二輪AT免許は女性の生活構造を変える?
いよいよ6月1日から実施される二輪AT限定免許。6月1日(いっぴ、と読む)から運転免許試験場でも、教習所でもAT限定の二輪で教習や検定や試験を受けることができるわけですが、ZAKZAKにこんな記事も出てました。
記事では、TWブームも一過性だったし、実数がつかめない、と述べたあと、こんな話しでしめています。
実際、AT限定免許の草案が出始めたころからすでに、現役ライダーたちを中心に「わざわざAT限定にする意味があるのか」との意見は根強かった。「9割以上がATという自動車ですら、AT限定が始まった頃も、男性がAT限定を取得するのに抵抗があった。女性はともかく、教習代も教習時間も大差ないのに、男性の希望者は少ないのでは」というのだ。
実際、特に“限定解除”世代では、あのころの苦労をどうしても棚に上げたくないのか、AT免許に否定的な意見もよく見聞きするわけですが。
何度もこのブログで書いている通り、障害者や力の無い人、女性などがAT免許を、必要な人が必要な範囲で免許を取得できるってことの方が社会にとって大切なんじゃないでしょうか。
ところで、話しは変わりまして……。
四輪のAT免許新規取得率は平成15年で約30%。しかし、女性に限って言えば、地方によってはすでに約100%、男性も8割を越える教習所があると聞きます。
この四輪のAT免許創設が何をもたらしたか。
それは、女性の生活構造を劇的に変化させた、ということです。
70年代……買い物かごを持って徒歩、または自転車でお買い物。専業主婦。
80年代……YH戦争による原付バイク(=“ミニバイク”と呼ばれていた)の普及で、少し遠くへも原付でお買い物。内職なんかも引き受けられるように。
90年代……AT免許の創設で普段の足が軽自動車へシフト。この結果、郊外でも大型スーパーへの買い物が可能となる。また自動車を使った職業婦人が増加(?)。
21世紀……AT二輪免許の創設で都市部在住で四輪車を所有できなかった女性たちがビッグスクーター市場へ流れる(?)
一部、希望的観測もありますが、徒歩→自転車→ミニバイク(原付)→軽自動車、という流れは確実にあったわけで。(社会学的な学術的考察からも明らか)
このような女性の生活構造、生活スタイルをどう二輪に流れを持っていくか、が、今後のメーカー、業界団体の取り組みいかんによるのではないかと。
わたくし個人的には女性がバイク、いや原付スクーターでもいいんですけど、二輪車に乗ることは大賛成なんですよね。産む性、子どもを守る性であるところの女性が、やれ暑かったり寒かったり雨に降られたりクルマに幅寄せされて命の危険を感じたりする二輪車に乗ることで、まずは自分の命を守ること、命の大切さを学んでいくわけですよ。そういうこと知っている人の方が知らない人より数倍素敵なんじゃないかなーって。そんな女性が子どもを産み育てていくとき、子どもも素敵な人になっていくんじゃないかって思うんですよ。
えー、話しは戻りますが、教習所によっては需要が読めないってことで、大型二輪のAT限定免許の教習を見合わせるところが多いそうです。大二AT教習できるとこは、けっこう探さなきゃないかも。
| 固定リンク | 0
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 『週刊新潮』(2023年9/28号)の原付関連記事にコメントが掲載されました(2023.09.25)
- 小特免許改正へ~二輪メーカー主導なるか? 高齢化社会に向けて次世代モビリティ『超超超超モビ』計画発足(2017.04.01)
- そろそろ例の季節ですね(2017.03.27)
- 【4月1日】「二輪も軽ナンバーワンを目指す」スズキのオサム会長が緊急記者会見【スズキLOVE】(2016.04.01)
- 国内二輪車販売台数に関する思考のワインディング(2016.03.04)
「08.交通問題・道交法」カテゴリの記事
- 【4月1日】悲願・38年ぶりに2段階右折を見直しか(2024.04.01)
- 『週刊新潮』(2023年9/28号)の原付関連記事にコメントが掲載されました(2023.09.25)
- 停まるときはリアブレーキも使いましょう(2023.09.19)
- 「中免(ちゅうめん)」復活:免許と車両の種類/区分のねじれ解消へ(2023.04.01)
- 【記事寄稿のお知らせ】バイクのニュースで「マン島TTトラベリング・マーシャル」について書きました(2022.07.11)
「01.バイク」カテゴリの記事
- 9月15日(日)バイク女子部ミーティング-バイカーズパラダイス南箱根 「Kommonうでわ」で出店します!(2024.09.13)
- チェストプロテクターの説明が難しかった話(2024.09.11)
- 「Kommonちゃんねる」に近況報告動画をupします(2024.09.04)
- 【掲載情報】世界最古のバイクの公道レース「マン島TTレース」が今年も開催 2024年5月27日から(バイクのニュース)by小林ゆき(2024.05.29)
- 今年もマン島TTレースを取材しにきています(2024.05.26)
「四輪・クルマ」カテゴリの記事
- マニュアルのジムニー(JA11)に冬の北海道で乗ってきました(2022.01.09)
- 【YouTube】四輪『レーサー鹿島さん』バイクを語る!編をupしました(2020.05.06)
- 【かなり前に準備していた嘘記事です】道路交通法を知って交通安全! 国民皆免許キャンペーン発足、原付と小特の試験手数料1500円を先着500万人に助成(2020.04.01)
- 運転に必要なことは「危険発生 決めつけ運転」なんじゃないだろうか(2019.04.12)
- 小特免許改正へ~二輪メーカー主導なるか? 高齢化社会に向けて次世代モビリティ『超超超超モビ』計画発足(2017.04.01)
コメント
その路線、とてもアリだと思うんですけど、多くの女性にとって2輪に乗る最大の障害はヘルメット着用なんじゃないですかね。
ミニバイクから軽自動車に流れた第3の理由もそこにあるのでは、と思います。
投稿: 036 | 2005.05.20 17:57
はじめまして
確かに女性にとってヘルメットをかぶるのは大変ですね。
近距離ならいいけれどもそれなら自転車でもいいし。
そうなるとやはり軽自動車が楽なんでしょうね。
この流れの中で車世代にいられてよかったと思いつつも私は日々徒歩OR自転車…
投稿: 自動車好きもぐ | 2005.06.22 13:19