G-FP2DF1P69Y 「自動二輪車の二人乗りの運転特性に関する調査研究」の概要: 小林ゆきBIKE.blog

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2004.01.03

「自動二輪車の二人乗りの運転特性に関する調査研究」の概要

「自動二輪車の二人乗りの運転特性に関する調査研究」の概要

警察庁交通局道路交通法改正試案の別添9より転載。
調査方法が興味深いので、引用して掲載します。
ソースはココ

1-1 調査研究の目的 本調査研究は、高速道路における自動二輪車の二人乗り規制の取扱いについて、「規制改 革推進3か年計画(再改定)」(平成15 年3月閣議決定)において「高速自動車国道等にお ける自動二輪車の二人乗りを認めることの可否について調査・検討し、(平成15 年度の可 能な限り早期に最終)結論を得る」こととされていることなど、最近における自動二輪車 の二人乗りを巡る情勢を踏まえ、自動二輪車の一人乗り、二人乗りの別等による運転特性 の違いを調査するとともに、自動二輪車の一人乗り、二人乗りでの交通量調査を行い、自 動二輪車の二人乗り規制の在り方について検討する上での基礎資料を得ることを目的とす る。

1-2 調査研究の内容
1-2-1 二人乗り走行実験

(1)実験方法

自動車安全運転センター安全運転中央研修所の高速周回路等を使用し、普通自動二輪車
の2車種(総排気量250cc、400cc)及び大型自動二輪車1車種(総排気量750cc)を用い
て、運転者20 人(普通二輪免許保有者10 人及び大型二輪免許保有者10 人)、同乗者20
人を被験者として、次の実験を行った。

① 高速周回実験

高速周回路を100 ㎞/h で走行させるとともに、小型乗用車との間で追越し追越さ
れ、車線変更
などを行わせる実験

② 直線走行・加減速実験

高速周回路を走行させ、被験者のできる範囲内で、60km/h から100km/h への急加速
と、100km/h から60km/h への急減速を行わせる実験

③ 制動実験

高速周回路の直線区間を速度80km/h で走行させ、被験者のできる範囲内でブレー
キ開始地点からブレーキを作動させて停止させる実験

④ 曲線走行実験

曲線コース(半径30mの1/4 円)を設定し、被験者のできる範囲の速度で走行させ
る実験

⑤ 回避実験

直線スキッドコースを走行速度40km/h で走行させ、回避実験用装置の青信号が点
灯した方向に1車線分回避させる実験
別添9

⑥ 車線乗移り実験

高速周回路の直線区間を速度80km/h で走行させ、車線乗移り開始位置から75cm 離
れた幅1mの通行帯に被験者のできる範囲内の短い距離で乗り移らせる実験

⑦ 突起乗越し実験

高速周回路の直線区間を走行速度60km/h 及び80km/h で走行させ、進行方向に対し
45 度(左側が手前)の角度で設置した突起物を乗り越えさせる実験

(2)実験結果

① 高速周回実験、回避実験、突起乗越し実験では、一人乗り、二人乗りの別、排気量
の別、運転免許の経験の別で顕著な違いはみられなかった

② 直線走行・加減速実験、制動実験、曲線走行、車線乗移り実験では、二人乗りの場
合は一人乗りの場合に比べ、加減速所要時間、加減速所要距離、制動距離、限界乗移
り距離が長くなり、曲線走行での速度が遅くなる
傾向がみられた。また、排気量が小
さいほど
、加速所要時間、加速所要距離、限界車線乗移り距離が長くなり、曲線走行
での速度が遅くなる傾向がみられた。さらに、経験が短い者は、減速所要時間、減速
所要距離、制動距離、限界車線乗移り距離が長くなり、曲線走行での速度が遅くなる
傾向がみられた。

(3)実験結果の分析

① これらの違いにより、交通の安全上どれほどの危険が増すかは、本実験の結果だけ
では一概に言えないが、(2)にかんがみると、少なくとも、急加速、急制動、急な車
線乗移りを要する状況に遭遇しないように心がけて同乗者と一体になって運転を行え
ば、二人乗りが一人乗りに比べて著しく危険であるとまでは言えないと考えられる。
しかしながら、この場合においても、排気量の別、経験の別により差がみられる項目
があることから、これらの差を踏まえた何らかの措置を採るべきであるとの考え方も
あり得る。

② 自動二輪車の安全については、運転する自動二輪車の運転特性の影響を受けるほか、
運転者自体の性向により大きな影響を受けると考えられる。今回の実験の対象となっ
た被験者は、運転上特段の問題は認められず、また、運転者と同乗者が一体化した動
きをすることができるようにするため、実験前に運転者と同乗者が同乗方法について
相談する機会を設けていたことから、実験においても危険な場面は生じなかったが、
運転者が十分な運転技能を有していなかったり、運転者が同乗者と適切なコミュニケ
ーションを図っていなかった場合には、危険な場面が生じ得ると考えられる。

③ 高速道路における二人乗りを認めるかどうかに当たっては、本実験で明らかになっ
た運転特性の違いのほか、二輪車の事故実態等を含め、総合的に検討を行う必要がある。

1-2-2 自動二輪車交通量調査

国道20 号渋谷区~八王子市の間の5地点で、平日・休日(共に1日)の午前7 時から午
後7時に自動二輪車の観測を行った。
全交通量に自動二輪車の占める割合は全体で7%程度と少なく、平日・休日別では、平
日が6.7%、休日が8.0%とほぼ同じであった。
自動二輪車の交通量のうち、二人乗り走行の二輪車の占める割合を見ると、平日は4.3%、
休日は12.8%が二人乗り走行であった。
二人乗りの割合を車種(排気量)別にみると、平日では特に原付二種において、その割
合が少なかったが(1.8%)、休日では原付二種、軽二輪、小型二輪(250cc 超)ともに二
人乗りの割合が10%を超えていた。

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