そんなわけで、第2回自民党メルマガ・ブログ作者と党幹部との懇談会に招待されたので自由民主党に行ってきた。念のため宣言しておくと、私は自民党を支持しているのではない。もっと言うとどの政党も支持していない。今回の企画は、ブログ上やインターネット上に“自民党”という言葉を踊らせるだけで自民党としては成功なのかもしれない。というわけで、見事に釣られてるわけですが。
昨日のブログにも書いたように、バイクが駐輪できるかどうかあらかじめ電話で確認しておいた。電話交換手さんはちょっと戸惑ったようだが、「隅の方でしたら」という回答を得られた。もし停められなかったら、東京駅&大手町駅地下・丸の内パークインに停めて地下鉄で移動するか、六本木ヒルズに停めて地下鉄で移動しかないなあ、と諦めかかっていたのでひとまず安心。
実際に自民党本部に行ってみると、駐車場入り口手前に警察の護衛?車両(コースター級のバス)が停まっていて、非常に見通しが悪く危険だった。警察自ら危険を生み出しているとは。同様に帰りもこの警察バスのおかげでたいへん危険だった。
入り口で「メールかなにか持ってますか?」と警備員に聞かれてちょっと困った。もらった案内メールには「名刺をお持ち下さい」とだけあったからだ。どうやら自民党本部に入るには用件だけ言うのではセキュリティが甘いということらしい。
肝心のバイク用駐車場は、クルマ用の一コマをパイロンで区切って、立派な立て看板と共にちゃんと用意されていた。電話交換手さんが戸惑ったのは、バイクでやって来るのにわざわざ駐輪場があるかないか問い合わせる人が少ないからかもしれない。
スーツ姿の若いイケメン二人がいる受付で青いリボンを受け取り、8階の“リバティ2・3号室”へ。ロの字型にテーブルが組まれ、上座には右から世耕弘成・広報部長代理、中には前日党政務調査会長に就任したちょっとデーブ山下さんに似てる中川秀直氏、左には根本匠・広報本部長の3名が並び、下座には自民党関係者と報道関係者、その間に約40名のブログ・メールマガジン・ウエブサイト作者が並んだ。
出席者はGripBlogさんのこの記事に一覧になってますので参照のほどを。
19時開始の約30分前に到着して早めに席に座っていたのだが、見ず知らずの人から「ちょっとよろしいですか、お名刺いただけますか」と言葉尻は丁寧だけれども失礼な名刺交換会が始まった。私は困惑して「あの、どちら様なんですか?」と逆に問う。ビジネス関係のセミナーなんかじゃ、名前も名乗らずに名刺をくれというのは当たり前なんだろうか。中には自己紹介する前にいきなり「トラックバックをしてください」という人まで。トラックバックってそのブログを参照しました、みたいな意味なのであって、お願いされてするものではないのに。せめて、会合が終わってからその人について知った上で興味があったら自分の名前を名乗って自己紹介をして名刺交換するってのが普通なんじゃ?? もちろん、例えばサーキットとかモーターショーなど業界関係者しかいないような場所でどんな人が来てるかわかってるような時はいきなり名刺交換ってのもあるかもしれないけど。人見知りバリアをぶ厚く張っていたけど、何人かはアタックされてきた。あまりに愛想がなかったのは雰囲気に馴染めなかったからです、ごめんなさい。
さて、世耕氏の司会で始まり、根本氏が答えるという形で会が始まる。中川氏は約20分遅れての入場。「それでは質問ある方」と促すものの、こんなとき「ハイっハイっ」っと勢いよく始めから手が挙がるのは小学生だけだ。日本人の美徳として、空気を読みつつ様子をうかがう、という雰囲気がここにも蔓延。私は政策とか福祉とかあんまり興味がないので、とっとと自分の質問を済まそうと思い、2番目での質問となった。
質問したのは以下の2点。3点目もあったのですが、世耕氏の見事な司会っぷりに阻止されました。以下、そのまま読み上げたわけではないですが、だいたいこんな感じという内容です。
(1)高速道路公団が民営化されるまでに二輪車ETCを実現すると言っていたのにいまだにテスト段階していて、ETC機器だけの割引特典を二輪車が受けられなくなっています。(例:スマートICで降りられない、夜間割引、通勤割引など)これにより、場合によっては大型自動車より二輪車の方が料金が高くなってしまう現象が起きていますが、民営化されたとはいえ、道路は公共の福祉のためにあるはずなので、料金に格差が生まれるのはおかしいと思いますが、自民党のみなさんはどうお考えですか?
(2)来年度から駐車違反取締りを民間委託するそうですが、いまだに自動二輪車対象の駐車場関連の法律が整備されていません。駐車場法ではわざわざ二輪車を除外しているし、各自治体の定める自転車・原付に関する条例では自動二輪車(125㏄以上)は除外されていることが多いです。東京都では23区のうちオートバイ用駐車場がある区は16区にすぎません。東京都の自動二輪車保有台数は約60万台。これに対して、駐車可能な台数は約1000台弱で、駐車可能な割合はわずか0.16%に過ぎません。そこで、やむを得ず路上や歩道上に駐車するライダーも少なくありません。停めたくても停める場所がないのです。にも関わらず、違反取締り民間委託で簡単に二輪車も取り締まることができるようになるのは、駐車場法を整備しない国が自ら違反を生み出すようなものに感じますが、自民党のみなさんはどのように考えますか?
これについて根本氏の答えはけっこうトンチンカンな印象があった。二輪車ETCに関連して料金格差については、
「高速道路の料金体系は道路への荷重によって差を付けていますから」
との答え。ならば、そもそも軽自動車と二輪車が同じ金額なのはおかしい、ということになる。しかもETCで割引を受けるとバイクは大型自動車より重い、ということに?? と心の中で嘲う。
ETCについては、
「全加入を目指したい」
とのことだった。なおさら二輪車ETCを早く実現するようにお願いしたいものだ。
二輪車の駐輪場問題については、大店法と勘違いされる場面があった。
さらに、
「法律とは規制のために設けるもの。二輪車は規制する必要がなかったのでは」
とおっしゃられていた。これについては根本氏の言う通りで、おそらく法律が施行された当時は二輪車の路上駐車は社会問題になっていなかったのだろう。しかし、現状は駐車場法で二輪車がわざわざ除外されていることを根拠に二輪お断りとしている駐車場が多い。
私の質問へのまとめとして世耕氏が「たいへん専門的な質問ですね」とおっしゃっていたが、交通問題が専門的とくくられることに少し落胆した。交通社会に対する私の考え方は、「家を一歩出たら交通社会の一員」。つまり、全ての人が生まれた瞬間、交通社会と関わらなければいけない問題なんである。確かにオートバイに偏った質問ではあったが、もう少し道交法や関連法について政治家は知っていてもいいのではないかと感じた。
最後に、世耕氏も根本氏もこの件について共通しておっしゃっていたのは、
「こんな問題があることは、今日初めて知りました。そういった問題があることを政治家に相談するのは正当なロビー活動ですから、どんどん陳情なりして下さい。」(世耕氏)
「二輪車の関係団体ってないんですか」とも聞かれました。一応、NMCA日本二輪車協会と自工会を挙げておきましたが、両団体ともメーカー主導の団体であって、圧力団体として力を持っているトラック協会だとか労連とは性格が異なる。事実上、ライダー自身の団体はないんだなあ、と顧みざるを得なかった。
というわけで、自民党では意見をいつでも受け付けるそうです。インターネットでは自民党にもの申すのページから。
電話でも受け付けていて、民主党と違って留守番電話ではなく人間が話を聞き、内容は紙のデータにしてトップまで声が届く仕組みになっているそうです。
(中川氏のありがたいお話し)
さて、中川氏のありがたいお話しのあと、引き続き質疑応答があったのだが、自民党本部は禁煙ではない。(参考記事)ここリバティ2・3号室にも灰皿が置かれたが、出席者約50名のうちタバコを吸っていたのは中川氏と1名の招待者だけであった。たまたま私は2名の喫煙者の近くに座っていたのだが、子どもの頃から喉が弱い体質でとても辛かった。
質疑応答の内容については、
・女帝は天皇制崩壊?
・障害者自立支援法について
・候補者の公募制について
・e-JapanからU-Japanへ
・少子化について
・ジェネリック医薬品について
・企業の社会保険未加入問題
などなど多岐に渡った。これについて、参加者側からも「この懇談会はいったい何のため?」との疑問の声も上がったし、世耕氏もブログで書かれている通り、
活発な意見交換となるも、参加者の興味の範囲がばらついており、質問も細かい点が多く、進行に苦労する。次回以降はテーマを絞った方が良いと参加者からの逆提案もあった。
のようなことになっていた。
さて、昨日の懇親会についてすでにいくつかのブログで記事がアップされている。もっともびっくりしたのは、アルファブロガーと呼ばれるガ島通信さんが、当ブログをちょくちょく見ていたと書かれていたこと。恐れ入ります。
最後に弁当問題でやり玉にあがったアイスティ300円+サンドイッチ680円の軽食をありがたくいただかせていただいた。便宜供与問題も問題は問題だけど、サンドイッチ680円という価格設定はすごいなあ、と思いました。
(今回配られたもの:「自由民主」誌、「りぶる」誌、「月刊自由民主」誌、式次第、アイスティ、サンドイッチ)
そうそう、今回わかったこと。政治家とは、知っていることも知らないことも、よどみなくとうとうと語るという技術に長けているんだなあ、ということ。世耕さんの語りは本当にスゴい。わかりやすい。スキがない。