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2011.01.26

電動アシスト自転車と原付バイクが共存していくために

●電アシ自転車vs二輪車市場が新聞の夕刊一面の記事に

昨日のツイッターのTL(タイムライン)上で話題になっていたのは、読売新聞の夕刊1面に掲載されたという次の記事でした。

電動アシスト自転車出荷台数、二輪車抜く

電動アシスト自転車の2010年の国内出荷台数(速報ベース)が、前年比4・6%増の38万1721台となり、バイク全体(38万242台、外国メーカー車を除く)を初めて上回った(2011年1月25日14時31分 読売新聞

ちなみに、輸入二輪車の登録台数は約3万5000台から4万台と推測されるので、実際の二輪車新車需要は41~42万台と思われます。

産経新聞では2010年上半期の時点で、次の記事を掲載していました。

若者のバイク離れ 上期で電動自転車に抜かれる(2010年8月20日付)


●原付が抱えるハンディ

たしかに、原付(原動機付き自転車、第一種原付)は電動アシスト自転車(人の力を補うため原動機を用いる自転車、駆動補助機付自転車、電動補助自転車、電動ハイブリッド自転車)に比べて、次の点で大きなハンディを抱えていると言えましょう。

・免許が必要

・免許取得時講習を受けなければならない
(神奈川県の場合、講習時間は3時間、料金は4050円)

・初心者運転期間がある
(免許を取得して1年以内に3点以上(1回の違反で3点の場合は再び違反等で合計4点以上)の交通違反、交通事故を起こした場合、初心者運転講習が義務となり、受けない場合は免許取り消し)

・ヘルメット着用義務

・時速30キロ規制

・二段階右折

・国産車の場合、多くは最高速度60キロのリミッターが付いている

・二人乗りができない

・自賠責保険の加入義務

・税金を払わなければならない

・車両にバックミラー、灯火類などの装備が必要

電動アシスト自転車に限らず、自転車は免許不要はもちろんのこと、ヘルメットは子ども以外は着用義務はありませんし、歩道は走れるし、子どもとの二人乗りもできるし、保険の加入義務もありません。

それよりなにより、自転車による信号無視や一時停止無視、逆走、過度なスピードなど交通法規無法状態はいまだ黙認されている状況が、電動アシスト自転車普及に一役買っているのではないでしょうか。


●電アシは原付市場を喰っているのか

果たして、電動アシスト自転車の需要は原付バイクの需要を喰ってしまっているのでしょうか。

その点については、「日本国内の二輪市場から見えてくる実状(日本二輪事情、2010年版)」としてまとめられているサイトに非常に詳しくデータが解析されています。

レスポンスによれば、ホンダも電動アシスト自転車市場に再参入するようです。(「【池原照雄の単眼複眼】快走するアシスト自転車、ホンダも再参入へ」

二輪シェアナンバーワンのホンダですら、自転車に参入するのですから、これはもう、両市場がうまく共存できる方策を真剣に考えなければいけない時が来たのではないでしょうか。


●電動アシスト自転車と原付が共存していくために

バイクに関わるかたがたと話をしますと、いろいろアイディアはあるのですが、わたしが現実的ではないかと考えているのは以下の点です。

・自転車に交通事故保険の加入義務づけ

・電動ハイブリッド自転車に時速15キロのスピードリミット装置設置の自主規制

・自転車の最高速度規制創設と、取締の実施。具体的には、最高速度10キロ程度の規制

原付の車両規格の見直し
(→具体的には、排気量を10%アップの55cc、それに付随してブレーキ性能と車体強度のアップ、それに付随して車格を若干サイズアップ、それらを行った上で、最高速度規制を30キロから40キロへ)

自転車への交通事故保険は、購入時に義務化し、期限なしにすれば更新の必要もなくなります。
現在、原付の自賠責保険は5年で1万4070円とのことなので、台数の多い自転車ならば、期限なし自転車交通保険を1万円程度で実現できないでしょうか。

電動ハイブリッド自転車のスピードリミット装置は、技術的には可能でしょう。
時速15キロというのは、現在免許が必要となっている小型特殊という乗り物の最高速度を基準に考えました。
小型特殊で運転できる乗り物は、農耕用のトラクターや、市場で見かけるターレという乗り物が相当します。

自転車の最高速度規制を法制化するのはなかなか難しいとは言われていますが、現実的に、普通の「ママチャリ」でも真剣に漕げば30キロ以上出てしまいますし、スポーツタイプの自転車ならば、40キロ、50キロは軽く出てしまいます。それなのに、原付がいまだに30キロ規制とはこれいかに。
上記の小型特殊が時速15キロに規制されていることを考えると、自転車は時速10キロに規制して、取り締まり、とくに歩道上でのスピード取り締まりを行うようにしてはどうでしょうか。

原付の車両規格の見直しというのは、軽自動車の規格が二段階に大型化・大排気量化した経緯を鑑みてのことです。軽自動車は排気量が360cc→550cc→660ccと上げられてきた経緯があります。

原付が現在、時速30キロに規制されているのは、「そもそも、そのような車両の規格・性能しかないと考えている」(警察関係者)とのことでした。時速30キロ以上出せない、あるいはそれ以上出すと止まれない、と警察は考えている、というのです。
ならば、道路運送車両法上の規格そのものの見直しをしてもいいんじゃないかという気がいたします。

日本で「フル電動」の自転車が許可されず、苦肉の策として登場した電動アシスト自転車ですが、国際的にはガラパゴス自転車なわけですし、二輪車市場のことだけでなく、交通安全という視点で考えても、そろそろ真剣に自転車に対する規制を行うのは、やむを得ないのではないかと考えております。

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