ヤンキー座り絶滅してジベタリアン
わたしがバイクに乗り始めたころ、もっとも抵抗があったのが、ツーリング先でちょっとした休憩のとき、ライダーたちが抵抗なく地べたに座ることであった。
そういうことをしちゃいけませんと躾けられた世代なので、とっても心理的に抵抗があったのだが、いざ殻を破ってみると、なんとういか解放感的な感覚が味わえたことが驚きだった。ささやかなる社会への抵抗というか。
でもね、最近できた近所の地下鉄駅前にたむろしている子たちは地べたに座るどころかみんなあぐらかいてるのはちょっと、と思う。
鉄道車内で地べたに座る高校生は地方だけの話かと思ってたら、最近、横浜市営地下鉄内でも見かけたので本当に驚いてしまった。

(佐藤郁哉, 1984『暴走族のエスノグラフィー―モードの叛乱と文化の呪縛』P241 図7 暴走族のポーズ、いわゆる「うんこすわり」あるいは「ヤンキーすわり」)
社会学者の佐藤郁哉氏が著した著書の中に、上のような「ヤンキーすわり」のイラストがあって、そういえば、かつてはよく街角で見かけたけど、最近見ないなあと思い出した。
ヤンキー座りの最終目的は、“オオヤケ”の空間であるところの道路は誰が何をしているかわからないので、そこに服のお尻を絶対に付けないという最後の手段だったのではないか。
「不良」「ツッパリ」という言葉がまだ生きていたころ、オオヤケ空間の道路には、タバコの吸殻、ガム、ゴミ、たん、つば、う○○、などなどいろんなものが落ちてたような気がする。そんなところに座って服を汚したくないという、最後の抵抗がヤンキーすわり?
不良、ツッパリが絶滅し、カラーギャング、チーマーも死語となったいま、道路や電車・列車内は半径2mくらいは“ワタクシ”空間となり、わりと何をしても許されるようになったみたい。
日本語の若者ことばの英訳語彙集というサイトによれば、ジベタリアンという言葉は「1995年頃に出現し、主に(年配の)評論家が現代の若者を批判するときに使われる」とあるが、たしかに今から軽く10年以上前の言葉だったように記憶している。
あの頃は、街角でただ地べたに座る若者を指す言葉だったと思うけど、今や、座るどころか自分の部屋のようにあぐらをかいて、周りに化粧品やお菓子やジュースを置いて“自分空間”を作っているのを日常茶飯事のように見かけるようになった。
だからなにというオチはないど、いわゆる「うんこすわり」「ヤンキーすわり」は、暴走族様式(モード)を表すアイコンでしかなくなったのかもしれない。
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