マン島の漢字訳と語源
絵文録ことのはさんで、マン島の中国語漢字訳について書かれていた。
バイクや猫、切手、コイン、金融、鉄道関連ではないサイトでマン島が紹介されるのは珍しい。
マン島は萌島だった(筆者注:wikipedia中国語版の引用は略)
冒頭部分を訳すと、「曼島(Isle of ManあるいはMann,香港では萌島、台湾では曼島とし、直接意訳して人島とすることもある)」ということである。広東語で「萌」は「マン」と発音するのでそういう訳でもおかしくない。というか、「萌え」とはまったく関係ない。
どうやら、今話題の(電車男TVが終わった今、もう旬は過ぎた?)「萌え」ネタだったようだ。
ちなみに、現在私が研究テーマとしているマン島ですが、私の研究の中でわかっていることは、マン島=Isle of ManのManの語源はMananan(マナナン)であり、マナナンは「海の神」に由来する、としている文献がほとんど。
A.W.MOORE, M.A. 「THE STORY OF THE ISLE OF MAN」T.FISHER UNWIN , 1902
によれば、
Supposed Origin of the Isle of Man and its Name.--
として紹介されている。かい摘んで粗い訳を書くと、((カッコ)内は筆者注)
「たくさんのストーリーはもっともらしい物語からくるが、いくつかは本当の話もある。(略)これは、マン島伝説に詳しいFinn MacCoole氏の話だが、スコットランドの(伝説上の)巨人(=ジャイアント)が北アイルランドにいたとき、彼に続いて走っていたら彼を捕まえることができなかった。彼は地面に手を付き、石と土を引きちぎって投げた。しかし彼は巨人を逃し、石と土はアイリッシュ海の真ん中に落ち、マン島の形になった。それらはNeagh湖(マン島にある湖)にもなった。私はそれが本当か嘘か言う必要があるとは考えてないけどね! 次にみなさんは島の名前の由来について知りたいでしょう。質問の答えは、アイリッシュのhero(この場合は「神」と訳す?)は、 Manannan -Beg-Mac-y-Leirr(マン島語。マナナン・ベグ・マクリア)“Little-Manannan-son-of-the-Sea”(=小さなマナナン・海の子)と呼ばれ、彼は王であり、すごいマジシャンでもあった。
マン島には伝説に基づく物語が今なお生きている。マン島の国旗の三本足の紋章(three legsまたはトリスキール)については、そもそもケルト文化の流入と関係が深く、オリジナルは南イタリアや中国でも三本足の紋章が見られるが、マン島の伝説によれば、海の神マナナンがピール城の門番に、寝ずに走り続けよ、と言って足を三本にした、という説などが伝わっている。
アーサー王伝説や、数々のフェアリー(妖精)伝説もたくさんあるし、フェアリーブリッジで妖精に必ず挨拶をしないと悪いことが起きるとか、ネズミという単語をしゃべってはならない、など数々の伝説にまつわるジンクスも伝えられている。
三本足に関係するかしないか解らないが、Manx(マンクス=マン島人)の歯根は3本あるし、尻尾のないマンクスキャットの足の指は普通の猫より一本多いらしい。
いずれにせよ、マン島の由来について海の神説はマンクス側から見た見解であり、言語学者や文化人類学者から見た外側からの見解は、ことのはさんが言っているように、「「孤立」または「水際」がManの語源」という説でおおかた間違いではないだろう。
ではなぜ、マンクスはこのような伝説に固執するのだろうか。それは、民族復権運動に深く関わってくる、というところまで今回の研究でわかってきた。特に、1980年代以降の比較的最近、民族のアイデンティティの確立のために、マン島特有の伝承・伝説や、マンクス語を大切にしようという運動が盛んになった。
同じように、マン島TTをはじめとするモータースポーツへの取り組み方も、民族復権運動と同等に国の文化的アイデンティティの一つとして重要な位置づけとした。
と、なんだか論文書いてるみたいになってきましたが、マン島が萌え~とかモナーには関係ないのは、ことのはさんと同じ見解であります。
ちなみに、ダグラスの商店街にメイド喫茶があったけど(いわゆるアキバ系のやつじゃないけど、格好は正しくメイドさん)、そこのメイドさんはマチュアなだけでなく愛想が悪かったので萎え~でした。
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