コスト目標値に関する規定
四輪のレースではあるが、アメリカのインディにおいて、
コスト目標値に関する規定という興味深いレギュレーション変更が行われている。
その根拠はこうだ。
トニー・ジョージが1994年にインディ・レーシング・リーグを設立したとき、最初に考慮された理念のひとつは、レースに必要なコストをコントロールすることだった。
これにより、
2004年1月1日から、チームはプライベート・テストを行うことができなくなる。
とのレギュレーションに変更されるという。
レギュレーション変更の目的はこうだ。
走行の機会を合同テストとメーカーによるテストに限定することで、年間に行えるテストの回数がどのチームも同じになり、出走するマシンの戦闘力が平均化される。また、これによってチームが負担するトラックの貸切料、移動、走るたびに必要な出費が不要となり、活動費が軽減されるこれによってコストが抑制され、チームの力が均衡して、インディカー・シリーズのレース内容が極めて競争の激しいものになるはずだ
例えば、日本のオートバイ・ロードレースを振り返ってみると。
私は2000年から昨年まで4年間、鈴鹿8耐参戦チームを率いてきたが、
鈴鹿サーキットをテストする機会は極端に少なかったように思う。
実際には、毎月1回走行できればいい方だった。
4メーカー合同テストは、ワークスチームと有力プライベーターに限られる。
弱小プライベーター向けには、メーカーによってはメーカー主催の走行会がある。
カワサキはそうした走行会が8耐までに3~4回あり、
参加チームも少ない(レースにしめるシェアが少ない)から、
不幸中の幸いで、十分なテストが可能だった。
しかし、ホンダ・ヤマハはそうではないらしいし、
スズキはメーカー主催の走行会すらない。
普段のスポーツ走行枠は、現在は国際ライセンス枠がなくなり、
国内・フレッシュマンも初心者も大小排気量車も一緒に走るため、
ライダーが走るのを嫌う。無いも同然。
タイヤメーカー主催の走行会というのもある。
2000年~2002年に使用したダンロップはほぼ毎月走行会があるが、
シェアが高いため、NK4耐組も600もスーパーバイクも、枠いっぱいの台数で混走となる。
普段のスポーツ走行と変わらない雰囲気だ。
昨年使用したブリヂストンも同様に、ほぼ毎月走行会があり、
昨年まではシェアが低かったため、台数も少なく走りやすかったようだ。
しかし、仮にミシュランやピレリを選んだとしたら、メーカー主催の走行会枠は無いのだ。
ボーダーラインのプライベーターが鈴鹿8耐予選突破、完走をするためのポイントは、
テスト走行で十分なデータを得ることだと、この4年間で実感した。
それほど、鈴鹿サーキットは攻略の難しいサーキットである。
ところが、走行の機会が少ないために、まずは予選突破のレベルにまで持っていくには、
車両メーカー、タイヤメーカー選びが重要、ということになっている。
いや、性能ではなく、走行枠が多いか少ないか、という観点において。
つまり。
「プライベーターが自力でテストするとお金がかかるから、するな!」
と言っているインディとは、根本的に問題の次元が違う、というか、
低かったりするわけで。
とは言え、ロードレース全日本選手権では、インディに近い考え方で
レギュレーション改革が行われているようだ。
例えば、レースのある週に同じサーキットをエントリーしたライダーは走行できない、とか、
レースウィークの日程は金曜日~日曜日に縮小されたりとか。
……インディが行われるホームステッド・マイアミを先日、カワサキNINJA ZX^10Rで走ってきた身としては、
レースそのものもそうだが、モータースポーツに対するアメリカ流の考え方も非常に興味深い、と思った次第です。
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