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2005.01.04

小林ゆきって何モノ?

新年明けましておめでとうございます。
おかげさまで、当ブログも1年以上続けることができました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

というわけで(?)、タイトルが気になった人だけ続きをどうぞ。バイクの話しとは関係ありませんが。長いよ。

ずいぶんと前から、最近知らない人に指摘されるずいぶん前から、よくよく思い出すと、1年ほど前ブログを開設したときに“埋め草”ネタとしていつか書こうと思ってたネタなんですが。今日のネタは、小林ゆきって何モノ?について。つまりは肩書についてです。
自分が何モノであるかを人に理解してもらうときに、「肩書」は重要なアイテムだったりしますが、カイシャに所属してたり、働いていない主婦だったり家事手伝いだったりしていない自営業者、特にカイシャも起こしていないような自由業者ってのは、なかなか他人に理解してもらうことが難しいものです。

で、自分。私。ワタクシ。あたくし。小林ゆきって何モノなのだ?
今までの自分を振り返りますと、だいたい大学生くらいから考えると、いくつか重複したりもしているけど、
大学生+ミュージシャン?ピアニスト?ピアノ教師?→雑誌編集者→フリーランス→フリーランス+大学院生
こんな感じで生きてきております。

98年にクラブマン編集部の編集者から独立したわけですが、独立して名刺を作るときにまず考えたことが、「肩書をどうするか」ってことでした。いろいろ考えた挙げ句、ギョーカイの恩師であり大先輩である、ナベゾ画伯こと渡辺和博さんに倣って、「肩書ナシ、会社名(屋号)ナシ、名前+連絡先だけ」のシンプルな名刺を作ることにしました。そう言われてみれば、ナベゾ画伯はいったい肩書はなんなんだって考え直すと、もともとはイラストレーター、漫画家、雑誌編集長からはじまり、サブカルチャー系のライター、文化人、コラムニスト、エッセイスト、タレントなどなど、さまざまな分野をこなしてらっしゃる。
だいたい、フリーランスとなれば、自分の価値は他人が決めるんであって、私の得意分野を周りが認めてくれれば自ずと肩書も定まってくるんだろう、そんな気持ちもあって、私の名刺には肩書が入っていません。
さらに言えば、仕事をする上で肩書を求められることが多いのですが、たいてい私はクライアントさんに肩書を任せます。それで、プロフィール欄に(今回はどんな風に書かれるんだろう…)と見てみると、一番多いのが「バイクジャーナリスト/モーターサイクルジャーナリスト」という肩書でした。ふーん。

とはいえ、私はずいぶん長いこと、「ジャーナリスト」と言われることについて、嫌悪感を感じていました。昔ながらのクラブマン的美学で言えば、「バイク雑誌は10のうち9は楽しいことを伝える」というような考え方で作っていて、それが私に染み込んでいました。だから、そんな私がジャーナリズムを語るだなんてとんでもない、と。でも、バイクを取り巻く世界は楽しいことばかりではありません。悲しいこと、不条理なこと、偏見、差別、イリーガルなこと、などなど、ネガティブな要素もたくさんあります。それらに目をつぶってていいのか?
「ジャーナリスト」という呼ばれ方が嫌いだった理由は、もう一つ。ジャーナリストという仕事には、白黒ハッキリ、善悪ハッキリ、正しいことを追及する、というような、市民運動家みないなイメージが私の中ではつきまとっていました。これだけどっぷりバイクに浸かっている私自身、正しいことだけ追及できるような人格者でもないし。

けれども、困ったことが起きました。それは、フリーランスになって海外取材に多くでかけるようになってからのことです。私の肩書無しの名刺では通用しないのです。それで、どう名乗るかというと、writreという言葉は「作家・小説家」というニュアンスが強いのであまり使われず、私のように「取材して書く」という立場の人間のことはjournalistとひと括りにされます。たまにeditorも使いますけど、とにかく、私のような立場の人間はアメリカやヨーロッパでは「ジャーナリスト」と呼ぶのです。まあ、他に呼び方がないからかもしれませんが。
日本では、「フリーランスライター」と言うと、「ああ、フリーターね」(と実際に税務署で言われたことがある)と言われるほど、あいまいで、不透明で、稼ぎが悪い商売、ということになっていますが(稼ぎが悪い、は本当かもしれない)、アメリカやヨーロッパでは、「ジャーナリスト」それも「フリーランスで」となると、扱いが別格に高くなったりします。出版業界は文化度が高い高尚なものとされています。そんなわけで、海外ではしょーがないので一応、journalistという肩書を入れた名刺も用意したりしています。

日本ではごくごく一部の人をのぞいて、謎の職業とされるライター稼業ですが、活字文化や出版文化が欧米より深いと思わせることがあります。それは、著述業に対する呼び名の多さです。例えば--。

作家、小説家、推理作家、ライター、フリーランスライター、フリーライター、著述業、スポーツライター、バイクライター、○○ライター、ジャーナリスト、評論家、エッセイスト、コラムニスト、文筆業、○○研究家、詩人、歌人、コピーライター、物書き、などなど。

写真を撮る人が、カメラマン/フォトグラファー/写真家と、だいたい3つくらいしか呼び方がないのに比べて、文章を書く人の肩書のなんと多いことか。それだけ、日本の出版業界は文化として成熟しきっているということなのでしょう。

で、わたくし小林ゆきって何モノなのか? 社会的な肩書を言えば、現在は、文筆家かつ大学院生、というようなことになるんでしょう。この歳で学割が効くんです。びっくり。取材して書くこと以外に、コピーライターも編集もプランナーとか企画屋さんなんかも多少やってますが、あくまでバイクに関連したことなので、100%バイク関係で喰わせてもらってます。おかげさまで副業もアルバイトの必要もなく。ありがたいことです。

で、ホンネを言えば、肩書なんてどうでもいい。バイクライターでもモーターサイクルジャーナリストでもなんでもいい。

じゃあ、なぜ、このブログは「モーターサイクルジャーナリストのブログです」と標榜しているのか。それは、バイク業界にジャーナリズムを求めてインターネットをさまよっている皆さんへのSEO対策です。(SEOがなんのことかわからない方は検索して調べてみて下さい)
私は交通問題専門のジャーナリストでもないし、はっきり言って警察への取材は大手マスコミしか記者クラブに所属できないので、私のようなフリーランスは取材すらできません。しかし、個人的な興味もあるので、バイクに関連したニュースは、その大手マスコミの流す大本営発表を眺めつつ、社会をいろんな角度から広く俯瞰すれば見えてくることもあるのではないか、と思って、日々、新聞やテレビやラジオやインターネットの情報を集めてきたり、自分が取材した一片を盛り込んだりして、リテラシーのきっかけになれたらいいなと思ってブログを日々書いているわけです。で、気付いたら社会問題系のネタが増えちゃった(笑)。

ところで、当ブログを書くにあたって、私は二つのことを書かないことにしています。気がついている人は気がついているかもしれませんが、とにかく、今年も当面はその二つのことについては書かないことになりそうです。
(賢い読者の方にお願い:「二つのことって何のことですか?」などと無邪気にコメント欄に書き込んだりしないよーに!)
それを書かないことによって、「小林ゆきって何モノ?」かはますます分かりにくいだろうし、雑誌で書いていることを読んだり、直接会ってみたりしないと、小林ゆきって何モノかはわからないように、わざとしております。
もしも、当ブログが現在のスタンスでの役割を終えたと感じたら、その二つのことについて書きはじめるかもしれませんが。

とにもかくにも、2005年が明けました。さっき気がついたけど、今って21世紀なんですよね? 21世紀になって5年目になっちゃってるんですよね? 平成って今、何年なんだったっけ?
そんなわけで、今年もよろしくお願いします。

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コメント

ふたつのことを暴いちゃおう!
ぼくが見た小林ゆきは
「ボクサーツインのエンジンよりちっちゃい」
「ドゥカティ999よりもスリム」
…って(^_^;

ことしも活躍してくださいませ。

投稿: ぎんしろ | 2005.01.05 18:46

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