ナベゾ画伯の新刊「キン・コン・ガン!」
わたしがクラブマン編集部員時代と独立してからしばらくの8年間、編集担当をさせていただいた、“ナベゾ画伯”こと渡辺和博先生の新刊が、二玄社から出ました。
ナベゾ画伯とは、あの、“元祖ヘタウマ”なイラストとか、“伝説のマンガ雑誌『ガロ』の元編集長”、“『笑っていいとも!』にレギュラー出演”などなど、サブカルチャー系の有名イラストレーターです。
クラブマンでは「ヨーイングゾーン」の連載でおなじみですが、ほかにもカーグラフィックやananなどでご活躍中の画伯。今でもときどき「コバヤシ、何とかして~」と意味不明の電話がかかってきたりします。
最近の画伯の名言と言えば、「ロッシも言ってたけど、やっぱり“減速時のスロットルコントロールだよね”」と、暗に休刊寸前の雑誌を比喩したりするのが画伯らしいところ。コッチも話しを変換しながら飛躍せねばなりません。
わたしが編集部員のころに作った書籍が、クラブマン連載「ヨーイングゾーン」をまとめた『エンスー病は治らない』(ネコ・パブリッシング) エンスー病は治らないです。タイムトンネル参戦の話しとか、バイクのエンスーなお話しのはずが、タトゥーやら怪我で痛い話しにどんどん話しがずれていくところが、画伯らしいところです。
さて、そんな画伯から「いや~最近入院しててさぁ」と心配な連絡があったのが年末ごろでした。そう言えばお腹に力が入っていない感じもしましたが、さすがはナベゾ画伯。転んでもただでは起きません。ガンをカミングアウトしつつも、フツーの患者ではいられません。
『キン・コン・ガン! ―ガンの告知を受けてぼくは初期化された』キン・コン・ガン!―ガンの告...NAVI BOOKS
を書かれました。言うまでもなく、第1回流行語大賞を獲った「マル金・マルビ」を生み出した『金魂巻(キンコンカン)―現代人気職業三十一の金持ビンボー人の表層と力と構造
』金魂巻(キンコンカン)―現代...をもじったタイトルですが。二玄社の宣伝サイトには以下のような文言があって、これはこれで笑える。(注:ナベゾ画伯の文体をパクってみた。)
大ベストセラー『金魂巻』から20年。ナベゾ画伯こと渡辺和博が著した史上初(?)の明るい闘病記。
病室で描いた水彩画のオマケつき!
CAUTION!
本書は、肝臓ガンを患った渡辺和博さんがお書きになった闘病記です。
しかしながら、一般的な「ガン闘病記」とは性格が若干異なります。
使用上の注意をよくお読みのうえ、お買い求めください。【注意書き】
1、この本を読んでも、感動することはできません。
2、この本を読んでも、肝ガン治療について多くを知ることはできません。
3、この本は、ガンの予防には役立ちません。
4、この本は、健康保険適用外となります。※本書には、以下のコンテンツが含まれます。
・第1章 告知の日(「ガンの告知を受けてぼくは初期化された」etc.)
・第2章 病院ってこんなところ(「変わりつつある白衣の天使」etc.)
・第3章 こんな感じで暮らしております(「インフルエンザはガンよりコワイ!」etc.)
1ページ目から抱腹絶倒間違いなしなので、エンスーと不健康の狭間で揺れるライダーのみなさまにおかれましては、ぜひアマゾンのリンクをポチっとなーしていただきたい所存なのでございます。今回は宣伝になってしまい恐縮です。
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コメント
『金魂巻』って、20年も前になってしまったんですね。
まだ本棚に残ってますよ。
このあいだ筑摩書房の松田哲夫さんの自伝「編集狂時代」を、遅ればせながら読みました。
松田さんが若かりし頃の話の中に、渡辺和博さんも登場していて、
久しぶりに本を熟読してしまいました。
「キン・コン・ガン!」も面白そうですね。
自分の闘病をネタにするというプロ根性はサスガかも。
ご回復を祈って、これから本屋に走ります。
投稿: ばくおん | 2004.05.23 16:42
ばくおんさん、こんにちは。
本を読めばわかるのですが、さすがは画伯、病魔と闘ってなんかないんです、相変わらず飄々とかわしてらっしゃいます。
広尾の事務所に通った日々が懐かしいです。
「ちょっと待ってて」とか言いながら原稿を待つんですが、本やら雑誌やらでいっぱいになったテーブルには、怪しげなサブカルチャー雑誌がいっぱい…。おかげで、社会のアレコレを学びました。。
投稿: YUKKY | 2004.05.30 13:16