バイクは趣味の乗り物か、コモディティか
ケルンのINTERMOT(インターモト)で、とある日本メーカーのプレスカンファレンスで気になる発言が。
MC「今回のニューモデルはどの部分から開発が始まったのですか? エンジン? シャーシ? デザイン?」
メーカー開発者「いえ、マーケティングです(にこっ)」
これには我が耳を疑った。そこで発表されていたのは、紛うことなくスーパースポーツというカテゴリーのバイクだったからだ。
スーパースポーツとは、性能を追究して極めたものがスーパースポーツではないのか。
このメーカーは東京モーターショーでこんなことも言っていた。
エライ人「バイクは趣味の乗り物ですから」
これにも我が耳を疑った。趣味にするかどうかはユーザーが決めることではないのか。
企業側がバイク“趣味”と規定してしまえばマーケットは拡大しないではないか。
この二つの矛盾しているとも思える理論を、自分なりに納得させる帰結。それは、
『スーパースポーツはもはやコモディティ化している』
スーパースポーツは1998年ごろから始まり、2000年あたりのブームを経て、すでに既存のマーケットには浸透した。
あまり考えたくはないが、今ときの(ヨーロッパや北米の)ユーザーは、レーサーっぽいデザインで、前傾姿勢のきついセパハンで、1000㏄で、ハイパワーで、センター出しアップタイプのマフラーで、タイヤが太ければ、ヤマハでもホンダでもスズキでもカワサキでも、赤、青、黄、緑、白、黒、シルバー、なんでもいいのだ。売っている店が自宅から近ければそれでいいのだ。他メーカーより安ければそれでいいのだ。清成龍一選手がイギリスのスーパーバイク選手権でシリーズチャンピオンを獲ろうが、関係ないのだ。
考えたくはないが、きっと、たぶん、おそらく、そんなところにまでスーパースポーツというカテゴリーは到達してしまっているのだろう。
「マーケティングから開発しました」という、世界の二輪ジャーナリストさんたちを失望させるようなメーカーの本音は、意外にも、世界における日本メーカーの立ち位置を端的に表している。
かつて強烈な個性を放っていたBMWが、トライアンフが、 ドゥカティが、KTMが、日本メーカーのお家芸であったマルチ・カテゴリー展開に追従し始めたからである。
何でも屋が跋扈し始めたとき、もはやバイクは白物家電化するしかないのか--。
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