゴリーの選択肢として、危険度の低さから、トライアル>エンデューロ(またはラリー)>モトクロス>ロードレース、のようなことになるのだろうが、トライアルでさえも死亡事故がまったくないわけではなく、そのあたりも含めて検討が必要であろう。いかん、いかん、スーペー思考さんになってしまった。
しかしながら、モータースポーツのために救急に対するインフラが整えば、日常生活のインフラが整うことにもなる。過去ログの長野県民の民度とドクターヘリに書いたように、長野県ではドクターヘリを騒音で反対する地域もあるんだそうですが。
三宅島の復興は果たして。
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