テクノロジー

2012.03.27

自動車技術会の二輪車シンポジウムちゅう

「モーターサイクリストは電動バイクの夢を見るのか?〜『人馬一体』を問い直す」というテーマでシンポジウムが行われている最中です。
二輪の日本最高峰にして最先端の技術の講演が目白押しであります。
ちょうど今、モーターサイクルジャーナリストの和歌山利宏さんが壇上でハイハイしながら身体を張って「なみ足理論」を説明ちゅう。

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2011.12.15

東京モーターショー、二輪4メーカーブリーフィング雑感の続き

24年ぶりに東京に戻ってきて、名実ともに「東京モーターショー」となった、第42回東京モーターショー。
プレスリリースによれば、延べ来場者数は10日間で84万人超で、前回の37%増と大成功裏に終わりました。

今日は、先にホンダのプレスブリーフィングを聴いての雑感(「東京モーターショー、二輪4メーカー・プレスブリーフィング雑感」)に続きまして、その続きです。

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スズキ

まず、驚いたのは、壇上に上がったのが鈴木修会長兼社長ではなく、副社長の本田治氏であったこと。
修氏はじめ、取締役の方々は、壇上には上がらず、脇で整列していただけであり、ぼちぼち幹部交代? を伺わせる役割分担でありました。

その副社長の第一声は、

「技術を担当しております本田でございます」

でした。

まさかのオサム被り!
まさかのホンダ被り!
まさかのVWの対面!

……は置いといて。

「技術を担当している」を冒頭に持ってくるあたり、スズキの性能や技術への取り組み重視が伺えます。これまで、スズキと言えば、廉価路線で成功してきたわけですが、技術だってスゴイんだぞ、のアピールにも思えました。

その言葉通り、ブリーフィングの内容は、「環境への対応性能」「いきいきとした生活を実現するためのクルマ」など、時代と実用に即したアピールが中心。
バイクも、今回コンセプトバイクとして発表されたeレッツなどの紹介が先に来ていて、速さや馬力という“従来型の性能”より環境性能を先にアピールしていました。

今回のモーターショーでは、全体的に、近未来と環境性能を思わせる「白と青」の色使いのブース構成やマシンのカラーリングが目についたのですが、特にスズキブースはその傾向が強く印象付けられる展開でした。

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カワサキ

挨拶の壇上に上がったのは、「モーターサイクル&エンジンカンパニーのプレジデント髙田廣氏。
その気になる第一声は……。

東日本大震災とタイの洪水の被災者の方々へのお見舞いの言葉でした。

あと、「Ninja」ブランドのフィロソフィーを語りつつ、ZX-14Rを紹介されておりました。という気がする。
「環境性能」に関しても語っていたけど、敢えてカワサキらしいと言わせていただくと、そもそも原付分野を作っていないカワサキだけに、電気バイク的な分野はもちろんないし、コンセプトモデルも無し。

ちょっと意外というか残念にも思えたのが、今回はカットモデルの展示がなかったこと。
カワサキはたいてい、ショーではフラッグシップマシンのカットモデルを展示してきたわけなんですが、これはひょっとして見せるほどの新技術はないってことか? などと勘繰ってみたり。(←そういうことではないとは思うのですけど。)
普段はバイクに興味がない人びと、あるいは、大学生などバイクのビギナーが数多く訪れるモーターショーなので、カットモデルはエンジンやフレームの内部構造まで見られる貴重な機会ですし、興味を持たせるという意味でも、やる価値があるんではないかなぁと感じた次第。

あと、お触りバイクが一台も無かった、という方向転換は賛否両論あるかと思いますが、出展されていることに意義がある(出展しなかった年もあった)という意見もあり。

個人的には、説明員さん(男性)のライムグリーン×ブラックの制服がカッコ良くて素敵だなと思いました。

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ヤマハ

冒頭何が語られていたのか。
ええっと、すいません、実は、ほとんど内容は記憶にないのです。
というのも、音響のバランスが良くなかったのと、スピーカーからの音量が低かったのと、あと社長のあまり抑揚のないしゃべり方、声のトーン、などなどの理由により、とても聞き取りにくいスピーチだったのです。
誰か社内で指摘できる方はいらっしゃらなかったのでしょうか。

なんとか聞こえてきた内容のうち、印象に残った点をいくつか。

「タイからたくさんのプレスの皆さんが来ています、ありがとう」とおしゃっておりまして、確かにブリーフィング中、数十人の東南アジア系の方々をお見かけしました。
ヤマハは全日本ロードレース選手権にタイの選手を派遣したりするなど、タイと日本の親交を深める活動をしていて、今回の大量にタイのプレスが取材しに来ていたのも、その一環なのだと思います。

あと、相変わらず、二輪市場に言及していたのは、4メーカーブリーフィングを聞き比べるとヤマハだけだったような。
東京モーターショーのプレスブリーフィングは、「今、これにチカラを入れてます!」「こんなことを研究してます!」「将来をこういう方向性で」などを語る場だと思うので、マーケットの現状はまた別の機会にすればいいのになーなんて思ったり。

あららーうららー、とか思ったヤマハのブリーフィングだったのですが、静かな闘志というかヤマハの本気度を感じたのはそのあとでした。
4メーカー全てのブリーフィングがヤマハで終わったので、何となくヤマハブース内で業界関係者と雑談大会のようになっていたのですが。
ふと気付けば、ブース内外にはかつて試乗会やらなんやらで見かけた顔・顔・顔……!
ほとんど全ての技術者や開発・商品企画担当者が集結していたのではないかという按配。
業界人同士の立ち話、雑談も耳をダンボにして聴かれているのではないか、というくらい、そちこちに立っておられまして。
もちろん、他メーカーも開発・企画・技術者らは来ていましたが、ざっと見て、ヤマハが一番、密度が高かったのではないかと思いました。まあ、あくまで主観ですけど。

ブースの配置にも、前回、前々回とは変化が見られまして。
ここ数年、ヤマハは趣味のバイク、高性能スポーツバイク押しが強かったわけなんですが、数から行けば、日本のユーザーの大半は電動アシスト自転車だったり原付スクーターだったりするわけです。
そうしたドメスティック市場へのアプローチと、環境性能のアピールの帰結として、「パーソナル・モビリティ」としての「二輪技術」が強く打ち出されたブース構成・展示内容となっていました。

今回のショーは2度、3度と訪れたのですが、このパーソナル・モビリティの思想は、ヤマハが一番打ち出せていたのではないかと改めて感じられました。

* * * * *

このように、4メーカーのブリーフィングを中心に東京モーターショーの雑感を綴ってみましたが、問題は、ショーのあと、どのように実車に展開されていくのか、という部分であります。
もちろん、企業としては売れないとしょうがないわけなんですが、二輪の本質だったり、環境性能にもアプローチしたフィロソフィーだったりという部分は、バイクだからこそ、クルマじゃできない枠で実現できるんじゃないかなと思うのです。

文句つけたり、不平不満を言うのは簡単なんですけど──。

技術的にはほとんど可能なんです

と、文脈は違えど、4メーカー全ての技術者さんから、このような言葉を聞きました。
いろんな可能性に期待して日本のバイクメーカーを応援していきたいです。


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2011.12.04

東京モーターショーはこう見る、ここを見る

これから東京モーターショーに行かれる方に、いくつかTipを。

公式サイトは→東京モーターショー2011

場所は→東京ビッグサイト、東館・西館

..※幕張メッセじゃないよ!

電車で行く人は→りんかい線「国際展示場駅」または、ゆりかもめ「国際展示場正門駅」。

バス水上バスで行く人は→

①東京駅丸の内北口から無料シャトルバス

②都営バスで東16系統(豊洲駅前経由)東京駅八重洲口、海01系統(豊洲駅前経由)門前仲町、虹01系統・浜松町駅

③空港バスで羽田空港、成田空港、東京シティエアターミナル(TCAT)

④横浜駅東口から京急バスの直行バス

⑤水上バスなら日の出桟橋から有明客船ターミナル下船

バイクで行く人は→

①高速道路
都心方面からは「台場出口」。
横浜方面からは「臨海副都心出口」。
千葉方面からは「有明出口」。

②一般道路
新橋方面からはレインボーブリッジを渡り有明へ。
銀座訪問からは、晴海通りを経由し有明へ。
葛西方面からは、湾岸道路を経由し有明へ。

★★バイクの駐車場は、東展示場の向こう側にあります。西展示場側から右折で入ろうとすると右折矢印信号待ちでとんでもなく時間がかかるので、「東京ビッグサイト」交差点を直進または左折で入るルートが吉。

チケット購入は→オンラインまたはケータイ購入が便利。あとコンビニでも買えます。

チケット料金は→大人1,500円、高校生 500円、中学生以下 無料

★★JAF会員なら、当日券でも1300円に割引購入可能!

時間限定の割引券もある! →

①アフタヌーン券 (月~土曜日15時以降の当日会場のみの販売)、大人 1,300円、高校生 400円、中学生以下 無料

ナイター券(月~土曜日18時以降の当日会場のみの販売) 大人 500円、高校生 200円、中学生以下 無料

★★バイクだけ見るなら、ナイター券利用の2時間だけでもなんとかなるかも?!

バイクの展示は→東展示棟にすべて二輪メーカー・輸入車各社の展示が集まっています。

バイクの試乗は→西展示棟の屋外展示場12月8日(木)から。

◇二輪メーカー・輸入各社以外のバイク関係の展示は→

・メルセデス・ベンツ(東展示棟)にAMGのドゥカティ

・ミクニ(東展示棟)に歴代のキャブレターの展示やレーシングマシンの展示ほか。

・ブリヂストン(東展示棟)にモトGPマシン

・NGK(日本特殊陶業(株))(東展示棟)に車種別プラグの展示と、車種別検索ほか。

・リョービ(東展示棟)に、いろんなバイクのダイキャスト部品で作ったバイクの展示ほか。

・オーリンズ(カロッツェリアジャパン)(西展示棟)に、カワサキZRX1200DAEGほか。

・JAFブースにはJAFのロードサービス・バイクの展示

・西展示棟のスマートモビリティシティの展示群には山ほど電気バイクが。

あと、西展示棟の工具メーカーのブースはやばい。物欲が刺激されすぎてやばい。

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2011.12.01

東京モーターショー、二輪4メーカー・プレスブリーフィング雑感

東京モーターショーのプレスデー第1日目に行ってきました。

久々に昨日は、モブログでいくつか簡単にブログを更新してみました。

東京モーターショープレスデー開幕 会場内ではFMX も!?

ホンダのプレスブリーフィング

バイク乗り必見・ミクニブース

2輪ブースよりスマートモビリティシティの方がバイクが多い

ニッシンブースにマルコのマシン


プレスデー初日は二輪各社がプレスブリーフィングを行い、各社のフィロソフィーや戦略を聞ける絶好の機会。
ということで、きょうは二輪4メーカーのプレスブリーフィングを傍聴した雑感を綴りたいとおもいます。

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ホンダ

ホンダのブリーフィング、伊東孝紳社長の第一声は既報の通り、モトGPで三冠を達成した件でした。この“枕”は、ホンダの原点がレースで技術を培って来たという点にあるという話につながるもので、黎明期のホンダのレースイメージを彷彿とさせるカラーリングをまとった電動レーシングバイクのコンセプトバイク、RC-Eをかたわらに、企業コンセプトの再確認・位置付けが語られました。

今回のコンセプトは

「にんげんの気持ちいいってなんだろう?」

という摩訶不思議なものですが、日本語のキャッチフレーズを持ってきたあたり、東京モーターショーはもはや国際展示会ではなく、ドメスティックなものとしての位置付けなのだなぁと感じさせるものです。

二輪のコンセプトバイクは、RC-Eだけでなく、E-CANOPYやMOTOR-COMPOが出展され、代替エネルギー、あるいは次世代エネルギーについては、結局、電気なのか? という答えを見た気もしますが、はてさて。

市販予定車については、新型700ccエンジンを搭載して同一プラットフォームで異なるカテゴリーの3機種が紹介されました。

が、日本のベーシックな免許である普通二輪免許で乗れる250cc、400ccクラス、あるいは原付のニューモデルについてはCRF250Lだけなのが若干、不満が残る点ではありました。ショーのコンセプトに、市販車ラインナップがまだ近づけていないのかな、とも。

ブース全体を見ますと、“お触り可能な展示車両”が他メーカーに比べて多めですし、モトGPマシンの展示などもありまして、バイク目当ての来場者にも満足いく内容なのではないかと思います。


★おおっと時間切れ、続きはまた後ほど加筆します~


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スズキ

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カワサキ

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ヤマハ

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2011.09.24

バイクに水が入ってるかもしれませんよ?

先日の台風はほんと~~~に凄かったですね。

東京や横浜ではあちこち木が倒れたり、街路等がひしゃげたり、壁材や看板が落ちたりしました。

路肩には落ち葉や枯れ枝、流出した泥や砂がどっさり積もっており、やむを得ず路肩を走るときには、まだまだ注意が必要です。

さて。

台風、そして今日の急激な気温低下の影響も含めて、「バイクに水が入ってるかもしれませんよ?」のお知らせです。

野外にバイクを駐車している方、マフラーから水が浸入していたり、プラグキャップ、エアクリーナーの隙間などに水が入ってしまい、エンジン始動が不調になるかもしれません。

また、屋内駐車の方も、急激な気温の変化で結露が出やすく、タンク内に水が溜まってしまったり、というトラブルも考えられます。

しばらくバイクに乗っていない方は、まずはエンジンをかけて暖めておくとよいと思いますですはい。

かく言うわたしも台風一過の後、イッパツ終わってるどころかニンジャなのにツイン?状態になってしまい、ちとビビりまして。

エンジンかけて、かっ飛ばしてバイクの水分を飛ばしたいところではありますが、秋の交通安全運動中ですから、ネズミ捕りやら、隠れ白バイやらいるかもしれませし、機械があるならエアで水分飛ばすとかするといいんじゃないでしょうか。

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2011.09.09

「今こそバイクの〈ウリ〉は燃費ということになるんじゃないのか」の下書き

まだ下調べもしてないので、思いつき(戯言とも言う)を箇条書きにて。


・バイクはおおむね燃費が良い

・バイクはおおむねクルマに比べて燃費が良い

・それは①軽いから②燃焼効率がよいから③高回転にできるから④二気筒・単気筒も実用できるから。同じくらいの排気量の3気筒/4気筒の軽自動車に比べても少ない気筒数は有利

・バイクの燃費は、50ccのスーパーカブが100km/Lは別格として、125cc単気筒スクーターで40くらい? 250cc2気筒MTで35くらい? 単気筒で40くらい? 650cc二気筒だと30切るかな。1000cc4気筒は意外と25くらいだったような。ちゃんと調べなきゃ

・とはいえ、最近のクルマの省燃費力には目を見張るものがある。20km/Lなんてもはや当たり前。デフォルト。常識。時代は25とか30ウズベキスたんェ…

・国交省がクルマの燃費をあと●%向上せよ、とか言ってたよなぁ

・クルマの燃費の試験方式がじゅってんなんたらとかいう複雑な方式なのに比べて、バイクは「60km/h定地走行燃費」方式のまま

・定地走行方式の方が良い数字が出ちゃうのかな

・にしても、バイクの燃費は全体的な印象としては、この20年、ほとんど向上していない気がする

・カタログ値の燃費30km/Lなら、実際には3割引程度の20くらい

・10%くらいは向上しているかもしれないけど、ニッポンのメーカーが本気出したら、そんなもんじゃ済まないはず

・あの世界一厳しい騒音規制に対処したのだから、国交省に言われる前に、150%向上くらい実現させて欲しいものだ

・実用に耐えうる電動バイクの実現と、燃費+150%向上、どっちが難しいかな

・カタログ値 25km/L×150%=37.5km/L で、七掛けすると26.25km/L……うーむ。びっくりするくらい良い燃費という数字ではないなぁ。

・クルマの人もびっくり! バイクって実はすげー燃費がいいじゃん! って思われる数字は、やっぱり、実質リッター40kmとか50kmくらいなわけで、250cc2気筒で実質50km/Lならカタログ値70km/Lくらいないと実現は難しいのか……

・でもさ、フル充電8時間で40kmだけ走れますっていうバイクより、リッター50km走れるので満タン20リットルだと1000km走れますっ! 東京-大阪往復無給油! なんていう夢のような技術は21世紀ちゅうには実現不可能なのでせうか……?
 

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2011.06.06

モトシズ・セグウェイレーシングの凄まじさ

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3回目となる“エミッション・フリー”のカテゴリー、TT Zero。

毎回、あっと言わせるマシンを登場させるアメリカのモトシズが、今年もやってくれました。

今年はセグウェイのスポンサードを受け、デザイン、マシンのポテンシャルともにパワーアップ。

とはいえ、土曜日のプラクティスはとりあえずの1周24分23秒99、平均時速は92.779マイル。

TT Zero、モトシズ(セグウェイ・レーシング)のサルビストレートのトップスピード(TTコース中、最長ストレートで最高速達成可能地点)は、142.8マイル(228,48km)で2位のMIT96.1マイル(153,76km)を突き放している。

今年の注目は、平均時速100マイルを超えられるかどうか。
さて、今日のプラクティスはどうなりますことやら。

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2011.05.27

消耗部品の選びかた

「○○○って何がおすすめ?」

長年、バイク業界周辺におりますと、このようなことをよく尋ねられます。

○○○に入る単語は、スプロケットだったり、チェーン、タイヤ、オイル、ブレーキパッドにディスクなどなど、さまざまな消耗部品です。

その趣意はたいてい、どんなタイプの製品を選べばいいのか、というよりも、どの銘柄=ブランドがおすすめか、という意味で尋ねられることの方が多いような気がします。

一口に「消耗部品」と言っても、バイクの部品の場合、それは性能に直結することがほとんどですし、とくに足周りやブレーキ関係のパーツは外観でも違いが“見える”というのがバイクの部品の特徴ですし、交換する“楽しみ”も生み出しています。

消耗部品には主に、

純正部品
純正相当代替部品
廉価版部品
高性能部品
レース用部品

などのラインナップがありますが、それでは、実際にわれわれユーザーは、消耗部品をどのようなきっかけで、何が決め手となって最終的な選択をしているのでしょうか。価格でしょうか、耐久性でしょうか、高性能でしょうか。

たとえば、スプロケットを一例に、自分の経験を思い起こしてみると──。

1.最初はバイク屋さんのアドバイスに従った

初めてスプロケットを交換したのは、バイクに乗り始めて2年目くらいのことだったと記憶しています。
初めての自分のバイクに、もう毎日楽しくて楽しくて、走行距離は伸びるばかり。2万kmほど走った頃、チェーンが伸びてきたので、バイク乗りの先輩に教わりながらチェーンの遊びを調整するのですが、調整しても調整しても、いわゆる「片伸び」してしまっていて、うまく調整することができなくなっていました。
そこで、バイク屋さんに相談したところ、

「チェーンだけじゃなくて、スプロケットも同時に交換した方がいいよ、とりあえず○○にしておけば?」

とのアドバイスをいただきました。当時は、スプロケットにアフターマーケットのブランドがあるということも、いや、「アフターマーケット」という言葉さえ知りませんでしたから、おそらく、純正部品に交換したようなうっすらとした記憶があります。

もし、そこでバイク屋さんが純正部品ではなく、「○○ってブランドがいいよ」とおすすめすれば、多分、それに従っていたことでしょう。

2.色で選ぶこともあった

『クラブマン』というカスタムバイク雑誌に所属していた割には、わたしは純正派であまりカスタムをしないのですが、それでも、アフターマーケットにはさまざまなブランドがあり、それぞれ色や製法、性能に特徴があると知ってから、それがブランド選びの決め手になることもありました。

スプロケットやハンドルバー、チェーン、サスペンションなどは、はっきりと各ブランドや型番によって色の違いがあることもあり、全体を黒くまとめたいならこのブランド、派手に輝くように見せたいならこっちのブランド、というように、性能の違いよりも、色の違いで選ぶこともあることが、いろいろなカスタムバイクの取材を通じて知ったことでした。

それらの色の違いを整理してみると、①ブランドカラーとしての色、②製法によるもの、そして③ドレスアップ目的と、3つの目的の違いに分類できますね。

3.現場の評判(=クチコミ)が決め手になることも

バイクの消耗部品は、性能部品でもありますから、高くても高性能なものを選びたいと思うこともあります。
しかし、使い込んだ部品から新品に変えたときは、新品の良さが体感できますが、新品同士、異なるブランドの性能の差を感じ取ることは、プロでもなかなか難しいのではないかと思います。
タイヤやブレーキ、サスペンションなどはインプレッション記事が書けるほど如実に違いが感じられるパーツですが、スプロケットやなんかは、新品時にはほとんど違いがわからず、はるか1万km、2万km使用したあとにようやく違いが現れます。
ですから、レースの現場や、バイク屋さんなど、日々消耗部品を扱っている方々のクチコミが、銘柄選びの重要なポイントとなるわけです。

実際、レースの現場では「○○はなかなかよかった」「○○を使ってたら不具合が出た」「○○は最近良くなってきた」というような話はよくしますし、それが銘柄選びに直結することもあります。

4.面倒見のいい担当者がいるかどうか。面倒見=情報量である

そう言えば、と気付いたのですが、用品店の店頭イベントや、ショーでの出展、サーキットでのレーシングサービスとして、面倒見のいい担当者がいると、ついつい話を聞いてしまい、それが銘柄選びの決め手になることもあります。

どんなに大きな規模の会社の製品でも、ただ店に陳列されているだけでは、色が黒いか、金か銀か、の違いでしかないものが、メーカーの担当者から直接、製品のあれこれを聞くことによって、ようやく、製法の違いだとか、型番選びのコツだとか、普段のお手入れの方法、交換時期、性能の違いなどなど、情報を得ることができます。

もちろん、賢いユーザーなら、能動的にインターネットやカタログなどで情報を得ている人もいらっしゃるでしょうけど、やはり、専門家の話はわかりやすいし、説得力があるし、疑問・質問への答えも話が早い。

とくに、スプロケットのように①性能の違いを体感しにくい、②性能の違いが見えにくい、という部品は、担当者の面倒見の良さが、ユーザーに対する情報量の多さに直結し、実際の売り上げの差につながっているような気がします。


……とまあこんな風に、スプロケット選びひとつとっても、さまざまなきっかけがあることがわかります。

弊ブログはバイクのユーザーさんが読んでいることを想定して日々、書いておりますが、メーカーさんからのアクセスも多いようなので、いちバイク乗りとしてメーカーさんにお願いしたいこととすれば。

新品時の性能の特徴は、広告やカタログで知ることができます。でも、5000km、1万kmと乗ってからどのように性能や消耗に差が出るのか、そのようなデータなんかも知れれば、もっと銘柄選びの参考になるのではないかと思います。

また、その製品の相性も知りたいですね。
たとえば、スプロケット×チェーン、ブレーキパッド×ローター、その銘柄×バイクのモデルなどなど。消耗部品はそうそう頻繁に交換するわけでもないけど、価格は一カ月の小遣いの大半を占めるほど高価だったりしますから、あらかじめ、データであれこれ知れるとありがたいですね。


もちろん、安ければいい、というユーザーもいれば、重くても耐久性の方が大事、というユーザーもいるでしょう。しかし、日本のバイクユーザーの平均像は、バイクブームを経た手練のバイク乗りです。ぜひともサプライヤーさんには、モデル適合だけでなく、世界に誇るサプライヤーさんの技術力を、われわれ末端のユーザーにもチラリと教えていただけると嬉しいな、なんて思います。

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2011.04.28

【お知らせ】NHK BSプレミアム「らいじんぐ産」本日正午~放送

本日正午から、NHK BSプレミアムで佐藤可士和さんナビゲートの「らいじんぐ産~追跡!にっぽん産業史~」で「“原動機付自転車”人間にいちばん近い乗り物」が再放送されます。

少しだけ取材に協力させていただきました。

放送内容は、

「らいじんぐ産」は、日本人のライフスタイルを変えたひとつの製品にスポットを当て、開発秘話や道のり、波及効果など、知られざる歴史を解き明かす。今回のテーマは「原動機付き自転車」。終戦直後、物資不足の日本で、技術者のアイデアが生み出した“原付”。やがて、身近な移動手段として日本国内のみならず世界中の支持を集める。開発の歴史や、海外での人気ぶりを取材しながら、原動機付き自転車の果たした役割を描く
とのこと。

放送日時は

4月28日(木)午後0時00分~0時45分 (再)

のほか、

インターネットでは、放送日から2週間は「NHKオンデマンド」見逃し番組でオンデマンド視聴が210円で可能です。

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2011.04.20

二輪車は工学系アカデミズムの世界でどのような研究がなされているか

二輪車を研究する工学系の研究者や技術者が集う学術団体といえば、日本最大の学術団体でもある「社団法人 自動車技術会」があります。

会員数は実に4万3000人。会員は大学や研究所に属している人だけでなく、自動車メーカーや部品メーカーなどの技術者が多いのもこの学会の特徴です。わたしも、その末席に籍を置かせていただいております。

自動車技術会は、基本的には自動車、つまり四輪車に関する工学系の研究を扱っていますが、二輪車に関する研究者も少ないとはいえ研究発表がなされており、バイクに関する世界最先端の研究の情報を得ることができます。

その自動車技術会の関東支部学術研究講演会が、去る2011年3月9日(水)に慶應義塾大学日吉キャンパスで行われましたので、行ってきました。

口頭発表は6つの部屋に分かれて、朝から夕方まで全部で97の講演が行われました。
加えて、ポスターセッションは12の展示、さらに技術展示として企業から5つの展示が行われていました。

今回発表された、二輪に関係する研究は次の通りです。

【口頭発表】

「二輪車を操縦するロボットの制御系構築に関する基礎的研究」 日本大学生産工学部 渡辺淳士 他2名

「二輪車を操縦するための人間の入力に関する研究」 日本大学生産工学部 山田浩佑 他3名

「4ストローク小排気量空冷エンジンのオイル消費に関する考察」 ㈱本田技術研究所 澤海嘉司弘 他1名

「一次元シミュレーションを用いた小型二輪車の吸排気口音の予測技術」 ㈱本田技術研究所 木戸秀樹 他1名

「二輪車を操縦する人間の制御動作モデル構築に関する研究」 日本大学生産工学部 山本雄一 他2名


【ポスターセッション】

「現代技術に基づく、ダイムラー自動二輪の再現」 日本大学理工学部 佐々木健雄 他3名

「二輪車における経路誘導情報がライダーに与える影響に関する研究」 慶應義塾大学 椿本幸介 他1名

「ダイムラーのオートバイの再現(二輪車運動特性を考慮した基本構想図の作成)」 日本大学理工学部 増田成晃 他3名

「二輪車のロール運動によるタイヤ接置点移動と力学的ロール角」 日本大学理工学部 岩木洸樹 他2名

「二輪車用ドライブレコーダの開発のための考察」 日本大学理工学部 金澤大地 他3名


【技術展示】

「二輪EV(EV-neo)」 株式会社本田技術研究所

発表を見聞きして感じたのは、これまで誰もが思いつかなかった新しい技術、という研究ではなく、「どのように技術を評価するか、その基準のための研究」や、「なぜそのシミュレーションが必要なのか」というような、いわゆる「基礎研究」が、だいじに、大事にしっかりと研究されているなぁ、ということでした。

バイクは、エンジンの推進力で二つのタイヤと地面との摩擦によって車体を安定させて走る乗り物ですが、意外にも、「どのように評価すべきか」「何を基準にすべきか」という点については、まだまだ研究途中であるとのこと。

そうした基礎研究をおろそかにせず、地道に研究をすすめることで、思わぬ副産物・派生効果が発見されるといったこともあるようでした。

メーカーの技術者による発表では、他メーカーとの緊張感ある質疑応答が繰り広げられるのもまた、学術研講演会の醍醐味です。

各々の発表内容については、今後、拙ブログで紹介していきたいと思います。

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