G-FP2DF1P69Y 58年前の法律と100年以上前の法律と: 小林ゆきBIKE.blog

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2005.09.14

58年前の法律と100年以上前の法律と

日経bpのセーフティジャパン2005という企画サイトの中にモータージャーナリスト岡崎五郎氏の興味深いコラムを見つけました。

道路やクルマ事情の変化から考える、理想の速度規制とは?(表題のコラムから以下一部引用)

とくに暴走しているわけでもなく、ごく普通に走っていても捕まるのが現在の交通取り締まりの実態だ。なぜなら、制限速度と交通の流れには明らかな乖離(かいり)があるからだ。一般的に、幹線道路や高速道路では制限速度プラス10km/h~20km/hで流れている。とくに郊外の片側一車線道路などでは、制限速度を守って走っていたら後方に長蛇の列ができるのがオチ。パッシングライトを浴びたり、異常接近されたり、最悪の場合はしびれを切らしたドライバーが追い越し禁止区間であるにも関わらず強引に追い越しを試みるケースもある。必要以上に低い制限速度が無用な危険を生みだしている好例である。要は制限速度違反イコール悪と決めつける前に、その考えのもととなる制限速度が、現状に照らしてみて妥当なものであるかどうかを考えるべきだということだ。

 そもそも60km/hという法定最高速度(速度標識のない一般道路の制限速度)の妥当性に私は大いに疑問をもっている。定められたのは戦後間もない1947年のこと。当時の道路で舗装されていたのはごく一部で、基本は未舗装。信号機や歩道、横断歩道の整備もゼロに近かった。日本の大動脈である国道1号線でさえ、1950年代まではほとんどが砂利道だったといえば、当時の道路事情がいかに劣悪だったかが理解できるだろう。もちろん、自動車の性能も現在とは比べものにならないほど低かった。1947年といえば本田宗一郎が自転車用補助エンジンをヒットさせた年であり、クルマはまだまだ庶民にとって高嶺の花以上の存在だった。なにしろ純国産車の先駆けである『スズライト』(スズキ)や『トヨペットクラウン』(トヨタ自動車)が登場する8年も前のことなのである。

 それに対し現在は砂埃が上がらず、ブレーキがよく効き、スリップもしにくい舗装路が基本。自動車の性能も飛躍的に向上している。つまり、危険を感じてブレーキをかけた場合に必要な停止距離は大幅に短縮されている。にもかかわらず、歩道や信号機ががきちんと整備された幹線道路でも相変わらず58年前の規制が適用されていることに、合理的な説明を付けるのは難しい。制限速度を守って走ることを苦痛に感じてしまうのも仕方がない。

ライダーなら、ドライバーならみな日頃から感じていることではないでしょうか。
実態からかけ離れているから、たとえ実態にそぐっていたとしても法律を破ることが当たり前、みたいな矛盾した傾向さえ感じている今日この頃です。
このコラムの最後に日本初の80キロ制限の一般道のことに触れています。

マスコミ報道のグーグル検索結果はこちら。

これまで一般道の最高速度が60キロを越えている区間は「横浜新道、小田原厚木道路(以上神奈川県)、国道2号線の一部区間(兵庫県や山口県など)の3路線」だったそうです。国道2号線はどんな道だったか覚えてないのですが、地元の横浜新道は高速道路のような有料道路、オダアツこと小田原厚木道路も高速道路と直結した有料道路です。
ちなみに、高速道路然とした名阪国道こと国道23号線は高速道路と直結していて勘違いしないように「ここは高速道路ではない!」と掲示されていたことがありました。

ところで58年前の法律のまま一般道は60キロ制限となっている日本ですが、18世紀の法律のまま来てしまったマン島も最高速度について問題になっています。

19歳の友だちを亡くした女の子たちの署名活動の記事

それによれば、マン島は21世紀なのにいまだに18世紀の法律で生きていかなきゃいけないの?ってな疑問を呈しています。
18世紀の法律とはもちろん、マン島の速度制限なしの交通法のことです。
マン島は世界でも珍しい一般道(高速道路はない)の原則速度制限なし、の国です。

18世紀ではありませんが、20世紀初頭のクルマはこんな感じでした。

Car TT 100周年記念イベントの模様の記事

そんなマン島も年々交通事故は問題になっていて、かつて1947年から50年代にかけてパーツメーカーがテストコースとして走った由緒あるBALLAMODHA STRAIGHTもついに時速40マイル(=64キロ)の速度制限が設けられました。(当該記事)

そんなマン島では昨年、島の最高速度を規制するかどうか議会で審議されました。しかし、記事によればTTやMGP(マンクスグランプリ)のファンを中心に反対意見が強く出てロビー活動をしたといい、結果的には昨年はその法案は通りませんでした。

58年前の法律で実勢にそぐわない速度規制の日本と、18世紀の法律のまま速度制限がないマン島と。
「スピードが悪」という世論(または日本におもいては世論の誘導?)の根源は同じのようですが。悪いのはスピードではなく、それをコントロールできなかった人間なのにね。

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コメント

国道2号線の一部分ですが、兵庫県内では複数のバイパスとそれに続く有料道路があり、どこまでが2号線なのか判断が難しい気もしますが、見た感じは自動車専用道といったところです。
人は歩きません。たぶん一部分が70km/hだったはず。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E5%AD%90%E7%AB%9C%E9%87%8E%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%91%E3%82%B9
ここいらあたりをご参考に。

投稿: tk(通りすがり) | 2005.09.14 14:26

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毎日運動しながらめいっぱい働くと流石に週末には疲れもでます(汗) そんな時はネットでぶらぶらが一番ですわ。で、たまには真面目に色々エロエロ考える。 ・・・吹奏楽畑出身モータージャーナリストの小柳林ゆきさんの所で何で制限速度が60kmなんだろうという問いかけがありました。 と、このサイトの本拠が暴走天国宇都宮にある関係で交通の話題には食らいついてしまうトランペッターな私。 もちろん明確な答えがあるとは思えませんが暇なのでノセられて考えてみる。 理由を考えたことはあんまりないけど、とりあえずクルマはその... [続きを読む]

受信: 2005.09.16 01:22

» 法定速度 [DUCATI Multistrada days]
[ば]小林ゆきBIKE.blogの記事 58年前の法律と100年以上前の法律と を読んで、結構前に「環状7号線を法定速度で走ろうキャンペーン」というのを雑誌の企画かなんかで実施したとかしないとか...というのを思いだした。 環7を法定速度の40km/h キッチリで走ろうって事です。 渋滞の時は別として、流れてる時は60〜70km/hぐらいですよね。フツウ。パトカーだって50km/hぐらいで走ってますよ。(たぶん...)それをキッチリ40km/h で走ろうって主旨です。 どんな事態になったか... [続きを読む]

受信: 2005.09.17 03:25

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