ちょっと古い話しになりますがとあるブログ経由で知ったので紹介しておきます。
車で旅打ち!Blogさんというブログから。
浜松オートがネット署名運動を開始
サイト運営者のtakayさんは公営ギャンブルファンなので、
駅前や街頭で運動をすれば、当然、ギャンブルを知らなかったり、それどころかギャンブルを毛嫌いしている人にヒットする確率もぐんと高くなるはずですから、効果の面ではちょっと疑問。
と、街頭での署名活動を心配されてらっしゃる。
元記事の毎日新聞の報道によれば、
公営競技は、収益の一部を地方自治体に回すことを目的としており、同オートはこれまで同市に800億円以上を納めてきた。しかし入場者数の減少などから01年からは繰り出し金を出しておらず、03年度からは2年連続の赤字となった。学識者からなる同事業検討委では「存続しても廃止しても大金がかかる」として、廃止の方向で議論が進んでいる。
とされている。
ところで、われわれライダーも多少なりとも恩恵を受けているオートレース。例えば、実状はどうなのか。
オートレース・日本小型自動車振興会の公式サイトはココ。
日本語以外に英語・中国語・ポルトガル語・韓国語と五カ国語で展開する豪華なサイトだ。
全国には船橋オート、川口オート、浜松オート、飯塚オート、山陽オート、伊勢崎オートの6オートレース場があって、中でも浜松オートのある浜松市は、言わずと知れた世界的な二輪車メーカーの市。スズキとヤマハ発動機の本社があるだけでなく、ホンダの工場も抱えている一大二輪車産業の都市である。
現在オートレースで使用されているエンジンはスズキのワンメイクとなっている。
かのオートバイ世界グランプリチャンピオンのトゥエルブ・ドーディチ青木治親選手は川口オート所属だし、現在WSBK世界スーパーバイク選手権を闘っているノリック阿部こと阿部典史選手のお父様、シーチャス阿部光雄選手もまた川口オート所属のオートレーサーだ。
オートレース売上金による補助事業は平成17年度は
(2) スポーツを通じ社会性を持つ子供を育てる事業(重点事業)
(N)こども二輪塾 1件に 789千円
(3) モーターサイクルスポーツの啓発普及又はイベントの振興のための事業(重点 事業)
(財)日本モーターサイクルスポーツ協会 1件に 4,275千円
おーっと、MFJに427万円も補助していただいている。
ちなみに、オートバイロードレース世界チャンピオンの原田哲也、坂田和人両選手を輩出した筑波サーキットこと財団法人日本オートスポーツセンターはオートレースの選手育成のためにそもそも作られたものであり、元SMAPの森選手が研修生として筑波にいたときは、およそオートバイレースとは雰囲気の違う追っかけの女性たちが金網に群がっていたという伝説があるが、公共機関で行くことのできない筑波サーキットに彼女たちはどうやって通っていたのやら。筑波界隈のタクシー会社は森君バブルとなったという噂も聞くが。
余計なトリビアはともかく、日本全国に6つしかないオートレース場が1つでも欠けると、モータースポーツへの補助も減るのは目に見えているわけです。それとも浜松市がその分、モータースポーツに目を向けてくれるというのか?
♯1 三重県鈴鹿市のモータースポーツ都市宣言
(参考過去記事:鈴鹿ナンバー実現へ意欲←ちなみに鈴鹿ナンバーは実現することとなった(参考:国土交通省の発表))
♯2 2005年鈴鹿8耐に川口市が自治体として初めてチームのメインスポンサーとして参戦(参考記事:ココとか、検索結果とか)
と、オートレースの概況をなぞったところで、公営競技はどこへ行くさんのブログ(サイト名にさん付けするのもどーかと思うがでもやっぱりさん付け)で「かみ合わない」と題した興味深い論考が。
浜松市のオートレース事業検討委員会が行った市民の意識調査について、
選手会浜松支部の増田晴彦副支部長(吉田町)は、アンケート用紙を手に「構造改革の効果にほとんど触れず、赤字が前提。これでは誰だって廃止した方がいいと感じてしまう」と悲痛な表情を見せる。
いったいぜんたい、どんな学識者が調査票を作ったのだろう。同ブログでは続けて浜松市の都市・市街地整備について嘆く。
ところで、政令指定都市の中でそのような車でしか商業地に行けないようなところはない。タワーレコードが郊外に去ったことで客がそっちになびいているようでは浜松市が仮に政令指定都市になろうともただの田舎の一地方都市でしかないのではないか。
浜松市に、いや浜松駅周辺に1、2泊でも出張したことがある人ならご存じだと思いますが、あの浜松駅の夜の早さったらない。6時にはシャッターが閉まる。いわゆる繁華街は駅から歩いて5分10分かかる。それに好対照なのが東名浜松インターから続くクルマ通り? ディーラー通り? の規模ったら。
「公営競技はどこへ行く」サンも指摘しているけど、浜松駅前(実際には駅前ではない)のアクトタワーという高層ビルは開業してしばらく、まったくテナントが入らない階がいくつもあった。ワンフロアに一つ二つじゃないですよ、フロアごとごっそりゴーストビルになっていたのだった。
浜松市は都市計画とか人の導線を作るのがあまり上手くはない、という印象がある。
わたし自身はギャンブルをしないし興味もないので、公営ギャンブルがいいとか悪いとかいう意見すらないのだけど、MFJや地元地方自治体に売上金が流れていると聞けばああそうですか、という程度の感想しかない。
けれども、場所が場所だけに。たまたまホンダ・ヤマハ・スズキがあるのではない。世界一の二輪生産都市(除く中国)でオートレースを廃止するということがどういうことなのか、その影響力を考えると、もうちょっと努力してからでもいいんではないかな、と感想を持った次第で。確かに市民の血税で赤字を補填しちゃマズイですが。