「世界週報」的川氏のマン島に関する記述について
マン島関連の文献を調べていて、マガジンプラスで最新の論文?が出てきたので調べてみた。
MAGAZINPLUSとは、「857万件の雑誌記事情報に加え、戦後国内の学術雑誌が刊行した人文社会系の年次研究報告や学術論文集59万件の論文タイトル情報を加えた、総計916万件にのぼる国内最大の雑誌・論文情報データベース」で、個人では年額1万8,900円とか、1件いくらで料金がかかるが、大学なら法人契約しているので図書館では使い放題という学生の権利をとことん使える超便利な検索エンジンである。
で、2006年10月3日の世界週報という雑誌に、「マン島にて--的川教授の宇宙よもやま話」なる論文(?)が発表されているというので、図書館で探してみた。
世界週報は時事通信の発行している雑誌だし、的川泰宣「教授」が書かれているということで、はてマン島で宇宙?でもマン島にはたくさんの妖精伝説があるから多少、宇宙にも縁があるかもしれない、と思ってコピーをとってみた。
するとすると。誤認だらけの内容が。
×「1957年に始まったこのバイクレースの最高峰は、来年で半世紀を迎える」
どこでどう聞き違えたのだろう。マン島TTレースがはじまったのは1907年のことなので、来年で一世紀を迎える。
的川氏がマン島を訪れたのは9月11日とのことなので、おそらく8月下旬~9月上旬に行なわれているアマチュア対象のマンクス・グランプリ(MANX GP)と勘違いしたのだと思う。
それにしても、MGPの前身、MARRCは1923年から1929年まで、MGPが始まったのは1930年のことだから、なぜ1957年という数字が出てきたのだろう??
ちなみに、1957年はマン島TTレース50周年で、ボブ・マッキンタイアがはじめてオーバー・ザ・トン(平均時速100マイル超)を達成した年だ(Kelly,Robert ed. HERE IS THE NEWS A CHRONICLE OF THE 20th CENTURY Volume Ⅱ: 1951-2000 Onchan, The Manx Experience, 2000, p39)。
ほかにも、
×「イギリスの領土でありながら『自治国家』の様相を呈している」
とあるが、マン島はイギリス領土ではない。英国王室に属しているだけである。また、「自治国家の様相を呈している」のではなく、自治国家である。
×「『ルマン』さながらのスピードでぶっ飛ばし」
よくある誤解だが、いわゆる「ル・マン」はフランスのLe Mansのことであって、マン島=Isle of Manとは違う。ル・マン24時間耐久レースなどは、自動車やオートバイのクローズドサーキットで行なうレースである。
「ぶっ飛ばし」とあるが、空港からダグラスの間はほとんど制限速度があるが(マン島は基本的に制限速度がない)、それも50マイル(80キロ)から60マイル(96キロ)という、日本の一般公道では考えられないハイスピードである。マン島では決して飛ばしている範疇にはない。日本人からすれば飛ばしているような感覚になるのはわかるが。
マン島と宇宙は何が関係あるのかと思ったら、マン島で国際宇宙大学(ISU)の理事会が行なわれたのだそうだ。
マン島では政府が国策として国際カンファレンス招致に力を入れている。
ともあれ、的川教授に日本のオートバイが海外でとりわけ認知されていることを知らしめたのはうれしいことである。
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