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2005.10.17

クラッチレスFJR1300ASの可能性

ヤマハがパリショーで発表した2006年モデルのFJR1300AとFJR1300AS。ASはクラッチ操作なしでシフト操作可能な新システムを導入しいい匂いで話題となっている。

ヤマハ発動機の9月29日公式発表資料より抜粋。太字は筆者による。

なお「FJR1300AS」には、クラッチ操作なしでシフトチェンジが可能なYCC-S(Yamaha Chip Controlled Shift)を装備してツーリング機能を向上させています。

主な変更点と特徴

■エンジン関連

1)YCC-S (Yamaha Chip Controlled Shift)の採用(FJR1300ASのみ)
 マン・マシン・インターフェイスを最新電子制御技術で具現化するヤマハの新たな技術思想、“ジェニック”(G.E.N.I.C.H.)から生まれた新フィーチャー、YCC-Sを採用しました。ツアラーとしてのラグジュアリー性を高め、スポーティな走行をサポートし、また市街地渋滞走行での煩雑なクラッチ操作を解消するために新開発したシステムです。YCC-S標準装備の「FJR1300AS」ではクラッチレバーの装備はなくギア操作は従来のシフトぺダル位置にあるフットシフトスイッチで行い、切り替えモードスイッチで左スイッチボックスのハンドシフトスイッチの追加選択が可能、何れかで操作します。

 従来のクラッチ操作は不要となり、YCC-Sはエンジン回転数とスロットル開度に応じてクラッチの動きを最適に制御し、微速発進から加速、減速、全開加速まで各状況に応じスムーズな走行性を引き出しています。YCC-SのECUへは走行中、エンジン回転数、車速、ギアポジション、スロットルポジションセンサー(TPS)などからの情報が常に伝達され、ライダーのギア選定に対し瞬時に演算処理を行いクラッチ系とシフト系へ作動指示を行います。 (以下略)

FJR1300ASは欧州市場に投入したモデルだが、もし日本国内モデル(つまり最高出力の自主規制と、日本の排ガス規制等々の問題をクリアしたモデル)を生産して販売する可能性があるとしたらどんな問題があるか。

一番の問題は、AT限定二輪免許だ。現状、国内でスズキのスカイウエイブ650しか生産販売されていないことから、大型自動二輪免許AT限定は、運転できる排気量が650㏄以下に制限されている。しかし、FJR1300ASが国内販売されるようになれば、ヤマハが法律を変えさせられるチャンスが出てくる。

ちょっと待てよ。FJR1300ASはクラッチレスであって、シフトレスではないからオートマチック車ではない、という認識も成り立つかもしれない。でも、四輪車はクラッチレスでシフトはマニュアル操作できるクルマもあってAT限定免許で運転できるはずだから、そうなるとFJR1300ASの存在がAT限定二輪免許の排気量規制を撤廃できる可能性が出てくる。

過去、メーカーが法律を(厳密には法律の解釈を)変えさせた例は、日本ではホンダが屋根付き三輪車を、ミニカー登録で普通自動車免許取得が条件だったのを、原付自転車登録で原付免許で運転できるように働きかけ、実際に法律の解釈が変更されたことがある。
対して、ドイツのBMWが生産したC1という屋根付きシートベルト付きスクーターは、ドイツではヘルメットなしが認められたが日本ではヘルメットなしの運転が認められず正規輸入されなかったという例もある。

FJR1300ASに限らず、日本のオートバイ市場は高齢者の愛好家が年々増えている。クラッチ操作がなければ大型スクーターではなくまたがって乗るタイプのオートバイを楽しめるのに、という中高年や女性ユーザーも多いことと思う。アメリカでは高齢バイカーや障がい者バイカーはトライクやサイドカーに乗る例が多いが、日本の狭い住宅事情や、ややこしい法律のおかげで、トライクやサイドカーは日本ではあまり普及する気配がない。
どうやら、後付けのオートクラッチシステムというものもあるようなので、クラッチレスの需要は今後ますます増えていくことと思う。
もともとMT二輪免許を持っている人は関係ないけど、これからクラッチの問題を抱えた人がAT二輪免許を取りたい場合に、ヤマハがFJR1300ASを国内販売すれば法律が変わるかもしれないので、ここは一つ英断を検討していただけないだろうか、と思った次第で。

「FJR1300は《タンデムで10日間3,000kmレベル》のツーリング用途に呼応する」「“世界水準の欧州縦断ツアラー”」とのことですが、例えば青森から鹿児島まで高速道路を走ると約2000kmもある。日本だって決して狭くはないのだ。
いろんな意味で、FJR1300ASを熱望。

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コメント

古いマシンで恐縮です。昔エアラってCB750系のエンジンでオートマッチックのマシンがありましたね。この時期ホンダはホークⅡでもATを出していましたしね。売れんかった。街中で1度見たっきり。シーラカンスみたいな乗り物でしたね。インプレもあまり良く書いてもらってなかったし。
時が変わってAT免許があるこのご時世普及に拍車がかかるんだろうか?クラッチレスでいうと4輪では、ISUZUが「NAVI5」ってシステムを作ってましたね。乗用車のアスカ~大型トラックまでラインナップがあって、これはバスに装備されていまでも活躍してますよねえ。

投稿: ATかあ | 2005.10.17 16:20

クラッチレス車、個人的にはあまり興味ないです。操作が面倒とか、苦手とか重くて大変とか、ほとんど感じないので。むしろ運転のリズムを作るのに必要なくらい?!

ただ、クラッチ操作が苦手なために、自動二輪の免許を取れない、あるいは取得をためらっているような方々(特に女性に多い?)には福音だと思います。
そうなるとむしろ小排気量車ほど、ニーズは高いのかな?
あとはコスト、でしょうね。

投稿: t_bow | 2005.10.17 22:42

FZR1000乗ってます。待ち乗りの比重もそこそこ多いので、大変興味はありますね。
初心者が乗る大排気ではなく、熟練者もたのしめるフィーリングかどうかですね。
クラッチレバーがないというのは、それだけ自信があるのかも知れません。
あとは、耐久性(メンテナンスコスト)ですか

投稿: にしお | 2005.12.11 09:54

しかし排気量枠拡大となったら、
50PSのスクーターで教習を受け、ニーグリップも知らないまま、免許取得した人間が
中間選択肢も無く140PSものバイクにまたがり
走り出すことになる・・・
(もし他メーカーが同様の車種を出すとしても、
既存車種よりスペックが劣るものを出すとは考えにくい。)

ABSが付いていたとしてもあの車重を操れるかどうかは甚だ疑問

排気量枠拡大と同時に教習者をFJR1300ASにしたとしても、
それ以前にAT大型免許を取得した人間へのフォローはできない

”AT免許保持車の可能性が広がる”といえば耳障りはいいが、
その危険性も十分考慮する必要があると思われる

投稿: hoge | 2006.07.06 23:00

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今年の6月1日に自動二輪免許にAT限定が追加され、その大型AT限定には650ccという意味不明な排気量の上限が設定されている。施行されてからまだ半年も経っていないのだが、実はこの上限に引っかかってしまうバイクが発表されていた。そのバイクとはヤマハのFJR1300ASである。....... [続きを読む]

受信: 2005.11.20 19:21

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