二輪のAT限定免許ついに導入か
数年前から検討されていた、オートバイのオートマチック限定免許がついに導入されそうです。
警察庁は05年6月をめどにAT限定の二輪免許を導入することを決め、道路交通法施行規則の改正試案をまとめた。(ソース:ヤフーニュースby毎日新聞)
なお、この件について警察庁は再び4月9日~5月6日まで、パブリックコメントを募集する模様。
以下、道交法施行規則等の改正試案から、二輪AT免許について抜粋します。
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道路交通法施行規則等の改正試案
2 AT(オートマチック・トランスミッション)限定二輪免許の導入
※ AT限定二輪免許とは、AT二輪車(オートマチック・トランスミッションその他のクラッチ操作を要しない機構がとられており、クラッチの操作装置を有しない自動二輪車)のみを運転できる二輪免許をいいます。
(1) 改正の内容
ア自動二輪車の出荷台数に占めるAT二輪車の占める割合が約6割、自動二輪車の保有台数に占めるAT二輪車の占める割合が約3割と、AT二輪車の普及が進み、AT限定二輪免許の導入を求める要望が高まっていることにかんがみ、AT限定二輪免許を導入します。具体的には、AT限定大型二輪免許、AT限定普通二輪免許及びAT小型限定普通二輪免許(小型二輪車(総排気量125㏄以下の普通自動二輪車)であるAT二輪車のみを運転できる普通二輪免許)を導入します。
イAT限定二輪免許に係る技能試験において使用する自動車は次のとおりです。
技能試験に係る免許の種類技能試験において使用する自動車
AT限定大型二輪免許総排気量600㏄以上650㏄以下のAT二輪車(注)
AT限定普通二輪免許総排気量300㏄以上400㏄以下のAT二輪車
AT小型限定普通二輪免許総排気量100㏄以上125㏄以下のAT二輪車(注)
現行の大型二輪免許の技能試験において使用する自動車は、総排気量700㏄以上の自動二輪車とされていますが、総排気量700㏄以上のAT二輪車が国内で生産されていないため、AT限定大型二輪免許の技能試験においては総排気量600㏄以上650㏄以下のAT二輪車を使用することとし、当該免許で運転できるAT二輪車を総排気量650㏄以下のAT二輪車に限定することとします。
ウAT限定二輪免許に係る技能教習の教習時間の基準を定めます。
現に運転免許を受けていない者の技能教習の教習時間は次の表のとおりです。
教習に係る免許の種類教習時限数(参考)/現行の二輪免許
AT限定大型二輪免許29/36
AT限定普通二輪免許15/19
AT小型限定普通二輪免許9/12
なお、他の運転免許を受けている者については、その受けている運転免許に応じて教習時限数を短縮します。
エAT二輪車の普及が進んでいることにかんがみ、現行の二輪免許に係る教習においても、AT二輪車の特性に応じた運転について教習を行うこととします。なお、現行の二輪免許に係る教習時間の基準は変更しません。
(2) 施行時期
平成17年6月を目途として施行します。
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なお、この件に関して2~3年前からすでに教習所協会では、二輪AT限定の教習内容についての検討が行われてきたといい、前々回の高速道路二人乗り問題のように土壇場でひっくり返ることはないだろう。
今回の試案は教習所の教習時限数について言及されているが、もちろん免許制度そのものの改正試案なので、改正されれば、いわゆる「イッパツ試験」と呼ばれる運転免許試験場での試験も、スクーターによるAT限定試験が行われることとなる。
昨年の東京モーターショーのときにホンダの大型スクーター開発関係者に「AT限定免許が導入された場合、どの車両が試験車両になるのでしょうか? やっぱり、このPS250でしょうかね?」と質問したところ、言葉を濁された。フレーム剥き出しのZOOMER50の兄弟車風な試作車として展示されていたPS250は、転倒の多い教習車には最適ではないか、と思い質問したわけだが。
AT免許が導入されれば、全国の試験場と指定教習所に、100~125、300~400、600~650のスクーターが配備されることとなる。全国の指定教習所の数は1,484。全国の運転免許試験場は90。全て二輪の教習や試験を行っているわけではないが、合わせて1574。つまり、各々のクラスのスクーターが1570台もの特需となるわけだ。
しかしちょと待てよ。技能試験に使用する自動車の排気量は、100~125、300~400、600~650㏄。アレっ? 一番売れてる250㏄は試験車両になれないのか?!
というわけで、ヤマハは慌てて是が非でも“マジェスティ400”や“T-MAX600”を発売しなければなりません。カワサキは何が何でもスズキスカイウエイブ400/650を提携獲得して明石試験場に導入せねば。スズキもそろそろ、カワサキにデカスカブー渡しましょうよ、まずは国内限定でいいから。
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