ETCとクレジットカードの利権
いまさら言うまでもないが、ETCは世界に先駆けてユビキタス社会を実現しようというITS推進という大義名分のもと、さまざまな利権を生み出す装置として普及がはかられた。と私は解釈しているけれども、こんなニュースを見てETCが何の利権のためなのかハッキリわかった。
◆ネクシィーズ、ETC車載器を「月々10円」の24ヶ月払いで提供懸賞キャンペーン方式を中心とした説明型テレマーケティング事業など広告 プロモーション事業を展開するネクシィーズが、ORSEとETC車載器のセット アップ契約を締結し、ETC車載器リース制度支援業務取扱店となった。平成18年1月31日までに5万件の加入者獲得を目指す。
「NEXYZ.カード」の加入を条件に、市場価格12000円程度のETC車載器の初期費用を無料とし、リース料金月々10円の24回払い、総額240円で提供する。但し、セットアップ料金3150円、送料840円、車載器の取付費用は別途必要。リース終了後にETC車載器を返却する必要はなく、ユーザーに譲渡される。(ソース: 自動車ニュース&コラム)
総額240円の支払い額から助成額5250円が割引されるので、どうやったら販売店は儲けを得ることができるのか。
先日、遅ればせながら我が家の自家用車にETCを付けるため、最近始まったETC車載器リース制度を調べてみた。それによれば、
リースまたは割賦販売、またはクレジット販売の契約で、2年以上の期間、且つ2回以上の支払い回数の契約が対象。そこからさらにリース等料金総額から助成額5250円(税込)が割引される
というもの。 「リース」というとリース期間が終わったら返却しなければいけないもの、というように感じるが、今回のorse オルセが発表した制度は分割での購入にも助成金が付くのだという。ますます販売店側にどう儲けが入るのかわからない。
そこでさらに詳しくリース制度を調べてみると、ほとんどの店で「指定クレジットカードに加入」という条件が付けられている。ただし、2005年12月1日前後に更新された全国取扱店のページには加入条件が削除されていて巧妙にその旨は隠されている。
つまり、クレジットカードに顧客を加入させると、販売店側にクレジットカード会社からバックマージンが発生し、それで儲けが発生するという仕組みだ。
このクレジットカードのバックマージン商法は携帯電話加入やかつてのマイライン商法にも似ていて、商品やサービスそのもので儲けを得るのではなく、仲介手数料で儲けを得る、というところがミソだ。そんな折、卵がニワトリを産むような話も出てきた。
晴れて株式会社となった首都高速道路株式会社がバックマージンを得られる首都高カード。
こうして一通りクレジットカードの利権という側面からETCを見てくると、なんとしてでもクレジットカード以外でのETC利用をさせたくない理由がわかる。先日始まったクレジットカードではなくETC料金を支払えるETCパーソナルカードは二重三重に発行をややこしくしている上、年会費1200円まで取られる。
じゃあ利権はんたーい、と叫んでみたところで、前から申し上げている通り、すでにITS政策には10兆円以上もの税金がつぎ込まれている。私の考えとしては、もうETC政策にのっかって少しでも割引を受けた方がいいんじゃないか、と感じている。そのためには、一刻も早く二輪ETC実現と低価格での普及を願いたい。
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