加害少年の連絡先も名前も被害者に知らされない
京都の無免許少年による交通死亡事故に関連して、警察が被害者の連絡先を加害者の親に教えてしまった、という不祥事(事件?)がありましたが。
では、その逆──、被害者は加害少年の連絡先を知ることができるのか?という実話です。
今から10数年前のことなんですが。
その日は親戚が亡くなって葬儀に向かい、葬式から直接、当時勤めていたクラブマン編集部に戻って仕事をしていたところ、自宅に置いてあるはずのGPZ900Rが無くなっていると連絡がありました。
警察に連絡すると、ちょうどわたしのバイクを盗んだ少年を逮捕し、バイクが警察にあるから取りに来て欲しいとのこと。バイクを乗りこなせなくて、ひっくり返ってバイクに挟まれじたばたしているところを捕まえたと言います。バイクは左右ともボロボロだ、とも。
勤務先からその警察署まではクルマで小一時間。
わたしは電話口で、その少年はこのあとどうなるのかと警察官に尋ねると、
「親が引き取りに来たので、そのまま帰ると思います」
とのこと。これはマズイと思い、以下のやりとりが続きました。
「バイク盗んだのに、留置されないんですか」「保護者が来てるんで、いったん帰します」
「じゃあ、少年の連絡先を教えてください」
「少年なので、警察から教えるわけにはいきません」
「じゃあ、親を電話口に出してください」
「そういうことを警察からお願いできません」
「連絡先がわからなければ、今後、裁判とか賠償請求できないじゃないですか」
「そういうことになります」
「はぁ?じゃあ、今から行くからそこで待たせておいてください」
「そういうことを警察がお願いすることはできません」
「はぁ?なんで加害者の人権が守られるんですか。バイク壊れてるのにやられっぱなしってことですか」
「……」
「じゃあ、わたしが到着するまで警察が待たせるんじゃなくて、待っとけって言ってるって伝えることくらいできるでしょ」
「……」
「被害者が到着するまで警察で待っとけって被害者が言ってるって加害者側に伝えることくらい、そんなの少年法には引っかからないでしょう」
「……わかりました。でも、相手方が待つかどうかは警察は保証できません」
* * * * *
こんなやりとりがあったため、実際に加害者側が待っているかどうか心配でしたが、到着してみると少年と両親が入口のベンチに座って待っていました。
結局、その場で加害者の両親に全額弁済する旨の書面を書いてもらい、拇印を押させて、後日、請求書通りの金額を得ることは出来ましたが、この事例はとてもラッキーだったとは思います。
もし、連絡先がわからない状態だと、おそらく、家庭裁判所に出向いたり、弁護士を通じて連絡先を入手したりしなければならなかっただろうし、弁済も民事裁判を起こさなければならなかっただろうと思います。
もしもこれが、傷害事件や生命に関わる事件や事故だったらと思うと、ぞっとする出来事でした。
※追記:少年の連絡先、と書いてましたけど、実際には、警察からは名前も教えてもらえませんでした。
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