「ヤマハがピアノ教室を開いたように」スズキ会長兼社長
スズキの会長兼社長、鈴木修氏が次のようなことを語ったそうです。
「ヤマハがピアノ教室を始めたように自分たちも免許スクールをやるようなことがあるかもしれない」(静岡新聞 1月7日付け記事より)
スズキは日本の二輪車4メーカーの中で、唯一、指定教習所を持たないメーカーです。
(参考:メーカー系教習所の教習車事情)
メーカーが教習所を運営するのは、一定の効果があるとは思うのですが、今から参入するのはどうなのでしょうか。
警察白書によれば、ここ5年で毎年10校づつ指定教習所がなくなっています。
指定自動車教習所の数の推移(平成14∼18年)年次 総数(所)
14年 1,484
15年 1,472
16年 1,459
17年 1,450
18年 1,441(平成19年警察白書のデータより)
つい最近も、八王子と北海道で教習所が破産、というニュースがありました。
少子化とクルマ離れ、東京近郊圏の公共交通機関の発達でますます免許取得人口は減っていくものと思われます。
二輪車の教習は指導員一人に対して複数人数の教習が可能ですから、多少、利益は見込めますが、値引きキャンペーンをやったら教習生が殺到した、なんて話もあるので、教習はもはやコモディティ産業。結果的に新車販売に結び付けばいいかもしれないけど、経営はかなり苦しいかも。
教習所と言えば、普通二輪車免許(小型限定)のマニュアル車の国産二輪車ラインナップが事実上、消滅しているに等しい状況になっています。
一応、ホンダのXR100やエイプ100があることはありますが、免許区分としてカテゴリー分けするほどの需要状況でしょうか? 車体は50ccでエンジンはボアアップバージョン、乗り手の実態は、普通二輪免許所持者、ではないでしょうか。大型二輪のAT限定を650ccに規制する理由も理解できません。ならば、小型限定は100cc以下にすべき??とかなってしまう。
もう一つ、やはり挙げたいのは、バイク駐車場の圧倒的不足です。
停めるところがないのでバイクに乗らない。バイクが必要ない。
これらは、社会的な実態とのミスマッチなわけです。免許取得者が増えない背景は、教習所が少ないことではなく、社会的実態に即していない免許制度とか、法律上の区分が一貫していないこと、そして、実際に乗りたくとも停める場所がないという社会構造的問題が含まれているのです。
ですから、今早急にアクションを起こすべきは、メーカーで教習所を興すことではなく、既存の教習所がもっと教習しやすい制度だとか、既存の免許制度を維持するにしても、その制度に即しつつ実態社会でも需要が伸びるようなバイクのラインナップを揃えることとか、そのようなバイクのラインナップを揃えるには国交省の規制が厳しいというのであれば、規制自体がエビデンスのあるものなのか検討して国に訴えかけるだとか、バイク駐車場経営は今さら難しいというのであれば、駐車場経営に対しての国の補助なりを取り付けてバイク駐車場が増える→バイクに乗ろうかなという人が増える、みたいな構造改革を促すのが先決ではないかと。
いや、今までもそんなことはやっているかもしれない。しかし、大きなロビー活動ではなかったかもしれない。日比谷公園に年末年始テントを張るような活動をしないとニュースに登場できない世の中なわけです。
二輪車メーカーは基本的に輸出産業として発展してきましたので、国内需要が手薄になっていたのではないかとよく言われますが、内田樹さんのこの記事ではないですけども、日本の二輪車マーケットってそんなに小さ過ぎるマーケットでもないように思います。ただし、十分掘り起こせば、の話ですが。
話はいったり来たりしますが。
免許取得のための教習所経営は今から参入するのは厳しい、と書きましたが、種の蒔き方、畑の耕し方はほかにもあるはず。
ヤマハ音楽教室の場合は、指導者を養成して個人の音楽教室開設で種をさらに蒔きました。
バイクの場合は、例えば、初心者へのライディング講座とか、ツーリング先導インストラクターを養成してツアーするとか、そんな感じでしょうか。
そんなことはすでにやってるか。
社会構造の変革につながっていない活動なので実を結んでいないのかな。
今日の記事はとりとめなくてすみません。
★追記★
鈴木会長のいう「免許スクール」とは、運転免許に限らず、広い意味での“種まき”のメタファーなのかもしれないな、と、ふと思いました。そうだったらいいな。
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