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2011年5月

2011.05.31

マン島TT日記~パドック・ゴシップ

Img_0187

(2011年5月29日(月)ビロウン・サーキットで行われたプレTTクラシックのパドックにて:本文とは関係ありません)

グランドスタンドで、とあるこっちのカメラマンに会うなり聞かれた。

「ヤマハのジャケットを着た日本人を見かけたけど、日本からたくさんヤマハの人が来てるの?」

彼がそう言うのは、1998年、ホンダ40周年のときの記憶から想像しているもので、あのときは確か、飛行機やフェリーを何台もチャーターして、700人だかのホンダ関係の日本人が島に溢れたのであった。

黎明期、マン島に参戦した当時のレース関係者で、その後、取締役や相談役クラスになられた方々がわらわらとやってきたものだから、きっと今年のヤマハ50周年記念イヤーにも、日本から大挙してやってくるに違いない、とみんな思っていたわけだ。


*  *  *  *  *

とあるパブで知り合ったバイク・マニアのツーリストから聞いた話によると。

「あるマシンを手にいれたんだけど」

とコソコソ切り出された。

なんでも、そのマシンはかつてTTを走ったワークスマシンで、家族からようやく売却の許可が出たので購入したのだという。
そのマシンについての曰くをなぜか私は知っていたのだけど、ワークスマシンという下りも、家族うんぬんという下りも事実とは異なる。

けれども、おそらく大金をはたいて苦労して手に入れたであろう彼の喜び具合に対して、事実はこうですよ、と言っていいものかどうか……。

ふつうの人々にとっては、王様の鼻毛が出ていたくらいどうでもいいパドックゴシップなのだけど、それだけで一晩飲み明かせるくらい、やっぱりここはバイクの島なのだ。

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2011.05.30

【追記あり】マン島に滞在されているみなさんに注意事項

1996年から16年目、18回目のマン島滞在です。

今年、マン島に来て感じたいくつかの点を挙げておきます。

①路面があまりよろしくない

TTコースをのぞいて、他の道路の路面には砂、路肩からの土砂、落ち葉などが浮いていて、たいへん滑りやすくなっています。
2007年ごろが景気のピークだったので、道路整備費のコストダウンが行われている?のかもしれません。

②クルマの駐車違反の取締りにご注意を

マン島では、場所によって駐車時間を表示る小さな紙のボードをダッシュボードに掲示することになっています。この駐車時間表示ボードはシーターミナルや警察で入手することができますので、必ず携行して表示するようにしましょう

③記録的な暖かさは去ってしまい、やっぱりいつもどおり寒い

先々週までとても暖かかったそうですが、今週はとても寒いです。天候もプラクティスウィークは安定してません。冬用のジャケットは必須です。もっとも、マン島TTのジャケットを土産代わりにこちらで購入するというのもアリですが。

④サッカー系のパブは念のためご注意を

マンUが負けたりすると(リバプールファンも同様に注意)荒れるサッカーファンがいますので、絡まれないようにご注意。
バイク好きが集まるパブか、サッカー好きが集まるパブかは,、お客さんの服装などで判別できますので、ご参考までに。

⑤速度規制場所が増えている

今年もTTウィークに入り、マウンテンはOnyWay(一方通行)になりましたが、なんと、一方通行開始のラムジーヘアピンからウォーターワークスまで50マイル(だったかな)の速度規制が敷かれています。しかも、先週の週末はそこで13人も切符を切られたのだとか。

マン島在住Jさん(60代、バイクエンスー)は

「政府のコマーシャル・ギミックだよね、「マン島は速度規制がありません、どうぞ、ライダーのみなさん、思いっきり走ってください!」だなんて。実際には、速度規制だらけになってしまって、ネズミ獲るようにホイホイ、ツーリストから違反金巻き上げるでしょ? いい収入だよね。ツーリストはそんな嫌な思いして、マン島がいい島だと思うと思う?」

などとおっしゃる。

ちなみに、速度違反の反則金は、日本円で14万円~28万円ほどと高額な上、外国人は逮捕されて刑務所行きという話もザラなので、くれぐれもみなさんご注意ください。


ほかににも、バス代がまた値上げされていたり(空港-ダグラス間、片道2ポンド60P)、ガソリンがレギュラー1ポンド44pと、昨年の1.22ポンドからさらに上がっていたりなど、物価高が気になります。

為替レートが以前より旅しやすくなっているとはいえ、十分な現金が必要かも。

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2011.05.28

【私信】神戸の宇佐美さま

私信です。

神戸の宇佐美さま、ご住所をメールにてお知らせくださいませんか。

あと横浜(?)の細貝(?)さんの件も合わせてお知らせくださいませ。

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これからマン島へいらっしゃる方へ、注意事項──空港間の乗り換え厳しいです

おはようございます。
5月28日土曜日、朝8時30分。マン島の天候は小雨。気温は10度くらい、日中の最高気温の予想は12度とのこと。けっこう寒いです。

さて、自分も今回、ロンドンヒースロー空港からガトウィック空港への乗り換えは、かつてないギャンブリングな展開となりました。
私はなんとか乗り換えに成功したのですが、(とはいえ、ガトウィック出発15分前に到着し、マン島行きが45分遅延していたため、運がよかった)ある方は乗り換えに失敗し、ガトウィックで一泊されたとのこと。

現在の空港ダイヤだと、ロンドン等で一泊することなくマン島にその日のうちに入るには、英国航空・ANA・ヴァージンアトランティックのいずれかの成田発ロンドン直行便を使い、ロンドンヒースロー空港からガトウィック空港発のFLYBE のマン島行き最終便(19時35分発)に乗り換える方法しかありません。

(11時45分発JALだと乗り換え時間が厳しいです。また、羽田発英国航空早朝便は、行きは乗り換え可能ですが、復路はロンドンで一泊する必要かあります)

現在、いくつかの事情が重なって、航空事情がひじょうに不安定になっておりますので、お知らせしておきます。


原因は、以下の通りです。

①福島原発事故の影響で、ヨーロッパ行きのルートが遠回りに変更されているため、到着が遅延しがち。

②アイスランドの火山噴火の影響で、ヨーロッパのフライトが全般に安定せず、成田出発、ロンドン到着ともに変更されがち

③アフリカや中東の情勢不安により、空港のセキュリティが強化され、入国審査、出国審査にたいへん時間がかかる

④成田-ロンドンヒースロー直行便は、ロンドン到着が15時から16時前後となるが、ロンドンの到着便が混雑する時間帯のため、上空で待機+駐機場待ちで地上待機となり遅延しがち

⑤16時ごろのロンドン~ガトウィック間の道路は帰宅ラッシュで大渋滞しがち

ヒースローからガトウィックへの乗り換えは、普通はNational Expressという空港間バスを利用します。所要時間は通常、1時間半くらいですが、夕方のラッシュ時は2時間から2時間半くらいかかることもザラです。

また、鉄道を利用することもできますが、ビクトリア駅で乗り換えが必要です。乗り換えを考えると、こちらも1時間半ほどみないといけません。

最後に、タクシーだとだいたい1時間で着くはずなのですが、やはりラッシュに巻き込まれると1時間半以上かかることもあります。

まあ、現状、どうやっても無理なものは無理なので、これからマン島にいらっしゃる方は、念のため、ロンドンかガトウィック周辺のホテルを検索しておくとよいのではないでしょうか。


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2011.05.27

消耗部品の選びかた

「○○○って何がおすすめ?」

長年、バイク業界周辺におりますと、このようなことをよく尋ねられます。

○○○に入る単語は、スプロケットだったり、チェーン、タイヤ、オイル、ブレーキパッドにディスクなどなど、さまざまな消耗部品です。

その趣意はたいてい、どんなタイプの製品を選べばいいのか、というよりも、どの銘柄=ブランドがおすすめか、という意味で尋ねられることの方が多いような気がします。

一口に「消耗部品」と言っても、バイクの部品の場合、それは性能に直結することがほとんどですし、とくに足周りやブレーキ関係のパーツは外観でも違いが“見える”というのがバイクの部品の特徴ですし、交換する“楽しみ”も生み出しています。

消耗部品には主に、

純正部品
純正相当代替部品
廉価版部品
高性能部品
レース用部品

などのラインナップがありますが、それでは、実際にわれわれユーザーは、消耗部品をどのようなきっかけで、何が決め手となって最終的な選択をしているのでしょうか。価格でしょうか、耐久性でしょうか、高性能でしょうか。

たとえば、スプロケットを一例に、自分の経験を思い起こしてみると──。

1.最初はバイク屋さんのアドバイスに従った

初めてスプロケットを交換したのは、バイクに乗り始めて2年目くらいのことだったと記憶しています。
初めての自分のバイクに、もう毎日楽しくて楽しくて、走行距離は伸びるばかり。2万kmほど走った頃、チェーンが伸びてきたので、バイク乗りの先輩に教わりながらチェーンの遊びを調整するのですが、調整しても調整しても、いわゆる「片伸び」してしまっていて、うまく調整することができなくなっていました。
そこで、バイク屋さんに相談したところ、

「チェーンだけじゃなくて、スプロケットも同時に交換した方がいいよ、とりあえず○○にしておけば?」

とのアドバイスをいただきました。当時は、スプロケットにアフターマーケットのブランドがあるということも、いや、「アフターマーケット」という言葉さえ知りませんでしたから、おそらく、純正部品に交換したようなうっすらとした記憶があります。

もし、そこでバイク屋さんが純正部品ではなく、「○○ってブランドがいいよ」とおすすめすれば、多分、それに従っていたことでしょう。

2.色で選ぶこともあった

『クラブマン』というカスタムバイク雑誌に所属していた割には、わたしは純正派であまりカスタムをしないのですが、それでも、アフターマーケットにはさまざまなブランドがあり、それぞれ色や製法、性能に特徴があると知ってから、それがブランド選びの決め手になることもありました。

スプロケットやハンドルバー、チェーン、サスペンションなどは、はっきりと各ブランドや型番によって色の違いがあることもあり、全体を黒くまとめたいならこのブランド、派手に輝くように見せたいならこっちのブランド、というように、性能の違いよりも、色の違いで選ぶこともあることが、いろいろなカスタムバイクの取材を通じて知ったことでした。

それらの色の違いを整理してみると、①ブランドカラーとしての色、②製法によるもの、そして③ドレスアップ目的と、3つの目的の違いに分類できますね。

3.現場の評判(=クチコミ)が決め手になることも

バイクの消耗部品は、性能部品でもありますから、高くても高性能なものを選びたいと思うこともあります。
しかし、使い込んだ部品から新品に変えたときは、新品の良さが体感できますが、新品同士、異なるブランドの性能の差を感じ取ることは、プロでもなかなか難しいのではないかと思います。
タイヤやブレーキ、サスペンションなどはインプレッション記事が書けるほど如実に違いが感じられるパーツですが、スプロケットやなんかは、新品時にはほとんど違いがわからず、はるか1万km、2万km使用したあとにようやく違いが現れます。
ですから、レースの現場や、バイク屋さんなど、日々消耗部品を扱っている方々のクチコミが、銘柄選びの重要なポイントとなるわけです。

実際、レースの現場では「○○はなかなかよかった」「○○を使ってたら不具合が出た」「○○は最近良くなってきた」というような話はよくしますし、それが銘柄選びに直結することもあります。

4.面倒見のいい担当者がいるかどうか。面倒見=情報量である

そう言えば、と気付いたのですが、用品店の店頭イベントや、ショーでの出展、サーキットでのレーシングサービスとして、面倒見のいい担当者がいると、ついつい話を聞いてしまい、それが銘柄選びの決め手になることもあります。

どんなに大きな規模の会社の製品でも、ただ店に陳列されているだけでは、色が黒いか、金か銀か、の違いでしかないものが、メーカーの担当者から直接、製品のあれこれを聞くことによって、ようやく、製法の違いだとか、型番選びのコツだとか、普段のお手入れの方法、交換時期、性能の違いなどなど、情報を得ることができます。

もちろん、賢いユーザーなら、能動的にインターネットやカタログなどで情報を得ている人もいらっしゃるでしょうけど、やはり、専門家の話はわかりやすいし、説得力があるし、疑問・質問への答えも話が早い。

とくに、スプロケットのように①性能の違いを体感しにくい、②性能の違いが見えにくい、という部品は、担当者の面倒見の良さが、ユーザーに対する情報量の多さに直結し、実際の売り上げの差につながっているような気がします。


……とまあこんな風に、スプロケット選びひとつとっても、さまざまなきっかけがあることがわかります。

弊ブログはバイクのユーザーさんが読んでいることを想定して日々、書いておりますが、メーカーさんからのアクセスも多いようなので、いちバイク乗りとしてメーカーさんにお願いしたいこととすれば。

新品時の性能の特徴は、広告やカタログで知ることができます。でも、5000km、1万kmと乗ってからどのように性能や消耗に差が出るのか、そのようなデータなんかも知れれば、もっと銘柄選びの参考になるのではないかと思います。

また、その製品の相性も知りたいですね。
たとえば、スプロケット×チェーン、ブレーキパッド×ローター、その銘柄×バイクのモデルなどなど。消耗部品はそうそう頻繁に交換するわけでもないけど、価格は一カ月の小遣いの大半を占めるほど高価だったりしますから、あらかじめ、データであれこれ知れるとありがたいですね。


もちろん、安ければいい、というユーザーもいれば、重くても耐久性の方が大事、というユーザーもいるでしょう。しかし、日本のバイクユーザーの平均像は、バイクブームを経た手練のバイク乗りです。ぜひともサプライヤーさんには、モデル適合だけでなく、世界に誇るサプライヤーさんの技術力を、われわれ末端のユーザーにもチラリと教えていただけると嬉しいな、なんて思います。

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2011.05.17

XJR1300が運転免許試験車両に採用されていた件~in神奈川県運転免許試験試験場〈二俣川(ふたまたがわ)〉

神奈川県は人口が多い割には1か所しかないという運転免許試験場の場所は、相鉄(そうてつ、相模(さがみ)鉄道の略)の二俣川(ふたまたがわ)駅、徒歩約12分。

そういえば最近、二俣川の運転免許試験場の隣の学校だった敷地を試験場に統合して試験コースのレイアウトが変わったり、駐車場の場所が癌センターの裏に変わったりしてます。

それはともかく。

試験場の試験車両と言えば、二俣川では古くはホンダCBX750ホライゾンからVFR750、そして近年ではCB750(セブンフィフティ)だったんですが、ついにオーバーナナハンが導入されました。それが意外にもホンダではなく……。

ヤマハXJR1300。

え? 一気に排気量が約2倍?(←それは言い過ぎ。でも80%増しくらい)
足付きが厳しくないかな?
というか、重いのでは?
普通四輪免許の試験でハイエースのロング使うみたいな? 1.5トンのトラック使うみたいな??

なんて思ったのですが、スペックを調べてみると意外や意外。CBセブンフィフティとめちゃくちゃ差があるというわけでもなく。

【ホンダCB750】

最大出力 75ps/8,500rpm
最大トルク 6.5kg・m/7,500rpm
常時噛合式5段リターン
シート高 795mm
車両重量 235kg

【ヤマハXJR1300】

最大出力 100PS/8,000rpm
最大トルク 11.0kgf・m/6,000rpm
常時噛合式5段
シート高 795mm
車両重量 245kg

シート高は、実は両者とも同じ。(実際にはシート幅やサスペンションの違いなどで足付き性は異なる)
重さも10kgしか変わりません。
とはいえ、パワーとトルクはXJR1300の方が断然上なので、スラロームやクランクで戸惑うことがあるかもしれませんね。

関係ないけど、最大出力を表すニュートン・メートルという単位、いつまで経っても慣れません……。

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2011.05.15

「ガレージ&ホビースペースEXPO2011」は今週5月18日(木)~22日(日)開催

『朝日すまいづくりフェア ガレージ&ホビースペースEXPO2011』が、東京ビッグサイトにて開催されます。

以前、この展示会を見学したことがあるのですが、バイクガレージなど建物や物置など単なる建物の商品展示だけでなく、ずらりと並んだシャッター屋さんの展示でシャッターを比較することができたり、ガレージの中をどう快適に利用するかガレージ内インテリアの提案など、ガレージ作りの参考になる展示が勢ぞろいします。

基礎をどうすればいいのか、地面と床面との段差は? バイクガレージに最適な床材は? などなど、いろいろな質問・相談に各社の担当者が親切に答えてくれることでしょう。

たとえば、ガレージ専門の設計事務所やなんかも出展していて、ガレージならではのお悩みに応えてくれることと思います。

以下、開催概要です。

展示会名称 朝日 住まいづくりフェア2011

ガレージ&ホビースペースEXPO2011(旧ガレージングEXPO)~日本唯一の趣味空間づくりの専門展示会~

会期 2011年5月19日(木)・20日(金)・21日(土)・22日(日) 4 日間 10:00~17:00

会場 東京ビッグサイト(東京国際展示場)西3・4 ホール

入場料 2,000円 ただし、来場事前登録を行うと入場料が無料に。(中学生以下無料)

我が家の“バイク小屋”もそろそろ朽ちてきたので(親戚んちの杉の間伐材を使ったのですけど、防腐・防虫処理などちゃんとしなかったため……)、いま取り組んでいることが達成できたら、次はガレージ作りかな、と目論んでいるところ。その前にバイクやらパーツやらの処分が先かもしれないけれど。

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2011.05.13

[お知らせ]KTMオフィシャルブログでメディア試乗会のDUKE125インプレ動画が公開に

先日、千葉のフォレストパークで大々的に開催されたKTMイッキ乗りメディア試乗会の模様が、KTMのオフィシャルブログで次々にUPされています。

同ブログには様々なコンテンツがUPされているのですが、今回の試乗会の様子は動画でも公開されています。
中には各メディアのライダーのインプレも。

KTM 125 DUKE メディア発表試乗会開催!雑誌テストライダーのインプレッションを聞きました。第一回

メディアの皆様の試乗インプレッション 第二回。125 DUKEに乗った印象をお聞かせください。

自分で自分を観ると、なんか、コマコマ動く機械仕掛けのオレンジ人形みたいで、コッパズカシイ。

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2011.05.11

発生率〇%に関係なく、備えよ常に

「30年以内に東海地震が発生する確率は87%」

こんなデータを根拠に、中部電力浜岡原子力発電所の稼働を中止する、というニュースが駆けめぐりました。

原発はひとたび事故が起きれば、その影響の大きさたるや計り知れないわけですが、現代社会においては原発だけでなく、あらゆる「事故のリスク」に対して常に憂慮しなければならないようになりました。

それでは、われわれライダーに身近な話題として、「交通事故に遇う確率」とはいったい、どれくらいなのでしょうか。

少し古いデータですが、2002年に国土交通省の社会資本整備審議会が発表した資料によれば、次のような数字が挙げられています。

・1年間に事故に遇う確率は0.9%

・人生で交通事故に遇う確率は約47%。言い換えると、一生のうち交通事故に遇う人は2人に1人

もっとも、この計算式は、年間の交通事故死傷者数÷日本の総人口=1年間で事故にあう確率=0.9%とし、一生を80年と仮定した上で導き出した「1年間に事故にあわない確率」を53%としたという「確率」を表したもので、年齢層の分布や、複数回数、交通事故に遇う場合、運転者のスキルなどは考慮したものではありません。

どれだけの人か交通事故に遇うのか、という統計については、たとえば、

・国民の●人に一人は一生のうち一度は事故に遭う

・国民の●人に一人は交通事故で死亡する

・1日に●件の交通事故が発生している

・1時間に●件の交通事故が発生している

・1日に●人が交通事故で亡くなっている

・1日に●人が交通事故で負傷している

・●時間に1人、交通事故で亡くなっている

・●時間に●人が交通事故で負傷している

のような文章で表されることがあります。
これらは、独立変数と従属変数を、日本の人口、交通事故死者数、交通事故負傷者数、交通事故件数、1年間、一生のうち、などにそれぞれ当てはめて数字を均したものです。

しかし、それらの数字は、わたしたちが理解しやすい「1年間」や「1日」「1時間」という単位の中に、これまた理解しやすい「人数」という概念を当てはめて、感覚的な理解を促すためのものであって、単純に「意外と交通事故に遇う確率って高いんだな」などと知るための指標に過ぎません。
確率とは統計の中央値を示すものではないので、交通事故の傾向を知ることはできないし、対策を立てることもできない数字なのです。

(ですから、上記の黒ベタ丸には敢えて数字を当てはめていません)

警察署によっては、「交通事故に遇いやすい星座」なる統計まで発表することがありますが、これはあくまで交通安全に対する国民の興味を掘り起こすための「ツカミ」的なツールと考えてよいでしょう。

交通事故の起きやすい傾向を知るには、人数や時間など積み重ねた数字ではなく、場所や道路の形状、時刻、曜日、月、天候、年齢層、状態別(どんな車両を運転していたか、または歩行者か)などミクロのデータを、クロス集計したものが役立ちます。

たとえば、よく知られているのは「交通事故の起きやすい時間帯」です。地域特性によって異なる場合もありますが、朝夕の通勤ラッシュ時は交通事故が起きやすい時間帯です。とくに、夕方は帰宅時間帯で交通が集中するだけでなく、日が沈んで薄暗くなり視界が狭くなることも事故が起きやすくなる要因の一つであると考えられます。

ここから考えられる対策としては、まずは、クルマやバイク、自転車は早めのヘッドライト点灯。道路施設は街路灯を増やして道路を明るく照らす。歩行者は明るい服装や反射材を使った服、靴、バッグを使用する、などの対策が考えられます。これらの対策は、「交通事故に遇う確率○%」なる数字からは想定できないものでしょう。

同じように、交通事故の起きやすいモノゴトを警察庁の統計などから探ってみますと……、

・場所(交通量の多い道路、中央分離帯のない道路、見通しの悪い狭い道路など)

・道路の形状(交差点、カーブ、道路の出入り口など)、曜日(運転に不慣れなドライバーが多く運転する土日祝日、
交通量が増える月曜日・金曜日・祝日前日など)

・月(引っ越しなどで交通量が増える3月、雨で路面が濡れる6月、行楽客が増える8月など)

・天候(雨や雪、霧など)、年齢層(初心者、高齢者など)

・状態別(歩行者、自転車など)

など、交通事故発生には、ある程度の傾向があることがわかります。

もしも交通事故が起きたとして、最小の被害にくい止めるための方法も考えていかなければなりませんが、道路構造や防護するための装備を整えるにも限界があります。

たとえば、バイクの場合、固い構造物にぶつかることで被害が大きくなるということが分かっています。ならば、ガードレールなどを無くせばいいのか。ガードレールがなくなったら歩行者はどうなるのか。
ならば、ライダー側で防護すればいいのではないか。革ツナギを着る、ネックガードをする、チェストガードに脊髄パッド、肩パッド、肘パッドなどを装着する……。しかし、鎧を被っているようで運転しにくくなるし、夏場は暑くて運転に差し支えそう……。

このように考えてみると、交通事故は事故の要因と起こりうる結果に関係する因子が多過ぎて、いったい、どうリスクを評価し、どうリスクをマネジメントすればいいのか途方に暮れてしまいます。

それでも。
有体な言葉ではありますが、スカウト(ボーイスカウト、ガールスカウト)のモットーであるこの言葉を掲げたいと思います。

備えよ、常に

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2011.05.04

避難訓練と、全校生徒で腕立て伏せ

わたしが中学生の頃は、暴走族全盛時代が過ぎ去り、若者のエネルギーの捌け口の矛先が学校に向けられ、「校内暴力」が跋扈するという「荒れた中学」時代だった。

自分が通っていた公立中学校は、学区の半分が大企業勤務者向けの住宅地、半分は商社や航空会社系の家族が住む団地や宅地だったので、安定した親の収入もあってか、先生方が市内の偏差値ランキングが高かったとかいう過去の栄光を自慢するような、そんな校風だった。

しかし、その母校にも「荒れた中学校」時代が訪れる。
象徴的だったのは、隣の中学の生徒が起こした、いわゆる「プー太郎狩り事件」。桜木町あたりで浮浪者(当時の表記による)を中学生が憂さ晴らしのためだけに襲撃し、死亡させたという事件だ。

その頃、どの中学校にも「不良グループ」が存在し、母校もまたご多分に漏れず、そのような生徒は各クラスに一人か二人ずつは存在していた。

反社会的行為を働くのが彼らの“仕事”だったから、9月1日の始業式後、横浜も酷い被害を受けた関東大震災の日に必ず行われる「避難訓練」は、「かったりー」行事の筆頭であった。

いつもの避難訓練は、こんな感じで行われていた。

「えー、さてー、このあと非常ベルが鳴りますからね、そしたらいったん机の下に潜って、先生が合図したら列を作ってすみやかに校庭に出ましょう。走ったり、ふざけたりしないこと。校庭に整列したら点呼を取ります。えー、ではー……」

先生すらもだるい感じで注意事項が告げられたあと、ジリジリジリと火災報知機が鳴り出す。

そのダルさと言ったら、真夏の太陽が照りつける校庭での整列で、一気に気持ちまでダレさせてしまう。

今考えれば、火事であれば誰かが火災報知機を鳴らすかもしれないが、地震ならば、非常ベルが勝手に鳴り出すなんてことはないんである。それだけ、思考停止なルーティーンの行事だったのだ。

だいたい、小学生の頃から高校生まで、「廊下は走るな!」とわれわれは教育されてきている。避難訓練のときでさえ、ふざけて走り出したりすると、「ちゃんと列を作れっ!」なんて怒られたりする。大いなる矛盾である。

そういえば小学生のころ、台風やなんかで暴風雨警報が出ると、まさに「ボウフウウ!」って感じのときに集団下校を強いられてびしょ濡れになったり、光化学スモッグ警報が発令されると、カンカン照りの中、意識が朦朧としながら下校を強いられたりしていた。一番ひどい天候のときは、学校に待機させればいいのに、と子どもながらに思ったものである。
そんなこんなだから、毎年1回か2回行われる避難訓練もまた、そんなのやったって何の意味があるの?と、わたしだけでなく、ほとんど全員の生徒が、いや、先生すらも思っていたのではないか。

しかし、そんな気持ちを吹っ飛ばした出来事が、ある年の避難訓練のときに起こった。

避難訓練のときはたいてい、消防署から消防士さんたちが派遣されてきて、お楽しみ(?)の脱出シューターは誰がチャレンジするのか、とか、放水デモンストレーションだとか、そんなことにしか興味が沸かず、荒れた中学校の生徒たちは、相変わらず、ダラダラと行動していた。

ところが、である。

何かいつもと違うな、と感じたのは、避難を促すそのアナウンスが、いつもの先生の声ではなく、派遣されてきた消防士さんとおぼしきものであったときだった。しかも、その声はたいへんに緊迫感のあるものだった。

さらに、緊迫感を煽ったのは、各階の階段脇あたりに消防士さんが立っていて、

「走れっ! ダラダラするなっ!」

と叫んでいるのである。いつものダラけた避難訓練とは何か様子が違う。

だけど、これはあくまで「訓練」。しかも今までだったら、学校の言う通り避難すると一番、風雨が強いときに家に帰されたり、一番、日差しが強くて空気が濁っているときに帰されたりしてきたんだから、本能的にこれはもう、意味のないものだってのがみんなの心に刻み込まれている。
たまに来た消防士さんに叫ばれたって、そんな急に心変わり出来るもんじゃないのである、荒れた中学生どもは。

グランドにようやく整列が終わった1200人の生徒たち。

壇上に上がる一人の消防士さん。

どうせまた、ありがたーいハナシをするんでしょう、さっさと帰りたいよね、始業式だしね、とざわつく生徒たち。眩しい夏空からは強い日差しが照りつけ、夏休み気分が抜けない生徒たちはいっこうに静まる気配がない。

壇上の消防士さんは、その様子を厳しい顔付きで見守っている。

5分。

10分。

ジリジリと日差しは容赦なく照り付け、じとーっと汗が頬を伝う。

15分ほども経ったころだったろうか。ようやく、様子がおかしいと思い始めた生徒たち。壇上に登ったのに、いっこうにしゃべりださない消防士さんに気付き、いったん騒めきが大きくなったあと、これ以上ないってくらいに静まり返った。

おもむろに、マイクに向かう消防士さん。

オマエラーっっ!!!

怒り狂った叫び声がスピーカーを通じて校舎と校舎にこだまする。

ふざけんなーっ!!!

1200人もの生徒全員が、一瞬で身が縮まった。
これまで体験してきた先生方の、どんな怒り方をも凌駕する、真剣なる一声。

そこから、その若い消防士さんの長い長い「説教」は始まった。

いかにして消防士になったのか。
どのような訓練を受けてきたのか。
どんなに訓練を受けても受けても、火事の凄惨な現場では役に立たないこともある。
火事の人的被害とはどんなに恐ろしいものか。
水場の事故とはどんなに恐ろしいものか。
交通事故とはどんなに儚いものか。

ときにはホラーにすら感じられる、生々しい実体験を交えつつ、消防士さんは1200人を相手に小一時間くらいは語っただろうか。
その間、1200人は一切、口を聞けないほどの大迫力。

そして最後に、消防士さんはこのようなことを言った。

「ぼくらは君らの命を守る義務がある。助けるべき人がふざけていては、助かる命も助からない。だから、まずは今日のような避難訓練をないがしろにせず、真剣に取り組んで欲しい。君らは君らで自分の命を守る努力をしてほしい。真剣に取り組むことで、命を守るとはどういうことか、わかるはずだ」

そして……。

「今日の君らの痛みを身体に刻み込ませるために、今から腕立て伏せを行うっ! 腕立て伏せ30回っ! オラっ! 早く準備しろっ!」

そう言って、ほかの消防士さんたちも全員、地面に伏せた。

「いーーちっ! にーーーぃっ!」

真夏の炎天下、何がなんだかわからないまま、消防士さんの迫力に押されて土のグランドに伏せる全校生徒1200人。

「じゅーーーぅっ! おら~っ! 休むな!」

結局、全校生徒1200人全員が腕立て伏せを完了、みんなの制服は土埃で真っ白に。汗にまみれた顔や手足には、ベッタリと土埃がまとわりつく。

今だったら、公務員によるこんな“体罰”は許されるものではないだろう。しかし、この体験は確実に、命と真剣に向き合うことを感じさせてくれた出来事であった。


* * * * *

閑話休題。

バイク乗りも、ふざけてるんじゃないかって思うくらい、ラフに乗る人を見かける。
若ければ若いほどその割合は多い。
そういう人こそ、事故に遭いやすいはずなのだけど、幸か不幸か、運良く、いい年した大人になっても、痛い目に遭わない人というのは一定数、存在する。そして、若い頃と同じようにラフな運転をし続ける。
そんな人と話してみるとたいてい、自分が事故に遭ったことがないだけでなく、大事故・重大事故の目撃経験がない場合が多いように感じる。

人間、経験がないことは、これからも起こらない、と勘違いするように出来ている。

自分の場合、幸か不幸か、バイクに乗り始めてすぐ、死亡事故の一部始終を目撃するという経験をした。それによって、バイクとは命懸けの乗り物なのだと早期に自覚するようになった。

もちろん、そのような経験はないに越したことはない。

ならば。

少しでもリスクを回避するための方法とは、想像力を養うこと、そして普段からの「訓練」に尽きるのではないか。

3.11大震災からようやく少しの時が経ち、中学生時代の避難訓練を思い出してこんなことを書いてみました。

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2011.05.03

[お知らせ]RSタイチさんのサイトで紹介されてます

このところ、お知らせ続きなんですが。

RSタイチさんのライダー紹介ページに、僣越ながら不肖小林ゆきを掲載していただいております。

いやぁ、なんか、うれしはずかし。

「タイチさんとはもう長いんですか?」とクシタニさんに訊かれたんですが、バイクでも何でも物持ちがいいわたしは、ウエアもなぜだかずっとRSタイチさんにお世話になっているんです。

出会いは、バイクの免許を取ったばかりの大学1年生のころ。

硬派系のライダーの先輩が、「ライダーたるもの、革のグローブ、革のブーツは必須。」とおっしゃるので、上野のバイク街にいそいそと出かけました。

わたし、身長の割に足はわりとデカくて、24.5~25cmないし、イタリアサイズ40という大足なので、革のブーツはメンズ用でもたやすく見つけることができます。
しかし、手は普通に女性サイズ(ピアノで言うと、9度=1オクターブ+1音がギリギリ届くか届かないかくらい※)の「指短め」なので、メンズ用だとブカブカしてしまいます。

(※手は小さいんですが、小さいころから指の“また”を開く訓練をしていたため、かろうじて9度届きます。)

そんなとき、上野の昭和通りの線路と反対側にあったD'sかどっかで見つけたのが、

NIKE NIXE

のレザーグローブでした。

ナイキではなく、ニケと読みます。ナイキが有名になるもっと前から、RSタイチのニケシリーズはありました。さるケビン・シュワンツ選手が着用して一気に「RSタイチ」の名前を世界に知らしめることになった、あのNIKEシリーズのSサイズのグローブでした。

当時、革のグローブひとつ買うにしても、大学に入り立てで時給750円(って、今のバイトの時給と全然変わらないなあ、バブルだったなぁ)では、なかなか手が出ない金額。
なので、何軒も回って、時間をかけていくつも試着して、その中で一番革の手触りが良く、サイズもピッタリだったものをようやく購入したのが、あのRSタイチのNIKEのグローブだったという記憶があります。

時は過ぎ、バイク便をやって、日本一周の旅も終え、手元のNIKE NIXEのグローブも何双目かになり、大学卒業後にはラ・モトというツーリング雑誌で編集者をしていました。

初めて巻頭特集の取材に行くことになり、編集部の先輩に、「巻頭特集に出るんだったら、ウエアを揃えなきゃな。ウエアは何を使ってるの?」と聞かれました。

そのとき使っていた用品は……。遠い彼方の記憶をたぐりよせますと。

・ヘルメット→SHOEI
・ジャケット→冬用SHOEI (昔、純正ジャケットがあったんですよ)、夏用D's
・グローブ→RSタイチ NIKE
・ブーツ→スティルマーチン

こんな感じだったと思います。

先輩はそのリストを聞いて「うーん……」と考え込み、「じゃあ、RSタイチさんにお願いしてみっか!」と言い放ち、その場ですぐに電話をかけはじめました。
やがて、「オッケーだって! 行きに大阪に寄るぞ!」ということになりました。

取材はまず名古屋でカメラマンをピックアップし、大阪のRSタイチ本社に寄り、担当者に挨拶をし、ど新品のウエアを上から下まで揃えてもらい、京都府の日本海側へと取材に向かった、というのが、業界に入ってからのわたしとRSタイチさんとの出会いでした。

その後、サーキット走行をするようになってからは、レザースーツもRSタイチ製品を使わせていただいており、短腕短足のわたしにもピッタリのものに毎回、調整していただいております。

いつだか、自身4着目のツナギをオーダーで作ることになり、採寸に出かけたときのこと。
女性スタッフさんが採寸してくださったのですが、

「あれ~、まぁ~、ホントだ~!!」

と、なにやら感嘆されまして。

「何が“ホント”なんですか?」

と尋ねたところ。

「あ、いや、ゴメンなさい、いや本社から“特殊体型”だってのは聞いてはいたんですが……。ホントに短いんですね!!」

と、手脚の短さに驚かれました(苦笑)。
なんでも、脚が「標準」より4cmほど短いんだそうですが、腕までもが「標準」より4cmも短いのだとか。
しかも、肩幅は身長161cmなのに、わずか33cm!(普通は38cmくらい)と、5号サイズ以下どころか、子供服並み(涙)の体型なんだとか。
確かに、7分丈の袖でも、自分の場合、普通に長袖になっちゃいます……。

というわけで、RSタイチ公認の短腕短足を自認しているわたしですが、気がつけばバイクライフのほとんどをタイチ製品と過ごしています。

※もちろん、そもそもタイチ製品は手足の長さは“標準体型”向けになっております

もちろん、いろんなメーカーのものを試すのも楽しいと思います。わたしのように物持ちがいいタイプの人間の場合、ちょっとしたリニューアル──たとえば、襟裏のタグがプリントになったからチクチクしなくなったな、とか、ポケットのジッパーの向きが変わった?とか、ほんの些細な工夫や試行錯誤──が感じられるというのもまた楽しいものです。

お知らせついでに、思い出を語っちゃいました。

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