G-FP2DF1P69Y 浜松オート存続の危機に: 小林ゆきBIKE.blog

« 名誉回復に取り組む府とバイク業界を読み替える | トップページ | 車車間通信とか路車間通信とか »

2005.10.11

浜松オート存続の危機に

ちょっと古い話しになりますがとあるブログ経由で知ったので紹介しておきます。
車で旅打ち!Blogさんというブログから。

浜松オートがネット署名運動を開始

サイト運営者のtakayさんは公営ギャンブルファンなので、

駅前や街頭で運動をすれば、当然、ギャンブルを知らなかったり、それどころかギャンブルを毛嫌いしている人にヒットする確率もぐんと高くなるはずですから、効果の面ではちょっと疑問。

と、街頭での署名活動を心配されてらっしゃる。

元記事の毎日新聞の報道によれば、

公営競技は、収益の一部を地方自治体に回すことを目的としており、同オートはこれまで同市に800億円以上を納めてきた。しかし入場者数の減少などから01年からは繰り出し金を出しておらず、03年度からは2年連続の赤字となった。学識者からなる同事業検討委では「存続しても廃止しても大金がかかる」として、廃止の方向で議論が進んでいる。

とされている。
ところで、われわれライダーも多少なりとも恩恵を受けているオートレース。例えば、実状はどうなのか。

オートレース・日本小型自動車振興会の公式サイトはココ
日本語以外に英語・中国語・ポルトガル語・韓国語と五カ国語で展開する豪華なサイトだ。

全国には船橋オート、川口オート、浜松オート、飯塚オート、山陽オート、伊勢崎オートの6オートレース場があって、中でも浜松オートのある浜松市は、言わずと知れた世界的な二輪車メーカーの市。スズキとヤマハ発動機の本社があるだけでなく、ホンダの工場も抱えている一大二輪車産業の都市である。
現在オートレースで使用されているエンジンはスズキのワンメイクとなっている。

かのオートバイ世界グランプリチャンピオンのトゥエルブ・ドーディチ青木治親選手は川口オート所属だし、現在WSBK世界スーパーバイク選手権を闘っているノリック阿部こと阿部典史選手のお父様、シーチャス阿部光雄選手もまた川口オート所属のオートレーサーだ。

オートレース売上金による補助事業は平成17年度は

(2) スポーツを通じ社会性を持つ子供を育てる事業(重点事業)   (N)こども二輪塾 1件に 789千円 (3) モーターサイクルスポーツの啓発普及又はイベントの振興のための事業(重点 事業)   (財)日本モーターサイクルスポーツ協会 1件に 4,275千円

おーっと、MFJに427万円も補助していただいている。
ちなみに、オートバイロードレース世界チャンピオンの原田哲也、坂田和人両選手を輩出した筑波サーキットこと財団法人日本オートスポーツセンターはオートレースの選手育成のためにそもそも作られたものであり、元SMAPの森選手が研修生として筑波にいたときは、およそオートバイレースとは雰囲気の違う追っかけの女性たちが金網に群がっていたという伝説があるが、公共機関で行くことのできない筑波サーキットに彼女たちはどうやって通っていたのやら。筑波界隈のタクシー会社は森君バブルとなったという噂も聞くが。

余計なトリビアはともかく、日本全国に6つしかないオートレース場が1つでも欠けると、モータースポーツへの補助も減るのは目に見えているわけです。それとも浜松市がその分、モータースポーツに目を向けてくれるというのか?
♯1 三重県鈴鹿市のモータースポーツ都市宣言
(参考過去記事:鈴鹿ナンバー実現へ意欲←ちなみに鈴鹿ナンバーは実現することとなった(参考:国土交通省の発表))
♯2 2005年鈴鹿8耐に川口市が自治体として初めてチームのメインスポンサーとして参戦(参考記事:ココとか、検索結果とか)

と、オートレースの概況をなぞったところで、公営競技はどこへ行くさんのブログ(サイト名にさん付けするのもどーかと思うがでもやっぱりさん付け)で「かみ合わない」と題した興味深い論考が。
浜松市のオートレース事業検討委員会が行った市民の意識調査について、

選手会浜松支部の増田晴彦副支部長(吉田町)は、アンケート用紙を手に「構造改革の効果にほとんど触れず、赤字が前提。これでは誰だって廃止した方がいいと感じてしまう」と悲痛な表情を見せる。

いったいぜんたい、どんな学識者が調査票を作ったのだろう。同ブログでは続けて浜松市の都市・市街地整備について嘆く。

ところで、政令指定都市の中でそのような車でしか商業地に行けないようなところはない。タワーレコードが郊外に去ったことで客がそっちになびいているようでは浜松市が仮に政令指定都市になろうともただの田舎の一地方都市でしかないのではないか。

浜松市に、いや浜松駅周辺に1、2泊でも出張したことがある人ならご存じだと思いますが、あの浜松駅の夜の早さったらない。6時にはシャッターが閉まる。いわゆる繁華街は駅から歩いて5分10分かかる。それに好対照なのが東名浜松インターから続くクルマ通り? ディーラー通り? の規模ったら。
「公営競技はどこへ行く」サンも指摘しているけど、浜松駅前(実際には駅前ではない)のアクトタワーという高層ビルは開業してしばらく、まったくテナントが入らない階がいくつもあった。ワンフロアに一つ二つじゃないですよ、フロアごとごっそりゴーストビルになっていたのだった。
浜松市は都市計画とか人の導線を作るのがあまり上手くはない、という印象がある。

わたし自身はギャンブルをしないし興味もないので、公営ギャンブルがいいとか悪いとかいう意見すらないのだけど、MFJや地元地方自治体に売上金が流れていると聞けばああそうですか、という程度の感想しかない。
けれども、場所が場所だけに。たまたまホンダ・ヤマハ・スズキがあるのではない。世界一の二輪生産都市(除く中国)でオートレースを廃止するということがどういうことなのか、その影響力を考えると、もうちょっと努力してからでもいいんではないかな、と感想を持った次第で。確かに市民の血税で赤字を補填しちゃマズイですが。

| |

« 名誉回復に取り組む府とバイク業界を読み替える | トップページ | 車車間通信とか路車間通信とか »

スポーツ」カテゴリの記事

ニュース」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

旅行・地域」カテゴリの記事

MFJ」カテゴリの記事

01.バイク」カテゴリの記事

四輪・クルマ」カテゴリの記事

コメント

公営ギャンブルは主に地域のために作られたものだと思いますが、
選手や日本小型自動車振興会、さらにオートレース場で働く浜松市職員は
地域の人の理解を得るための活動を今までやってこなかったのでしょうか。

もしも今まで何もしてこずに廃止の危機になってようやく活動を始めて、
いきなり地域の人に理解と署名を求めてもそんな都合の良い話はありません。
これを機会に他のオートレースも改善されることを望みます。

投稿: CBR250R | 2005.10.11 18:36

一応地元なんですけどね。
開催赤字で場外車券で黒を出すって、それならレース場廃止して場外車券売り場だけ設置すりゃもっと黒って関係者は誰も気がつかないんでしょうか。
もう「改革案」はダメ出しされて、市民に向けて廃止のコンセンサスを得ている状態なんですが。
CBR250Rさんも言っているけど、現市長が就任してから、「オートレースは赤字になったら廃止」ってずーーーーーーと言ってたのに何もしてこなかったくせに、赤字になったら「廃止は困る」って何言ってんのって感じです。

投稿: hiro | 2005.10.11 22:05

署名といえばNMCA日本二輪車協会が二輪車の駐車環境改善を求める(請願)署名を募集していますね。
https://www.nmca.gr.jp/voice/signature_parking.php
既にこのサイトで取り上げられてたらごめんなさい。

投稿: 署名済み | 2005.10.13 12:50

突然すみません、オート存続で検索していたらこちらのブログがヒットしたものですから・・。
自分は今の現状を知る関係者ですが、過去からの経緯を理解していただかないと簡単に結論を出せないと思うのです、CBR250Rさんが言っているのも分かるのですが、関係者は現市長の前から対策を訴えてきました。
今年度は大規模な構造改革を実行して黒字に推移しています、そういう現状は市民にはなかなか伝わっていないと思うのです。この構造改革は全国6場あって成り立つものですから、浜松が廃止となると全体に悪い影響にんることは間違いないと思います。
オートバイ発祥の町からオートレースが無くなってしまうことになったら非常に残念です。
そうならないように皆さんに本当のことを理解してほしいです。

投稿: clubman | 2005.10.28 22:17

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 浜松オート存続の危機に:

» かみ合わない [公営競技はどこへ行く]
東京新聞より「改革の成果が見えたばかりなのに、なぜ廃止を急ぐのか」−。浜松市のオートレース事業の存廃を議論している検討委員会の行方に、レースに出場する選手たちが揺れている。浜松オートは二年連続赤字となったが、本年度から業界をあげて構造改革に着手したばかり... [続きを読む]

受信: 2005.10.12 17:11

» 今週号の「SPA!」に元SMAP森クンがオートレースGI初制覇の話題が [小林ゆきBIKE.blog]
今週号の「SPA!」に元SMAP森クンがオートレースGI初制覇の記事が掲載されてます。 そこになぜかわたしのコメントが。 オートレースの話題とはいえ、一般誌にバイクの話題が出るのはいまだにうれしいもの。 でも、そんなことで嬉しがってちゃ、まだまだバイクはマイノリティなのだなあとも言えるわけで、複雑な気分ではあります。 オートレース界隈の話題でびっくりしたのが、 ・60代の現役選手がゴロゴロいる (... [続きを読む]

受信: 2009.02.05 11:59

« 名誉回復に取り組む府とバイク業界を読み替える | トップページ | 車車間通信とか路車間通信とか »